2021-09-26

iPad min 2021のサイズ感

最新のA15チップを積んで、iPad ProデザインになったiPad miniが発売されました。
サイズ感を知りたくていつものように比較図を作ってみました。
iPad mini 2021の縦・横、iPad Pro 11インチ、iPad Pro 12.9インチの比較です。

ランドスケープで置いた場合に11インチの横幅に比べて9%しか違わなくて、とてもコンパクトです(mini 2枚と11インチ1枚を並べた時のサイズ差が1割弱しかない)。
重量も、Wi-Fiモデルが293gで、11インチに比べて1/3以上減で、大幅に軽くなっています。

画面の縦横比は、オリジナルiPad 9.7インチとiPad Pro 12.9インチはキッカリ4:3ですが、iPad Pro 11インチでは4.29:3、今回のiPad mini 8.9インチ2021では4.57:3と多少縦長になりました。
スピーカーはiPhoneと同じように、ランドスケープモード時にステレオになりました、これも大きな進歩ですね。

オリジナルのiPadサイズ感にこだわるか、圧倒的な軽さを享受するか(2割縮小表示が許容できるかどうか)、あるいは12.9インチの大画面の快適さをいつも持ち歩くか、悩ましく、3つとも買いなさいというメッセージでしょうか。

iPad mini 2021が爆発的に売れれば、iPad Proもminiサイズに広がってくれるかもしれません。
キーボードはiPad本体のサイズにこだわらずに外付けにすればよいと考えると(ポートレートでも使えるメリット大、あるいはiPadにはキーボードはそもそも不要と考える)、iPad Pro mini 8.9インチというのは最高でしょうね。
MacBookではフルキーボードを収めるために12インチが限界ですが、iPad miniのような形であれば打開できますね。

今のうちにM1 Apple Siliconの次バージョンを予想してみる(M1X、M2)、その2

M1とA12X

2021年9月のApple Eventでのハードウェアの発表は、iPad、iPad mini、Apple Watch、iPhone 13でした。
4月にM1 iMacが発表されてMac Pro以外のApple Silicon Macが出揃ってしまったので、今年の新製品はいよいよもうM1の次のバージョンのMacを残すのみです。

今回は去年の12月の書き込みをもう少し押し進めて予想してみたいと思います。

その前に、M1の一つ前のApple SiliconはA12X/A12Zと言えると思いますが、右の写真を見ると、チップの構造がすでにその時からM1と全く同じになっていたことに気づきました(写真のサイズ比はほぼ合っていて、M1が少し細長いようです、A12X/A12Zのヒートスプレッダを外してシリコンダイが見える写真がどうしても見つからずこれで我慢)。

A12X/A12Z以降のチップ構成をおさらいしておきたいと思います。

  • A12X/A12Z:高性能コア4個、高効率コア4個、GPU 7/8個、ニューラルエンジン8Core、メインメモリ4/6GB、プロセス7nm
  • M1:高性能コア4個、高効率コア4個、GPU 7/8個、ニューラルエンジン16Core、メインメモリ8/16GB、プロセス5nm
  • A14/A15:高性能コア2個、高効率コア4個、GPU 4/5個、ニューラルエンジン16Core、メインメモリ4/6GB、プロセス5nm

今後のiPhoneとnon-Pro iPad用のAシリーズチップは、MacとiPad Pro用のMシリーズから、高性能コアとGPUとメインメモリを減らした構成になっていくと予想できます。

さて、本題のM1Xですが、わたしは2バージョン出ると予想しています。

ひとつめは、M1のTDPを上げて、クロックアップしたバージョンです。
現状のM1 MacBook AirとM1 MacBook Proでは、冷却ファンの有無だけで差をつけていますが、TDPも15Wを30Wくらいまで上げてやれば、さらに性能を上げることができると思います。
M1の基本設計をそのままで、高性能化できる余地があるからです。
しかしながらこれだけでは、GPUコア数とメインメモリが不足しているアプリへの対応にはなりません。

そこで、ふたつめ、M1のシリコンダイをファブリックで接続して2つ搭載する、いってみればM1X-Dualが考えられます。
現在のシリコンダイの中にさらに多くのGPUを詰め込むのはサイズ的にもう無理なので、M1Xをそのまま2つ接続して搭載する発想です。
M1の更なる使い回しです。
TDPも単純に60Wくらいになるでしょうか。
メインメモリはもともと独立して接続されているので、単純倍増でなくてもよく、バリエーションも自由に設定できますが、とりあえずは16GB/32GB/64GBくらいが良さそうです。
まとめると以下のようになります。

  • M1X:高性能コア4個、高効率コア4個、GPU 8個、ニューラルエンジン16Core、メインメモリ16/32GB、プロセス5nm、TDP30W
  • M1X-Dual:高性能コア8個、高効率コア8個、GPU 16個、ニューラルエンジン32Core、メインメモリ16/32/64GB、プロセス5nm、TDP60W、M1Xシリコンダイ2個搭載

さらにその先、Mac Pro用になるであろうM2チップは5nmから3nmプロセスに進んで、シリコンダイ当たりの集積度が2倍くらい上がり、処理性能当たりの消費電力が何割も下がる、のではと思います。

iPad+Magic Keyboardと見まがいそうなSurface Laptop StudioでMicrosoftも攻めてきているので、MacBookもそろそろ新しいデザインが必要です(もうiPad ProのサイズにM1が搭載できることが実証されているので、これがM2になれば、今月頭の書き込みのように、iPad Pro Plusも夢物語ではないですし、GPUの拡張だけならThunderboltで余裕で外付けドッキングできる時代です)。
10月に行われるであろうMacのApple Special Eventがやはりとっても楽しみで待ち遠しいですね。

2021-09-23

ノッチの時間で~す

iPhone 13とiPhone 12のノッチ比較です。
上から、iPhone 13、12、12 mini、13 miniです。
iPhone 13とでは12に比べて、ノッチの幅が2割ほど狭く、高さが数ピクセル高くなっています。

写真では、明度レベルを調整して通話用スピーカーが目立つようにしています。
13では、通話用スピーカーをノッチの上のベゼル部分に追い出すことでノッチ幅を稼いでいることが分かりやすいと思います。
miniはちょうどいい写真が無かったので、miniじゃない方の写真から幅を詰めて作りました。 

どれも、不思議とそれぞれ違和感がないです。
カメラをピンホールとかディスプレイの奥に中途半端に隠すのではなくて、機能的にもデザイン的にもアクセントとして目立たせるAppleのセンスは流石だと思います。

アウトカメラの出っ張り(この部分がガラスの削り出しのユニボディーだと思っているのは私だけ?)は面積も高さもますます巨大化しているのに、インカメラやFace IDのセンサーを搭載したノッチは小さくなっているのは、ちょっと面白いですよね。

2021-09-14

2021年9月、今夜のApple Special Eventは、本当にiPhoneなの?

Apple Special Event、つまり製品発表会まで、いよいよ秒読み段階に入ってきました。
今回は、絶対に「答え合わせ会」にしたくなくて、有名リーカーによる事前の予想記事は一切見ないようにしてきました。
記事のタイトルだけ見ていると、あたかもiPhone 13で確定のようになっていますが、本当にそうでしょうか?
去年は、9月にApple WatchとiPad、10月にiPhone、11月にApple Silicon Macでした(Wikipediaの記事)。
準備が整った製品から発表されるとは思うのですが、今日ははたして何が飛び出すのでしょうか。

2021-09-07

パーソナルなコンピュータは自然と自宅に馴染むもの、Macintosh Plusのように、そこからiPad Pro Plus(仮)を妄想

あるWiredの記事に出ていたMacintosh Plusのピンナップイメージを見て、なぜかとても感動してしまいました。
パーソナルコンピュータが自宅の一角にあまりにも馴染んで、いつでもあなたのお供です、と微笑んでいるように見えました。
パーソナルなコンピュータは、コンピュータ然としているよりも、家族の一員のような、あたたかな愛着のあるものでいて欲しいです。
そういった意味で、Macintosh Plusは初代Macにして、完成された最高のパーソナルなコンピュータだったのではと思い至りました(私はSE/30から)。

現代に目を戻してみると、パーソナルな体験、いつでもどこでも、机の有り無しに関わらず、窮屈せずに使えるマシンといえば、iPadだと思います(iPhoneはサイズ優先の良さがあるけれど窮屈さは我慢している面)。
iPadは、文字通りいつでもどこでも、例えば玄関先やトイレの中でも(お風呂はまだ無理だけれど)、快適にずっと使っていられます。

最新のiPad ProはMacと同じApple Siliconをとうとう積んでしまいました。
日常の多くの作業ではiPadOSで十分軽快で使いやすいのですが、たくさんの書類やアプリを並行して扱おうとするとmacOSのユーザ体験が欠かせません。
Handoffを使えば、iPadOSとmacOSの間で双方向に作業を引き継げて、とても良いのですが、書類がiCloudにないといけないなど、お膳立てが面倒です。

さて、ここからが今回の妄想です。
iPad Pro Plus(仮)」は単体ではiPadOSとして稼働し、Apple Pencilなどもふくめて全く変わらず使えます。
「iPad Pro Plus」をUSB-Cで20インチ以上のディスプレイに直接あるいはDock経由で接続(キーボード、トラックパッドも一緒に)すれば、あら不思議、macOSモードに切り替わります(macOSのクラムシェルモードのように)。
画面はミラーモードではなくて、独立したSidecarのような2画面になります。
引き継げるアプリは、iPadOSネイティブなアプリか、Mac Catalyst APIを使って書いたmacOSアプリに限定されますが、Big Sur世代(macOS 10からステップアップしたmacOS 11以降)では多くのアプリが対応済みなので何も心配ありません。
1台のマシンが、使い勝手の良いパーソナルなタブレットと、作業の柔軟性の高いデスクトップの2役をこなせるようになるのです。
1台の「iPad Pro Plus」さえ持っていれば、軽作業から重い作業まで全てこなせます。
将来的には「iPhone Pro Plus」にも同様の機能が搭載されるかもしれないし、あるいはiPhoneはもっと別の方向に進化して、巻き取り型や立体投影型のディスプレイ、あるいはARメガネと組み合わせた新しいフォームファクターになるのかもしれません。

そういえばこのブログで、初代iPhone OSを積んだiPod touchに感じ入るものがあって「iPhone OSは5年後のコンピュータの姿」という記事を2008年と2013年に投稿していたのを、ふと思い出しました。

と、そんなことまで思いめぐらせてくれる、ひさびさに見たMacintosh Plusの、あまりにもうっとりする佇まいでした。

[2021-09-09] 初出では「Mac Plus」と書いてしまいましたが、モトローラCPUのコンパクトMacシリーズはMacintoshの表記でしたので、訂正しました。
そのなかでもMacintosh Plusは中期のバージョンです。
拡張性のない初代Macintosh 128Kと512Kに続いて、HDDやCDを接続するためのSCSIポートとメモリスロットを備えたのがMacintosh Plus、さらにADBポートと内蔵拡張スロットを備えたのがMacintosh SEとSE/30でしたね。
Macintosh SEとあの巨大(Mac Proに匹敵)なMacintosh IIは同時リリースで、その後長くMacのデザインを担当するフロッグデザインに切り替わりました。

さらに、写真を見て無意識にPlusと思ってタイトルにしたのですが、Plusは初期モデルのみベージュ、後期はプラチナホワイトに切り替わっています。
ベージュ色に見えるし、アップルロゴも消してあるので、写真の元は128K/512Kだったのかもしれません。
おっと、キーボードがテンキー付きなのでこの写真はPlusで確定ですね(Vintage Computerさんの記事)、よかった(無意識の感覚が正しかったです)。 

[2021-09-13] 「iPad Pro Plus」とは逆に「MacBook 12 Plus(仮)」が、液晶側にCPUが入っていて(去年の私の妄想記事)、キーボードがデチャッタブル、というのでも良いかもしれないですね(iPadOSにmacOSの機能を付け加えるよりも、macOSでシングルウィンドウモードをやる方が実際に現実味がありますね)。
デタッチしたキーボードユニットを、デスク作業の際にそのまま使用できるとか(ワォ、これずっと欲しかった理想の省スペースキーボード「純正Magic Keyboard+純正Magic Trackpad」です、さらにこのキーボードを他のマシンにマルチペアリング出来たら最高)。
(結局、機構的にはMicrosoft Surface Pro、シングルウィンドウモードはWindows 8と同じになってしまうみたいで、そういう点では、厳しいかも。)
昔のPowerBook Duoが、デスクトップとラップトップを行き来できたように(単なるドッキングステーションとも言えますが、当時はドッキング用の外部ポートはおそらく他になかったし、USB-CやThuderboltのような高性能インターフェースももちろんありませんでした)。

[2021-10-03] 「魔法の板」のiPadがさらに強化されて、何でもできるようになる。
それさえ持っていれば、ドックにつなげてデスクトップ作業もできる。
メインメモリも、ストレージも、CPUも、もう充分パーソナルな一生分の用途をこなせてしまうようになりました。
普段使いに便利なサイズの画面単体(魔法の板のフォームファクタ)を中心に、構成にまとめてくれたら大変良い。
これを折り畳み画面で考えた場合は、Surface DuoやSurface Neoくらいのサイズ感ももしかして良いのかも。
いよいよAlan KayのDynabookが体現するのかも。