2023-02-17

次のセルフメイドキーボードはLilith miniかな、カスタム刻印の実現性が見えたので [自キ沼 #24]

左右分割Aliceで70キーのLilithを作って以来、今まで経験したどのキーボードよりもお気に入りで毎日使っています(ケースに関する以前の投稿、全体像のTwitterへの投稿、Lilith v1/v2/v2.5のTwitterへの投稿)。
単に自作のキーボードですというだけではなくて、実用的なメリットつまり、左右分割で両手・両腕の自然で自由な構え方、ロースタッガードの標準キーボードに近い配置、小指の短さに寄り添った小指ブロックを持つAlice配置、この三位一体感がとても心地良いのです。

これが自作キーボードの自分にとってのエンドゲームなのか、と考えかけているのですが、もっとキー数を少なくしたキーボードには何か良いことがありそうなんだよね、とちょっと心に引っ掛かっているものがありました。
単に、コンパクトだとか、部品が少なくて済むとか、奇抜でカッコいいとか、だけではない何かがです。

7x4から5x3へ

現在のLilithキーボードは、変則的な配列にならないようキー数を省略しなかったため、7x4(それと中央にオマケの補助用に1列追加)の配列になっています。
人差し指から小指の4本の指でこの7x4を操るので、良く動く人差し指の担当が2列なのは良いとして、力の弱い小指(赤ちゃん指)が3列も担うことになってしまっています。
改めて考えると、小指の負担が大きすぎます。
そして、7x4のx4の方、数字行についても、標準キーボードとの違いを少なくする意義は大きいのですが、ホームポジションが明らかに崩れるデメリットがあります。
なんとか5x3配列がうまく実現できれば、小指の負担が少なく、ホームポジションが全く崩れないキーボードになります。

カスタムレジェンドの必然性

自作キーボードでキーマップを色々工夫するのはひとつの醍醐味ですが、どのキーがどこに割り当てられているのかを完全に記憶して即座に入力するのは、やはり脳に余計な負担を強いるものです。
記憶の補助手段として、キーの刻印(レジェンド)がとても有力なのですが、標準的な配列から離れるほど、出来合いのキーキャップがどんどん使い物にならなくなってしまいます。
自分のキーマップが確立したら、カスタムな刻印のキーキャップを作ってしまえば良いのですが、自作キーキャップ作成手法としてなかなか満足できるものが見つかりませんでした。
そんな中、実績のある既成品のPBT素材のブランクキーキャップに、フルカラーでUV印刷してくれるサービスが遊舎工房さんで提供されていることを知りました(1キーのみのお試しや、モノクロのレーザー印刷もあり)。
これで、非標準なキーマップにならざるを得ない5x3配列キーボードに対する、実用的な実現性が、わたしの中で現実味を帯びて来たのです。

では、やってみよう

となれば、まずはKLEでの配列設計とマップのシミュレーションです(自作キーボード作業の中でKLEが一番楽しいですね、今回は見た目も、よりリアルな色をつけてみました)。
分割AliceのLilithの形状は維持しつつ、小指の担当を1列になるように削ることで5x3にし、キーマップが無理なく収まるかどうかを試行錯誤してみたのが下の図です。
名付けて、Lilith miniです。

親指ブロックは、Ctrl/Opt/Cmdなども含めてダイレクトに入力できるよう一切省略しないことにしました。
数字・記号系と、カーソル・Fn系の、単純な2レイヤで、なんとか綺麗に全キーを収められそうです。
なお、数字は、左右分割しているとものすごく入力しにくいのを今も感じているので片手側に集めたかったのと、キーボードでは多数派の電卓配列(789が上の行)よりも電話配列(123が上、789が下)の方がスマホで見慣れているので、そちらを選んでいます。
標準キーボードでのShift+数字で入力する記号群は、Shift+Mod1+数字の3キー同時押しにはなりますが、標準キーボードと同じ割り振りのメリットの方が大きいと考えてそのままにしています。
他の記号は ~ と | 以外は、ShiftなしのMod1レイヤで直接入力出来るようにしています。
Esc、Tab、CapsLock(OS側で漢字ON/OFFに割り当て)はMod1レイヤのQAZに、Shiftは思い切って親指中央に割り当てました。
親指ブロックがどのみち中央側に伸びるので、メインブロックの中央側の追加1列は、ケースのスペース的にはそれほど負担にならないし、片手だけでの操作に重宝するので継続採用です(ジョイスティックについてはまた別の機会に)。
カスタム刻印で、Mod1とMod2(RaiseとLowerと言った方が良いかも)を色分けすることで、より直感的で分かりやすくなるのではと考えています。

なかなか綺麗に収まったと思いませんか。
これならキーマップの記憶負荷が少なく、かつホームポジションが全く崩れない、実用的なキーボードが実現できそうです。
まあ、今は単に絵に描いた餅かもしれず、こればっかりは実際に作って使ってみないと分からないですね。
PCB基板は現状Lilithもリバーシブル化で製造コストを節約できているので継承します。
Lilith miniでは、カスタムレジェンドが最大のポイントなので、手始めとしてキーキャップの印刷データの作成から始めるのが良さそうですね。

この投稿は、寒い日にベッドの中で、iPadのソフトウェアキーボードで入力した後、セルフメイドLilithで手直しして作成しました。
Lilithのまとめを書きかけて長くなってしまっている中(なのでLilithの現在形の投稿がまだできていない)、今回のアイデアが浮かんできたので、こちらを先に投稿しました。
Twitterにもつぶやいておいたので、ご指摘、励ましなど、お気軽に返信いただけたら、大きな励みになります。


[2023-03-27] ここで考えていた5x3配列だと、TabやShiftやEscの入力がどうしてもまごついてしまうことが、1週間ほど使ってみて分かりました。
頭の中だけで考えたものは必ず実際に動かして確かめるのは大事ですね。
今後は6x3に舵を切りたいなと思います(今日の投稿)。
TabやShiftは入力頻度がそれほど多くないし、右手側も;’がダイレクトに入力できるようになってメリットが大きそうです。
Escは青Mod+Tと人差し指で押す方式に、カッコ系(()[]{})は中指と人差し指押しにして人差し指だけを忙しく動かさなくてもよいように考えています。
数字行がないことをカスタムレジェンドでどれだけカバーできるかが、今後のポイントかなと思います。

2023-01-25

カーソルキーのもっと良い置き場所を探していろいろと妄想、センターが良さそう [自キ沼#23]

標準キーボードのカーソルキーってメインブロックから離れていて、手首を大きく動かさないと押せません。
キー数をメインブロックのみに絞った60%キーボードですら、逆TカーソルがEnterキーの下なので、やはり手首ごと動かして、人差し指・中指・薬指で押す使い方になります。

この矢印キーの配置って、ホームポジションが大きく崩れる違和感があって、どうにかならないかとずっと気になっていました。
よく使うのに、矢印キーを押す、そこから戻る、を繰り返すたびにホームポジションとの行ったり来たりになってしまいます。

矢印キーをメインキーのレイヤの中に入れてしまえば、ホームポジションを崩さずにカーソル移動できますが、レイヤを意識して同時押しする必要があるので、次善策ではありますが、完全な解決策にはもう一歩だと思います。

折に触れていろいろ妄想している中で思いついたのが、図のように、十字配置の矢印キーをセンターに置く方式です。
まだKeyboard Layout Editorで描いてみただけなのですが、いい感じに収まりました。
オーソリニアで、センターにテンキーを置いているキーボードを見かけるたびに、なにか気になる感触があったのですが、そこからふと発想を広げてこうなりました。
(スイッチをひし形に配置して、細身の専用キーキャップを付けるというのもちょっと考えたのですが、横幅がどうしても広くなりすぎてしまうので、ボツ案としました。)
図は、ロースタッガードの左右分割の想定で描きましたが、一体型やカラムスタッガードでも適用できるのではと思います。

Nの左とその下は、右手人差し指で容易にアクセスできて、ホームポジションもほとんど崩れないと思います。
プログラミングでも、文章作成でも、カーソルキーの使用頻度はとても高いので、手首を大きく動かさなくてよい位置に専用の矢印キーがあるのは、入力の気持ちよさに大きく貢献すると思います。

あと、図の配置に関して、蛇足話です。
左手ブロックに比べて右手側ブロックがどうしても長くなってしまうのを何とか抑えて同じ幅になるように、右手端のバックスラッシュの位置を詰めて配置する工夫をしています。
親指ブロックのBackspaceとEnterは標準のサイズのキーキャップになっています。
Backspaceとほぼ同率頻度で使用するDelキーも確保しています。
左手側センター側にはEnterも置いて、左手の片手だけである程度利用が出来るようにしています。
わたしは親指が短めなので、親指ブロックは0.25u下げています。
好みによっては数字行を省略しても良いと思います(その場合はEscはTabの左で良さそうですね。わたしは数字や記号を迷わずに入力したいので数字行がある方が好きです)。

この投稿はセルフメイドのLilithキーボード、キースイッチはGateron low profile 2.0 Brownで書きました。

2023-01-21

いまお気に入りのロープロファイルキーキャップ3選 [自キ沼#22]

ロープロファイルの自作キーボードを作っていくなかで、より良質のキースイッチを求めてKailh choc v1からGateron low profileスイッチ(基板のフットプリントとソケットがchocともMXとも違う[→過去記事]ので専用設計になる点は何度も注意喚起いたします)に乗り換えて、年末から主力として使用し始めした。
MXの十字軸のキーキャップで、ロープロファイル仕立てのものはそれほど多くないのですが、その中からわたしが現在気に入っている、トップ3を紹介します。

  • NuPhy nSAプロファイル COAST Twilight
    わたしにchocから乗り換えを考えさせるきっかけ[→過去記事]になったキーキャップです。
    chocとほとんど変わらない低さが実現できます。
    本来はNuPhy Air60/Air75キーボードのオリジナルの白色デザインに対する、色違いの交換用の専用キーキャップで、キー数は少なめですが普通に汎用的に使用できます。
    Esc/Enter/Spaceの3色の差し色が特徴的です(Alice配列では残念ながら6.25uの長いSpaceは使えない)。
    素材はPBTで、レジェンドは昇華印刷です(文字部分が白色の成形色で、周りの着色部分が昇華印刷という面白い方式)。
    キートップ面が広くて押しやすいですが、次のSkylineと比べるとちょっと平らすぎる感じがします。
  • XVXロープロファイル Skyline Shadow
    XVX社のロープロファイルキーキャップの第二弾(いわゆるR1)として出てきた(製品ページにストーリーが紹介されていて、さらに別バージョンR2の構想もあり)、行の高さが揃ったノンスカルプチャです。
    7色展開ですが、わたしは落ち着いたグレーのShadowが好きです。
    Esc/Enterの白色の差し色キーもついていますが、普段使いには通常色のキーを付けています。
    PBTのダブルショットです。
    nSAと同じく広いキートップ面で、nSAよりも窪みが若干深いので、より指にフィットします。
    nSAよりもなんとなく押し心地がマイルドな感じがします。
    刻印が小さめなのも好みです。
  • XVXプロファイル Concrete
    XVX社のXVXプロファイルという、シリンドリカルステップスカルプチャだけれどとても低いプロファイルです。
    こちらも6色展開で、わたしはこちらもグレー基調のConcreteを選びました。
    通常キーの刻印がグレー地に濃い水色文字なので、周りが暗いと少し見にくいです。
    Forestという白色基調、特殊キーが深緑色の配色もとても気になっています。
    PBTのダブルショットです。
    驚くべきことにR2/R3行はnSAやSkylineに匹敵する低さです。
    さすがにR1/R4は少し高さがあります。
    しかしながらそれがかえって打ちやすさにつながっている面もあって、数字行に指が届きやすいです。
    キートップ面も広くて窪みが深めで、指に吸い付く感じがします。
    写真のようにスカートが長めなので、相性によっては引っかかりそうになるキーがありますが、少し削れば万全です。

次点にはなりますが、写真に写ったキーキャップがもう一つあります。

  • XVX Horizon ロープロファイル Black
    XVX社のロープロファイルキーキャップの第一弾(R0とでもいうべきか)です。
    PBTのダブルショットでバックライト透過型、白色と黒色があります。
    わたしは黒色を選んだのですが、刻印がほとんど見えなくて、その点は残念でした(他では、墨色キーキャップが流行っているようなので、この方が好きな人も多いのではと思います。バックライトがついているなら製品写真のようにとても綺麗だと思います)。
    段差が非常に少ないシリンドリカルステップスカルプチャになっています。
    キートップ面は上記3種よりかなり狭いのも欠点かもしれませんが、他の標準的なキーキャップのことを考えるとこの広さが標準的なのかもしれません。

他にも、
NuPhyからバックライト透過型や、季節の企画もの(2月にはPBTダブルショットも予定されています)、
KeychronのK3キーボードの色違い交換用(NuPhy同様キー数が少なめ)と、汎用のPBTとABS(ABSは特徴的なオレンジの差し色を選べる、なおKeychronはキーキャップによってはスタビライザの足が軸の中心からズレた特殊なものの可能性があるのでよく見て選ぶ必要あり)と、
ゲーミングに寄せたPulsar Korseaのロープロファイル
があるようです。

chocでは刻印入りや、いろいろなカラーリングのキーキャップがほとんどなくて困っていました(Cosfoxから1u以外の標準キー幅や差し色も入ったChocFox CFXキーキャップセットがこのタイミングで出ましたが、バリエーションがもっと増えるといいですね)。
3Dプリントで自作[→過去記事]しても良いのですが、製品品質できっちり刻印までされているキーキャップには惚れ惚れしてしまいます。
キーキャップの文字刻印は、押したいキーがどこにあるかが視覚的に確実に分かる(たまにしか使わない記号文字の時に助かる)ので、キー入力を楽にするのに大きく貢献していると思います。
キー数をもっと絞ったキーボードの場合には、自分のキーマップに合わせたカスタムな刻印が欲しくなると思いますが、そういう場合にはまた別の工夫[→過去記事]が必要なのかもしれません。

この投稿はセルフメイドLilithキーボード、Gateron low profile 2.0スイッチ、XVX Skylineキーキャップを使って書きました。

[2023-07-31] 遊舎工房さんのキーキャップ刻印サービスを試してみたので投稿しました。

[2024-02-03] Keychronの日本の代理店のSUPER KOPEKで、Keychronロープロファイル LSA キーキャップv2の取り扱いが始まっています。
Keychron LSAはとXVX Skyline/Horizonは、NuPhy nSAに比べるとスカート部分が少し短いと思います。
NuPhy nSAはあくまで自社のAir 96/75/60キーボードの交換用であって、汎用性を求めていないキーキャップセットなので、1.5uなどのキー数が少ないのが少し残念ですが、今の私の一番のお気に入りです。

2023-01-09

Gateron Low Profileスイッチの新型2.0が順次発売開始 [自キ沼 #21]

私の大のお気に入りになりつつあるロープロファイルのGateronのメカニカルスイッチ(以前の投稿)が、新しくなって2.0として既に発売中です。

トータルトラベルが2.5mmから3.0mmに、プリトラベルが1.5mmから1.7mmに変更されています。
それと、ファクトリールブ済み、LED用の窓が表面実装のLEDにも対応するように改善されているようです。

価格は直販サイトで1.0から変わらず、35個セットが$14.99 (単価$0.428) です。
私自身は1.0でLilithの新バージョンを現在作成中ですが、早速2.0 Brownをお試しで発注してみました。
良質なロープロファイルスイッチの選択肢が増えるといいですね。

なお、Gateron Low Profileのフットプリントとソケット(以前のソケットに関する投稿)は、choc v1/v2ともCherry MXとも違う完全に独自のものなのでくれぐれも注意が必要です。

この投稿はセルフメイドLilith v2 (Gateron Low Profile Brown 1.0) で書きました。

[2026-02-06] ロープロファイルのメカニカルスイッチの種類について補足
ロープロファイルのメカニカルスイッチには次のようなヤヤコシイ複数の派閥があって、それぞれの間は全く違うフットプリント、ソケットも別物なので注意が必要です。

  • Gateron Low Profile 1.0/2.0/NuPhy/KLP: 今回紹介しているシリーズです
  • Gateron Low Profile 3.0/NuPhy nano: Cherry MXの標準プロファイルスイッチとの互換性を持たせることで、1台のキーボードで標準とロープロファイルの両用をねらったシリーズです。最近のNuPhy(や最新Keychron K3 Ultra 2026-02-08訂正K3 UltraはGLP 2.0です)で採用されています。厳密には軸の丸足がMXよりこちらの方が太いので相互互換ではなくて片方向互換です(PCBとプレートの間の高さも違うのでここの差し替えも必要)。型番が2.0と同じKS-33のままなので間違わないように注意しないといけません
  • Kailh choc v1/v2/Lofree: 最も古くからあるシリーズ。厳密には軸の丸足がv2/Lofreeがv1より太いのでフットプリントの上位互換は無くて下位互換のみです。Lofreeのスイッチがfull POMで評判が良く、chocあるいはロープロファイル全体の浸透に大きく貢献しました
メカニカルスイッチではないですが、ロープロファイルの磁気スイッチ(HE: Hall Effect)も出てきています。
なお、キーキャップはchoc v1を除いて他はすべてMXの十字ステムなので互換性があります(わたしのお気に入りのキーキャップの紹介投稿)。

[2023-01-10] さらに、GateronNuPhyのInstagramと、NuPhyの製品ページ(現時点は画像だけで、未発表のNuPhy Air96用となっている)にバリエーションモデルが掲載されています。
トータルトラベル3.5mmでハウジングまでパステルカラーになっている、

  • タクタイルのWisteria (藤色 T55)と、
  • リニアのDaisy (ヒナギク色 L48)と、
  • リニアのAloe (アロエ色 L37)

です。
1月16日解禁のようです。

[2023-01-13] このパステル軸をよくよく見て気づいたのですが、ステムの露出が2.0より更に短く、ハウジングがその分高くなっているように見えます(別の写真ではそうでもないようです)。
そうやってトータルトラベルをギリギリまで稼いでいるようです。

[2023-09-12] さらに、以下のロープロファイルスイッチが出てきました。

  • NuPhy Air75 v2と同時発売の、
    リニアのCowberry (コケモモ、スピード軸、45g) と、
  • タクタイルのMoss (コケ、アーリーバンプ(タクタイル感が早く来る)、60g)。
  • KeychronからKeychronブランド(Keychron low profile: KLP)で、ステムの形状が一工夫されている、
    KLP Red (リニア、スピード軸) と、
  • KLP Banana (タクタイル、スピード軸、強いタクタイル)。
  • 本家Gateronから
    GLP 2.0 Banana (Brownより強めのタクタイル)。

 

[2024-11-12] 新しいスイッチを手に入れました。
  • GLP Bananaは、Brownよりもタクタイル感も押下圧もはっきり重い、より明確な入力感。
  • KLP Bananaは、Brownに比べるとたしかに早く(浅く)入力されつつ、タクタイル感はより明瞭です。薄めのキーボードが好みの人にはあっていると思います。
  • KLP Redは、とにかくすこし押しただけ、触れただけで入力される感じです。スピード軸ってこんな感じなのかなと言う感じ。
GLP Bananaは深いタクタイル好きの人向け、KLP BananaとKLP Redは浅い入力感が好きな人向けです。
どちらもGLP Brownの柔らかいタクタイルよりもシャッキっとした感じが気に入りました。
KLPは軸ブレがかなり少なくて安定しているように感じます。 

[2026-02-06] KeychronとGateronからGLP 2.0 のサイレントスイッチがついに出ました。

  • KLP Silent Redリニア40g 2025年春(一部の記事ではPinkと呼ばれています)
  • GLP 2.0 Silent Redリニア45g、2025年春

2026年1月にSilentがバリエーション化され、サイレントタクタイルもラインアップに登場しました。

  • GLP 2.0 Silent Whiteリニア38g
  • GLP 2.0 Silent Blackリニア55g
  • GLP 2.0 Silent Brownタクタイル55g

また、少し前からGLP 2.0のfull POM版も出始めています。
おそらくこちらはLofreeのスイッチに近い感触だと思います。 
  • GLP 2.0 Chocolateタクタイル55g full POM、2024年夏
  • GLP 2.0 Strawberry Chocolateリニア45g full POM、2026年1月

そして、Keychronからも高質感を目指したK3 Ultraキーボードに先行してfull POMスイッチが出ました(2026年2月)。

  • KLP Milk POM Redリニア45g
  • KLP Milk POM Brownタクタイル47g
  • KLP Milk POM Bananaタクタイル57g

このように、GLP 2.0のスイッチはますます充実してきています。

2022-12-10

Lilithキーボード用の3Dプリントのソリッドなケースを試作、これがなかなか良い [自キ沼 #20]

先月にTwitterではお話していましたが、セルフメイドLilithキーボードでは、ケースをFR-4積層と、もうひとつ別の方式として、3Dプリントで試作しています。
右手側片手分だけなのですが、これを装着して使い始めてたところ、我ながらなかなか良さそうです。

下の写真が実際の見た目です(下に仮置きで敷いているのはフェルトのハギレですが、これもなかなかよいです)。
真ん中の図がケース部品の3Dモデルを上と下から見たところです。

構造的には上の図のように、PCBを3Dプリントのトップケースとボトムケースで完全に隙間なく挟み込む形にしています。
自作キーボードでよく採用されているサンドイッチマウントや、ケースとスイッチプレートが一体構造で作成されるインテグレーテッドマウント、高級キーボードのガスケットマウントケースでさえ、プレート・PCB・ボトムの間に空間があって(PORONやシリコンをゆるく挟んでいる場合もありますが)、浮かんだ形なので、振動がどうしても抑えられず、音も外に漏れ放題になってしまうのではと考えました。
そこで、この空間を隙間なく埋めてしまい、なおかつ、しっかり挟んでで押さえ込んでしまって、打鍵ショックをキーボードの筐体体積全体で受け止めてやれば良さそうと考えました。
名前を付けるとすれば、ソリッドケースあるいはソリッドマウント方式になるのかなと思います。

chocスイッチは通常パシャパシャという感じの高音の打鍵音なのですが、ソリッドケースにすることでコトコトまでは行きませんがカタカタくらいの落ち着いた打鍵音に変化したように思います(打鍵音ビデオは可能なら頑張って撮って(録って)みます)。

ソリッドケースの3D設計は一からやろうとすると頭の中に立体物を明確に思い浮かべる(彫刻作成のように?)のが難しそうで、どこから手をつければよいかすらお手上げと感じていたのですが、発想を変えて、先に作っていた積層ケースを組み立てるように、それぞれ形の違う薄い層を積み上げていく設計方法をとることで、なんとか実現できました。
積層ケースでの経験が見事に生きました。
ボトムケースの方は、ダイオードやスイッチソケット、それにジョイスティックのケーブルやソケットの部分は隙間を開けています。
もちろんPro Micro本体や、その足、リセットスイッチやTRRSコネクタ用の空間も開けています。
ネジ止めのためのナットとネジ頭は上下のケースに埋め込まれるようにしました。
ボトムケースは薄さを最優先して、穴あき状態のままで蓋をしない構造にしています。

JLCPCBのブラックレジンの3Dプリント結果は、一つの面はとても綺麗に滑らかに出力されますが、その反対側の面は表面が少し肌荒れ状態になってしまうようです(写真の親指ブロックの手前部分など)。
ヤスリ掛けでどこまで綺麗になるか(もしかして余計に表面が荒れてしまうのか)は、今後試さないといけません。

3Dプリントの費用は片手分で、トップケースが1,500円、ボトムケースが900円、送料が300円でした。
PCBと違って一品から注文できるので、ものすごくリーゾナブルだと思います。

下の写真でも少し分かるのですが、3DプリントケースとPCBを比べると、PCBの方が0.2mmくらい周りが小さくなっています。
図面上は全く同じサイズにしたはずなのですが、PCBの方は基板の端をVカットする時に寸法よりももしかして少し小さくなってしまうのかなと想像しています。
次回は合わせ込むか、ワンポイントとして活用するかは思案中です。

それと、ケース組み立ては、FR-4の積層の時は100x100mmに収めるために分割したのもありますが30パーツくらいあった(贅沢にFR-4を発注したとしても7層7パーツが最小)ので1時間くらいかかる大変さでしたが、PCB基板含めて3パーツなので、とてもシンプルになって5分かからずに組み立てられるくらいになりました(寸法誤差のためかネジが多少入りにくいところはありますが問題なし)。

今回の対象がロープロファイルスイッチだったのでやりやすかった面はあるかもしれません。
MXスイッチの高さを全部埋めるとどうなるのかは、ちょっとやってみないと未知の世界かな、と思いました。

これまでの自作キーボード活動で、必要な駒が揃いました(ジョイスティックに関してはまた改めて投稿しますが、補助的な入力装置としては使えそうな状態です)。
自分の用の完成形にもう一段近づいたLilithキーボードの設計・作成に取り掛かっていこうと思います。

この投稿はセルフメイドのLilithキーボードで書きました。

 

[2023-03-09] 「PCBをトップケースとボトムケースでほぼ隙間なく挟み込む」と書いていた部分を、「完全に隙間なく」の表現に変えました。
ダイオードやソケット部分は避けて多少の隙間や穴を作るので、PCBの上下の面全体が完全に密着するわけではないことから、ほぼ隙間なくと書いていたのですが、面の大部分を完全に密着させるので、完全に隙間なくと言った方が状態をよく表していると思ったからです。

2022-12-09

マイナーなGateron Lowprofileスイッチソケットが到着、フットプリントをごにょごにょ [自キ沼 #19]

ロープロファイルの中では、おそらく上質で個人的に気に入ってしまったけれど、メジャーじゃない、Gateron Lowprofileスイッチ専用のソケットが到着しました(先日の投稿「ロープロファイルはchoc v1だけじゃない」)。
性懲りも無く、中国から10日かかっての到着です。
その間に、別のスイッチも気になり始めましたが、まずはこちらに取り組んで、そちら(先日の投稿「自作オプティカルキーボードの夢を見た」)はその後、満足できなかったりさらなる探究心が残っていたらにしようと考えています。

上のソケットの写真は、左から、Cherry MX用、Kailh choc v1/v2用、そして一番右がGateron Lowprofile用です。
Cherry MX用に近いようですが角度が逆で、はまりません(じつは先入観でGateron Lowprofileスイッチ用にとCherry MX用ソケットを買ってしまいました、MXスイッチはひとつも持っていないのに、そういう意味ではハマりました)。

早速フットプリントを作図してみました。
下の図の左側のように、同じ向き(南北同方向)のリバーシブルも大丈夫そうです。
下の図の右側は、choc v1/v2と差し替え選択式の試行ですが、ソケット足と電極のハンダパッドがちょうど重なってしまうので、潔く諦めてGateron Lowprofile専用基板にしようと思います(自分用なのでそれで良い)。
Cherry MXとの選択式も同様に無理です(出来たとしてもスイッチの高さの違いのためにケースが共通化できない問題もあります)。
2種類のソケットの向きを上下逆にすれば、なんとかなりはしますが、さらにこれをリバーシブルにしたいのと、またさらに分割キーボードの左右で0.25uとか0.5uずらしたりしたいので、詰め込みすぎなほうが良いでしょう。

この投稿はセルフメイドのLilithキーボードで書きました。

 

[2023-01-07] GLP (Gateron Low Profile) の左右リバーシブルは、(南北)上下同じ方向で良さそうかと思っていましたが、わたしのLilithキーボードでは左右で0.25uズラしたリバーシブルにするので、最終的には上下逆方向のリバーシブルにすることにしました。
バックライトをつけるつもりは今のところ全くないのでこれで良しとします。
Chocに比べるとピン足の間隔が広いのと、中心線上に来るピン足穴がなくて裏表共通にならないので、基板が穴ぼこだらけになりそうです。

[2023-01-10] そうそう、GLPのソケットの調達先にはAliExpressとMechKeysがあります(金額は同じくらい)。

[2023-01-16] Gateronの直販サイトでもソケットの扱いが始まりました。

2022-12-06

自作のオプティカルキーボードの夢を見た [自キ沼 #18]

無接点キーボードとしてあまりにも有名なHHKBは、静電容量方式です。
回路としては電気的なON/OFFスイッチではなくて、キーの軸の上下の動きに伴って静電容量がアナログ的に変化するのを読み取って判断する必要があるため、基板もファームウェアも専用になってしまいます。
メカニカルスイッチでは板バネ状の接点をカチカチやるのですが、その必要がなく、原理的に考えても動作が圧倒的にスムーズになると言われています。

静電容量キーボードと並んで、もうひとつの無接点方式として、オプティカルキーボードがあります。
オプティカルスイッチ(光学スイッチ)は、キーの軸と連動させた光を遮る小さな部品を上下させるだけの構造です。

オプティカルキーボードでは、赤外線LEDとその光を受信するフォトトランジスタが、スイッチを実装するのと同じPCB表面に実装されます。
PCBとスイッチの間の電気的な接続は不要です。
なので、スイッチのPCBへのハンダ付けやホットスワップのためのソケットも不要で、スイッチはプレートやPCBに爪で固定します。
実際のキーボード製品のイメージの例を右に載せます。

オプティカルスイッチのサイズとしては通常のCherry MXサイズと、わたしの好きなロープロファイルの両方が用意されていて、キーキャップ軸の形状はどちらも一般的な十字型なので、キーボード設計の自由度が高いです。
スイッチ部品は例えばAmazonでも買えて、それぞれ、Gateron Opticalスイッチ(10個、単価83円から)と、Keychron Lowprofile Opticalスイッチ(87個、単価67円から)で、構造が簡単なためか色々な軸が出ています。

あとはPCB設計と、部品選定と、ファームウェアがそろえば自作キーボードとして作成できそうですよね。
ちょうどいい感じの情報がgithubに公開されているのを見つけました。

回路は、マトリックスの(例えば)行に接続した赤外線LEDを順に光らせながら(電流調整のために抵抗がはさまっている)、列に接続したフォトトランジスタでキーの状態を読み取る(キーが押されていたら光が遮られている)という方式のようで、通常の電気的スイッチのキーボードにあるダイオードは不要です。
上記girishjiさんの設計PCBの標準MXサイズ版とロープロファイル版、それとJLCPCBから赤外線LEDと、フォトトランジスタの部品情報の画面キャプチャを載せておきます。
ファームウェアは、同じくgirishjiさんのソースコードがQMKのプルリクエストとして公開 https://github.com/qmk/qmk_firmware/pull/17852 されています。

赤外線LEDとフォトトランジスタは、スイッチのハウジングに開いている穴のスーペースに干渉せずに入る大きさじゃないといけないため、表面実装の細かい部品で足が出ていないタイプですが、最初からPCBA発注してしまうつもりであれば苦にならないかなと思いました。

最後にオプティカルスイッチの軸一覧を載せておきます。
上からの見た目は通常のキースイッチとさほど変わりません。
光をON/OFFする意味ではスイッチなのでしょうが、いわゆる電気的なスイッチではないので、キースイッチと呼んでいいのかどうかがちょっと悩ましいですね。
キーボード一台用の個数のまとめ売りの他に、今は在庫切れのようですがお試し詰め合わせもあるようです。

巷では、Cherry Ultra Lowprofileが販売開始されたようですが(ほぼ週刊キーボードニュースで紹介されていました)、端子が外側に出ない表面実装なので苦労しそうで、これもいっそのことオプティカルになっていればもっと使いやすいのでは、と思ったりもしました。

オプティカルキーボードは、自作キーボードの次のステップとして是非ともチャレンジしてみたいところです。

この投稿はセルフメイドのLilithキーボードで書きました。

 

[2023-01-03] MX標準サイズのオプティカルスイッチは、Keychron.jp のサイトに通常版V2 Optical 7種(単価33円〜48円)と、
さらに改良されてPandaスイッチに寄せたLava Optical Switch 5種類(2番目の表、単価41円)が出ています。

Low Profileのオプティカルスイッチ(光学スイッチ)はKeychronから3番目の表の8種類出ていて、Super Kopekが一番安そうです(87キーセット3,960円、単価45.5円、送料500円、5,000円以上日本国内無料)。

[2023-08-20] そういえば3ヶ月くらい前にKeychronのロープロファイルのオプティカル入り スイッチテスターの在庫が復活していたので手に入れて試していました。
ロープロファイルオプティカルスイッチの第一印象は、光学式なのにバネの音がともかく少し気になりました。
光学式とは言え、物理的にキーを上げ下げするためにはバネが必要なので当たり前ではあるのですが、大きく違う感触を期待していたのに、通常の機械式スイッチとの違いがなさすぎると思ってしまいました。
電気的な接点方式と、無接点方式の仕組みは違うので、チャタリングが起きにくいなどの利点はあると思うのですが、メカニカルキーボードでチャタリングが起きた経験が皆無(昔の安物のメンブレン等ではチャタリングや無反応がままあった)なので、オプティカルにするメリットがよく分からなくなってしまいました。
Keychronロープロファイルオプティカルスイッチは軸の種類が少し豊富(バナナやミント軸)なのと、プリトラベルが短めに設定されている(標準プロファイルでもシルバー軸あり)違いくらいかな、と思います。
もちろん、ソケット無しでホットスワップできる(というかハンダ付け固定する足がない)メリットもあります(その分、PCBの丸足穴とプレートを緻密に作ってスイッチをしっかり支えてあげないといけない)。

[2023-12-28] ロープロファイルのオプティカルスイッチに実際に触れるまでに持っていたイメージは、スムーズで、静かで、なにか特別な高級感がある、という期待も含んだものでした。
実際に触れてみると、Gateron low profile (GLP)メカニカルスイッチに比べて作りが華奢な感じで、ちょうどKailh choc v1スイッチに近いイメージでした。
バネも細いものだったのでGLPのバネに交換すれば良くなるのかもしれませんが、そこまで手をかけて飛びつくほどのメリットは感じられませんでした。
メカニカルのGLPが十分に良いせいもあると思います。
これはあくまでロープロファイルでの話で、標準MXプロファイルのオプティカルスイッチだとまた事情が異なるのかもしれません。

2022-12-02

ロープロファイルはchoc v1だけじゃない、実際にいろいろ触れて試してみた [自キ沼 #17]

左からchoc v1、choc v2、Gateron Low Profile
choc v1/v2の導通ピンは同じ、v2は追加の固定用ピン、
Gateron LPの導通ピンは配置角度がMXと逆で独自
中央丸足はchoc v1だけ極端に細い
ロープロファイルの自作キーボードを作ろうと思ったら、Kailh choc v1が定番中の定番で、代表的な3色以外の軸のバリエーションもずいぶん増えてきていますよね。

わたしもロープロファイルにこだわったキーボードを作っていく中で、最新のSunsetタクタイルに大きく期待し、グループバイ (GB) までして手に入れたのですが、残念なことに、いまひとつ好きになれていません。

  • choc v1 Sunsetタクタイル:しっかりしたタクタイル。押す時の重さは少し軽い(Red Proと同じバネが使用されているらしい)。1.5uのキーキャップをつけたTab/CapsLock/Shiftキー(リバーシブルにするためにスイッチの向きも通常とは逆)が押し込んだ時になぜか引っかかり感あり。頑張ってタクタイルを強調しているためか音も少しうるさい感じ

ほかにわたしが持っているスイッチは次の通り。

  • choc v1 Brownタクタイル:これで自作キーボードに入門。平凡な印象。悪く言えばおもしろみがない
  • choc v1 Pinkリニア:つぎは攻めて最軽20gに。新型らしく、スムーズさは抜群だけど、軽さがピーキーすぎる
  • Pink軸にBrownのバネを入れ替え:スムーズさと重さがちょうど良い感じ。でも毎回改造するのは…
  • choc v1 Red Proリニア:では定番はどんなものかと購入。少し軽めなのは良いとして、どうしてもハウジングの赤色が目に触る。もしも落ち着いた色味だったらコスパも悪くない(単価66円)のでここで終着していたかも

キーキャップに関しては、

PBT素材しかないと思いMBK(レジェンド付きはあまりにも高価なのでブランクのみ、1.5uのカラバリが簡単に手に入らないのが残念)、
レジン3DプリントのLDSA(立体的なキーキャップを試したくて製造発注、17mmピッチ用の設計だったのでキートップが狭めでしっくりこず)と 、
lpCherry(シリンドリカルステップスカルプチャーと自作レジェンドのテスト)

と試してきました。

キーボード本体との組み合わせにもよるのでしょうが、なかなかこれといった収まりどころが見つからず、つぎはchoc v1詰め合わせで総当たりで試してみるしかないか、と考えはじめていました。

もともと、わたしのメカニカルキーボードに対する印象は、キー入力すること自体に対するスイッチの安心感はあるのだろうけれど、ガチャガチャうるさくて、デカくて、そのうえパームレスまで余分に必要だなんて、というものでした。
なので、自分のセルフメイド(ハンドメイド?)の自作キーボードでは、Cherry MX互換の通常キースイッチは、のっけから候補から外していましたし、今もまだそうしています(とは言うものの、遊舎工房さんで色々触ってみた中で静音軸は気になってはいます)。

そんな中、市販のメカニカルキーボード製品のNuPhyやKeychronに、薄型でホットスワップのものがあること、交換用のスイッチやキーキャップが容易に手に入ることに気が付きました。
安価(たとえばNuPhyのGateron Low Profileスイッチは単価45円、キーキャップは75%セットが3,500円しかしない)なことと、いま持っているSparrow62がchoc v1/v2とMXの3種対応(ただし、後述)なこともあり、早速手に入れてみました。

まず選んだキースイッチはGateron Low Profile赤軸です。
現物が到着し、Sparrow62 にはめようとしてもどうしてもはまらないことで、やっと気付いたのですが、このスイッチって、PCBフットプリントがchocともMXとも違う、独自のものだったのです。
キーボード本体に実装しないとスイッチの押し心地は全然わからないので、いったん導通足を 2本とも折り曲げて差し込んでみました。
いきなり専用フットプリントを強いられるのはさすがに辛いので、追加のお試しとしてKailh choc v2も手に入れて(単価77円)比較することにしました。

Gateron Low Profileとchoc v2は共に高さ含めてサイズはchoc v1とほぼ同じです。
NuPhyがnSAプロファイルと呼ぶ薄型キーキャップを付けると、うまい具合にchoc v1+MBKキーキャップとほぼ同じ高さに収まります。

押し心地は、choc v1がどれも全体的にカチャカチャした高い音程なのに比べて、低めの音程のコトコトに近い音で、軸の滑らかさがあります。

小型向け設計のchoc v1は軸やハウジングがどうしても薄手になってしまっているのに比べて、軸も太く、通常サイズのスイッチの質感を残したずっしりした作りになっているからだと思います。

  • Gateron Low Profile Redリニア:choc v1とは明らかにレベルの違う安定感と音質。ただしPCBフットプリントが独自
  • choc v2 Redリニア:Gateron LPに比べるとchoc v1に少し近い感じ。軸の物体としての体積がv1よりは大きいけれどGateron LPよりは小さいためか。PCBフットプリントはchoc v1とほぼ同じで、丸足が太くなっただけ(4本目の追加足は切り取ってしまっても良いはず)
  • choc v2 Brownタクタイル:choc v1 Brownのように相変わらずタクタイルが弱く、Redの単に少し重たい版といった感じ
  • Gateron Low Profile Brownタクタイル:思い切って追加で発注。choc v2 Brownよりも明らかにしっかりしたタクタイル。choc v1 Sunsetよりは弱い。フル実装してみないとわからないですが、Redとの音の差はあまりなさそう

なおこの2種類ほかにも、Outemu Low Profileと、Cherry MX  Low Profileがありますが、前者は高さがそれほど低くなく、後者は入手が難しそうなのと丸足が独自の形なので、わたしの候補からは除外しました。

フットプリントは定番のchoc v1とそれぞれ違うとはいうものの質感がとても良くて、ロープロファイルの選択肢の幅が大きく広がりました。
MX互換のキーキャップが使えるのも大きなメリットです。

つぎの試作では、choc v1/v2とGateron Low Profile、それに可能ならCherry MXの4種対応のPCB設計にチャレンジしてみたいと思います。
自作キーボードはもともと、一品モノで、どのみちPCB設計もその都度なので、フットプリントの違いくらいは大したことない、と考えることにしました。

スイッチの、とくにロープロファイルの比較情報があまり出ていないようなので、思い込みや偏見も多分に入っているとは思いながらも書いてみました。

この投稿は、iPadのソフトウェアキーボードで入力した後、セルフメイドLilithキーボード+choc v1 Sunsetで編集しました。

 

[2023-01-03] さらに光学式のロープロファイルのスイッチ Keychron Low Profile Optical も手に入るようで、次の投稿に机上の考察のレポートを書きました。

メカニカルなGeteron Low Profileのフットプリントについて、実際にソケットを入手して試してみての投稿はこちら

それと、セルフメイドのLilithキーボードは、左右リバーシブルを優先してGateron Low Profileスイッチ専用にしました(chocは切り捨て)。

[2023-11-05] Gateron Low Profileキースイッチについてのまとめ記事はこちら

[2023-11-05] 巷で「ロープロファイルキーボードの歴史を変えた」と話題のLofree FlowのスイッチはハウジングまでPOM素材になっていて、これが打鍵感に大きく貢献しているようです。フットプリントはchoc v2互換ということが分かりました(@foostanさんの検証)。
このスイッチ、リニアのGhost、タクタイルのPhantom、クリッキーのWizardの3種類あります。
その中で、タクタイルだけ技術的制約のためなのか、プリトラベル(動作点)が1.6mmと、他の2つの1.2mmより深く設定されています、不思議です。
Lofree Flow本体を買わずに(あるいは本体への追加を後で)スイッチ単体でも買えるようになっています

2022-11-24

choc v1用Cherryプロファイル的3Dプリントキーキャップの出来栄え [自キ沼#16]

先日、満を持してKailh choc v1ロープロファイルスイッチ用にキーキャップをお試しで3Dプリント発注しました。
PBT素材でしっとりしたMBKキーキャップは、質感はとても気に入っているのですが、縦方向に指を滑らせるときにどうしても大きく引っ掛かりを感じてしまっていたからです。
Cherry MXスイッチのCherryプロファイルキーキャップに似せたのでlpCherryと名付けました。
実際にLilithに装着して数日使ってみた感想です。

  • 一言で言うと、全体的に手作り感満載です
  • お試しに20個発注、半分はBlackレジン、もう半分は比較用に(じつは間違えて)6000番白レジンにしました。白レジンは最初に雑に扱っていたら、いちばん安い素材のためか足が1本折れてしまいました
  • 3Dプリントの出力は、多少の欠けはありますが、Fusion 360のCAD図面どおりの形状。前回のLDSAキーキャップでは表面の縞や荒れが気になりました(ヤスリがけはまだ試せておらず)が、今回はそれほどでもありません。単純な平面と緩やかな一方向の曲面なので製造しやすかったと思います、あるいは短期の間に技術進歩?
  • 刻印も適当に入れてみました。PowerPointでフォントをアウトライン化したSVGをFusion 360に読み込むとサイズがデタラメになってしまったので、文字サイズが目分量で狙っていたよりも大きくなってしまいました。線の幅はあとで計測したら0.8mmになりました。いちばん細い白色マジックでかろうじて塗れる幅なので、これ以上小さくすると無理っぽいです(より細い、黒の極細マジックは準備していませんでした)。写真のDの位置のキーは前回発注のLDSAキーキャップに手書きで書いたガタガタなものですが、結局どちらも微妙な感じです。刻印のデコボコの指触りが心配でしたが気になりませんでした(シールでは指先に触る感覚がずっとあった)。刻印はレーザーとかじゃないと綺麗に仕上がらないのかもしれません。着色とかもできるといいので、下地処理も必要なのかも
  • MXのCherryプロファイルに比べて、高さをchoc v1に合うように最小化しました。さらに行の間の段差をなくしました。キートップの面の傾斜はMXのキーボードが6度くらい最初からチルトしているのを差し引きしてAの行がほぼ0度になるようにしました
  • キートップの指を受ける面が大きいので、指を置いていて落ち着く感じが気持ちいです
  • シリンドリカル(円筒状)は、指の縦方向の移動を邪魔しないのがやはり良いです
  • ステップスカルプチャーも、数字行が近くに感じられていい感じです。持ち運ぶ場合には出っぱるので注意が必要かも
  • 面取り(フィレット)は今回0.3mmだけにしたのですが、もう少し大きくした方が良さそうです。いまは角がちょっと痛いです
  • 裾(スカート)はもっと長くしても大丈夫そうです。デザイン的にも打鍵音の面でもその方が良さそうです。肉厚も今回は1.25mmですが、もっとギリギリまで厚くした方が同じ理由で良さそうです
  • 今回のキーキャップに入れ替えてみると、不思議とMBKキーキャップでは軽すぎて使い物にならなかったchoc v1 Pink軸の20gバネでも不都合なく使えてしまいます。これは良い傾向です。指先の収まりが良いので変な力が入らないからなのかもしれません

前回の投稿Twitterでつぶやいているように、NuPhy薄型キーボードのパーツもお試し発注してしまいました。
製品のクオリティと見比べてた後だと書けなくなると思い、こちらを急ぎ投稿しました。

この投稿は、セルフメイドのLilithキーボード+lpCherryキーキャップ(左手の一部)を使って書きました。

2022-11-21

自作キーボードのデザイン性はワクワクにつながる、無性に欲しくなった存在しないNuPhy Air75改のNuPhy Alice [自キ沼 #15]

ロープロファイルのメカニカルキーボード製品として最近話題になっているNuPhy Air75。
Gateron low profileスイッチ採用、素直なキー配列、機能的なカバーも含めたシステム構成、そして何よりの特長は、カワイイ配色ですね。
無骨な単色だとどのメーカーを選んでも同じと思ってしまいがちになりますが、特徴的な配色が気になりだすともう忘れられません(エモーショナルですね)。
選べるカラバリはオプションも含めて、白基調、グレー基調、黒(文字部分がバックライト透過、黒は正面の写真が無かったので図はグレー画像から合成)の3つ。

どれもに共通の、グリーン、オレンジ、イエローの3色の印象的な差し色(アクセントカラー)が入ります。
1色だけの差し色は他社でも使われていることがありますが、ここまできれいに3色を使っているのは見たことがありません。

すでにセルフメイドの自作キーボードを知ってしまったわたしは、もう標準配列の一体型にはどうしても戻れません
それで、想像してみたのが、4つめの図です。
元の製品と同じサイズのケース(Fn行ありの75%)に、Alice配列(Fn行を削除して60%)がきれいに収まりました(左右の小指ブロックは調整しないままです)。
左右に分割もできたら完璧です。
残念ながら、スペースキーやEnterキーは図の中で長さを変形している(CapsやShiftも変形が必要)ので、NuPhyのキーキャップを手に入れて自作しようとしてもこの配色でこの配列は実現できません(このデザインが手に入るのなら、わたしのchoc v1縛りは解いてよいと思ったほどなのに)。

NuPhyさん、これを見て製品化してくれないかな。
あるいは自作するとして、不足分のキー用にレジンで3Dプリントしたキーキャップに、こんなにきれいに色を付けられるのかな。

2022-11-11

キーボードのキー配列と打ちやすさについて思いを巡らせてみました [自キ沼 #14]

コンピュータの標準キーボードは、タイプライターの時代の名残から、各行のキーがズレて配置されています。

(前置きが長くなりすぎてしまったので、お急ぎの方は中盤の一覧のところまで読み飛ばしてくださって結構です。)

標準的なずれ量は、数字行から右下方向へ、0.5u 0.25u 0.5u となっています。
この角度を計算してみるとおおよそ13度になります。
市販のマイクロソフトやLogicoolやLenovo Goなどのエルゴノミックキーボードは、この角度でハの字型の傾斜がつけられています。
(2行目と3行目の間の勾配が0.25なので、atan(0.25) でこの行の間の傾斜は14度です。
しかしながら、市販エルゴノミックキーボードではそこまで傾斜していなくてすべからく13度のようでした。
なので、ここでは市販品の実測値を優先しています。
図中のカラムスタッガードのAtreusも10度と、ほぼこの角度でした。)

自然に腕を机の上にのばしたときの手の角度も、おおよそこの角度であると仮定します。

標準キーボードでのブラインドタイピング(タッチタイプ)では、なぜか左手右手とも各指が右下に傾斜したキーを担当する、というのはどう考えても手の造りに合っていません。
自作キーボードは、この違和感から(さらにこのために腱鞘炎や肩こりを誘発しているとの思いから)、生まれてきたのではないでしょうか。

このキーの傾斜と手の角度の関係(いかに角度がズレているか)を、いろいろなキー配列で図に表してみました。
オレンジ色の実線が左右の手の向き、水色の実線がキー配置の行の間の傾き、円弧の矢印が手とキーの向きの違いを表しています。
左右分割キーボードは自由な角度に置いて使用できますが、いったん単純化して考えています。

以下、それぞれの配列でズレ角を見ていきます。

  • 標準キーボードでは、指とキーのズレ角は、右手26度・左手0度です。
    あまり打ちやすくないかもしれませんが、これが業界標準で、体もある程度これに慣れています。図を見ると、左手側は手の向きに対して角度が逆方向についていて、右手と左手のバランスが悪いと言えます。

  • カラムスタッガードでは、これがカラムスタッガードの定義であり目的なのですが、指とキーのズレ角は左手右手とも0度です。標準キーボードに対する左右のズレ角調整の合計は26度で、今回比較した中で最大です。
    一見、理屈ではベストのように思えます。しかしながら、わたしが実際使用してみた実感としては、左手側が標準キーボードとの違いが大きすぎて、なかなかミスタイプを減らせませんでした(このブログでも何度も言っていますが、Cのキーを人差し指で押したいのにスタッガード量0だと押せない)。標準キーボードでの慣れにどうしても引っ張られてしまう印象です。もちろんカラムスタッガードでも全然問題ない人、標準キーボードの呪縛から逃れられた人にはベストだと思います。

  • 自作キーボードで次に多く使われているオーソリニアでは、右手13度・左手-13度と、左右対称です。
    数値上は、これもなかなか良さそうです。しかしながら、左手はズレ角を緩和していますが、右手が左手とは逆方向の角度になる点には注意が必要です。左右のズレ角調整の合計は差し引き0です。

  • つぎのAlice配列は(親指ブロックはLilithの図の流用で一般的ではない見た目ですがご容赦ください)、標準キーボードを左右分割して、手の向きに合った角度にいわば矯正して再度くっつけたものです(小指ブロックはさらに工夫がありますが、今回は小指に関しては触れません)。指とキーのズレ角は、左手13度・右手13度です。
    左右で均等、標準キーボードに対して手首を無理やり曲げて合わせた状態と同じになります。ズレ角調整の合計は差し引き0です。
    じつは世の中のAlice配列キーボードは、この図の半分くらいの矯正具合のものが多いです。実地的には指とキーの角度のズレ角は左手19.5度・右手6.5度(この場合も合計0)といった感じでしょうか。傾斜が弱いと左手側の矯正度合いが物足りない感じがします。

  • わたしのセルフメイドのLilithキーボードはAlice配列を左右分割したものです。さらに、右手側の各行の傾斜を半分(0.25u 0u 0.25u)に減らしています(右手側を矢印キーやテンキーとして使う時に行の傾斜が無いほうが良いと考えました)。指とキーのズレ角は左手13度・右手6.5度です。
    左手は半分矯正、右手は標準配列の傾斜の半分の量となり、標準配列に寄り添いつつも両手ともにズレ角を緩和していると言えます。ズレ角調整の合計は6.5度です。自画自賛・我田引水的になってしまっていますが、自分としては、これがなかなか良いのではと考えています。
    (最初からこういうことを考えていたわけではなくて、キー配列はもっぱら感覚的(Cのキーを人差し指で押す癖のせいでカラムスタッガードでは入力しずらい、ロースタッガードの単純な左右分割傾斜では小指の疲れが取れない)に作っていました。今回のズレ量比較は、数日前にふと思い付いた発想です。算数的に1つの数値比較だけで済めば単純でよいのですが、そんなに単純でもないようです。)

    (じつは、さらに突き詰めて右手だけオーソリニアにすればズレ角調整合計を13度にまで減らせる、と今回の中でちょっと考えました。でもそうしてしまうと、右手側の小指ブロックの配置がきれいにできないし、見た目も標準から離れすぎかなと思い、ボツになっています。)

このあたり、今回のように数値化したり、いろいろな発想を意識することで、自作キーボードでまた新たなアイデア、ベターななにか、が出てくるかもしれないなあ、と思い書いてみました。

なお図の、手の甲のイメージはUnicodeの絵文字領域のraised back of handがちょうど良い感じの形だったので、拡大して使ってみました。
キー配列のメージはKeyboard Layout Editorのプリセットを使いました(もちろんAliceとLilithは自作)。

この投稿はセルフメイドのLilithキーボードを使って書きました。

2022-10-30

実家のウォシュレットをSC TCF6210からSB TCF6223へ自力で交換、完了

以前、といってももう10年前になりますが、自宅のウォシュレットを交換した話を投稿しました。
今度は実家のウォシュレットが、電源ランプはいつも通り着いているのに水が出ない、という故障で、また交換することにしました。
一度経験済みなのでもう何も迷うことはありません。

型番に関しては当然ながら既に当時のものは製造完了しているので、TOTOのCOM-ET https://www.com-et.com/jp/ のサイトで検索して、[取替品] ボタンを押すことで現行機種の型番がわかります。

TOTOウォシュレットには、一般向けにカタログに載っている機種と、施工業者や量販店向けの機種があり、後者は価格が1/2くらいです(5万円前後と2万円前後)。
仕様の違いはほとんどないのですが、今回は実家へAmazon(購入リンク)で送付して確実に取り替えられる安全性をとって、一般向け機種を選びました。
元の機種が一般向けだと、TOTOのサイトで取替品として表示されるのも一般向けしか出てきません。

さて、今回の交換時間は約30分でした。
道具は、しっかりした(細めじゃない)プラスドライバとマイナスドライバ、それにモンキーレンチだけです。
取り替えた部品は、ウォシュレット本体、T字分岐菅、それと便座に本体をパチンとはめ込むためのプレートの3つです。
新機種は前に少し長い作りになっていますが、使用上は問題ありませんでした。

滅多に交換するものではないですが、慣れていれば、それほ難しい作業ではないと思います。