2023-05-25

ワカコ酒 Season 7 が2023年7月から

また酒飲みドラマの紹介です。
このブログで一度も紹介していなかったのが不思議なのですが、あのワカコ酒の続編が始まります
いつものワカコさんの髪形ですが、そうあの空手で瓦を割るアクション系のお方です。
いつもの、ほっこりが楽しみです。

2023-05-20

あこがれのCorneが欲しい、自分好みにカスタマイズして [自キ沼 #31]

自作キーボードの代名詞といえば断然Corne (crkbd) で(あくまで個人の見解です)、わたしのあこがれとも言える存在です(遊舎工房にてCorneシリーズ)。

ぎゅっと詰まったシンプルさ、ベゼルレスのすっきりした形状、何よりも自作キーボードらしい左右分割カラムスタッガードの配列。
遊舎工房で現物を見た時も、なにかこう特別な存在感を放っている感じがしました。
そうです、こういうのを、エモいというのがピッタリです。

ところが残念なことに、ひとつだけどうしても譲れない点があって、今までずっと手を出せずにいました。
それは、

  • Cのキーを人差し指で押したいのに押せない
    (カラムスタッガード共通の悩み、教科書的には正しいけれども)

からです。
であれば、単純にロースタッガードやAliceに寄せれてやれば良いかといえば、今度は別の優先事項が頭をもたげてきます。

  • 左右基板のリバーシブル化を、
    キー配列自体と同じくらい重要視している

この2つのハードルのために、欲しいのに手を出せないままで今まで来てしまいました。

先日の投稿で紹介した Jones配列キーボード(さらにロープロファイル版のNora立体配置に発展したSandyも) は、作者の @jpskennさん も提案されているように、いろいろな形状のキーボードに応用できます。
わたしも、アジャスタブルキーボード以外にも、と思いを巡らせていました。
そんな中、ついに思いついたのが、CorneへJonesのアイデアの応用です。

右の図がその結果です。
どうでしょう、Corneの一種に見えませんか?

  • せっかくならと5x3にしてみました。
  • Jonesのアイデアから、Cキーは人差し指と中指のどちらでも押せるように行を0.5uだけスタッガードしています。
  • 左Shiftキーや、親指のCtrl、Alt、Cmdなどのモディファイアとなるキーは、Corneliusのように追加増量しました。
  • 左右リバーシブルです。

今回は制作の付加価値としてRGBバックライトにも初挑戦してみようと思います。

さらに2番目の図では、

  • 小指の短さに合わせた、小指ブロックの配置(AliceやLilithで良好なことを実感)

にしてみました。
小指の長さは人それぞれとは思いますが、標準キーボードでは薬指のOに比べて小指のPがちょっと遠くて押しにくいと感じませんか。
小指キーは薬指キーから少し離れている方が力を自然に入れやすいと思います。
行やカラムの連続性が崩れた見た目になってしまいますが、小指の自然な位置を考えると、意外と使いやすそうです。
この配列もチャレンジしがいがありそうです。

最後の図がオリジナルのCorneの5x3配列です。
わたしには、もう不思議と、一連のシリーズのようにしか見えなくなってきました。

標準キーボードからの移行をもっと重視するのであれば、小指キーや数字行も追加して6x4あるいは7x4にしても良いかもしれません(もはやCorneではなくなるかも)。

ひとつの作品の制作に取り掛かろうとしている中でも、色々と別の新しいことを考えてしまうのは、自作キーボードのひとつの楽しみですね。

さて、この配列のキーボードの名前ですが「Corn and Jones inspired Lilith nano」「コルネのテーストにジョーンズのアイデアを加えたLilithのnano版」といった感じなのですが、まだちょっと煮詰まっていません(笑)。

この投稿はLilithキーボード (LilithKbd) を使って書きました。

 

[2023-05-23] 完成イメージをKLEで描いてみました。
5x3なのでキーキャップはカスタムレジェンド必須と考えました。
今回のレジェンドは単色で、自分のお気に入りのキーマップを描いています。
小指のQとPはAlice配列にもっと近づけてみました。

2023-05-04

Lilithキーボード概要まとめ [自キ活#30]

自分にとっての理想のエルゴノミックキーボードを求めて、分割Alice配列を発想したのを契機に、自作キーボード作成に取り組んできて、ちょうど一年が経ちました。

このLilithキーボードは先人の知恵をありがたく活用しつつ、自分でも色々と考えて作ったものです。
在庫を持って配布するのはちょっと次元の違う大変さがありそうなので、ゆくゆくは設計データをGithub等に公開していければと考えはじめています。

まずは最初のステップとして、Lilithの作成中の各バージョンの工夫点や特徴を、出来るだけ簡潔にまとめてみました。

Lilith共通の特性
  • Split Alice配列。手首や肩を楽に、小指も楽に
  • ロープロファイル。ボトムケースはキーソケットの厚みギリギリまで削減
  • リバーシブルPCB、左右同一サイズ
  • ホットスワップ
  • アナログジョイスティック、マウスやトラックパッドの使用頻度を下げる狙い
  • 親指ブロックの1.5u Spaceキーを縦に配置し親指のホームポジションを明確化
Lilith v0.9
  • SU 120による自作キーボードの仕組みの検証
  • 具体的なSplit Alice配列のおおよその形の確定
  • v1.0 FR-4プレートの検証
Lilith v1.0
  • Kailh choc v1スイッチ採用
  • 自身初PCBかつ初PCBA。JoyconジョイスティックのFPCコネクタが0.5mmピッチで手ハンダできないため
  • 右手に対して、左手はQ行とA行の間でPCBをカット、横に0.25uズラして、リード線で配線し、左右の配置の違いを擬似的に実現
  • FR-4プレート。プレートは左右別々にならざるを得ないけれど、ボトムプレートと共有することで節約
  • 右手側のジョイスティック部分は、高さを抑えるために基板をくり抜いて設置、対する左手側は通常キー用配線パターン、の選択式
  • FR-4積層ソリッドケース。PCB上下の空間をソリッドに埋めて音漏れを防止。100x100mmに収まるように細かく分割したので組み立てが大変
Lilith v1.1
  • 3Dプリントによるソリッドケース。ロープロファイルで体積が小さいので、それほど高価にならない。パーツ点数が大幅削減
Lilith v2.0
  • Gateron low profileスイッチ採用。chocよりかなり質感が良い
  • 右手に対して、左手はQ行とZ行を0.25uズラして配置することによるリバーシブル基板。配置がギリギリで、右手のソケットはNorth Facing、左手のソケットはSouth Facingと逆向き
  • 親指行のSpace以外は1uと1.25uの組合せで配置
Lilith v2.5
  • 親指行の2.25u Enterキー対応の配列。キーキャップのアクセントカラーを活かすため
  • PCBの右手Menuキーの位置にBug。ケース側を削って回避

Lilithはすでにもう自己評価80%の満足度&出来栄えで、日常的にフル稼働中です。
もう普通のキーボードには戻れません。
標準キーボード配列との差が少ないので、ラップトップのキーボードを出先で使う際にも違和感がありません。
やり残しているアイデアがまだあるので、Lilithはもう少しバージョンアップを続ける予定です。
(少しネタバレ:VCCのショートの恐れがあるTRRSに代えてUSB-Cに、Jones配列を参考に左右を対称配置に、Keychron Lowprofile Opticalスイッチでさらにもう少し薄型に。)

ところで、Lilithの名称は、富野アニメに登場するいわゆる妖精(有翼人)の名前から来ています。
主人公の頼りになる相棒であることと、言葉の響きが良くて、いつか自作の何かの名前に使いたいと温めてきた名前です。
左右分割Aliceキーボードがちょうど妖精の翼のように広がった形なので、われながらとても気に入っています。

この投稿はLilithキーボードを使って書きました。

 

[2023-05-06] 各バージョンの初出のTwitterツイートへのリンクを貼りました。
見返してみると、ブログの方は全然タイムリーに投稿できてきませんでした。

[2023-07-26] Lilith だと検索で特定しにくいので、LilithKbd のキーワード併記を自分の中では統一していこうと思います。

2023-05-01

よりコンパクトでエルゴノミクスなアジャスタブルキーボードをつらつら考えた [自キ沼#29]

かつてのApple ADB Adjustable keyboardは、わたしがエルゴノミクスキーボードの夢を抱くことになった原点のキーボードです。
現在の市販のエルゴノミクスキーボードは巨大なものばかりで、自分のデスクに置きたくなるものがありません。
無いなら自分で作るしかない、わたしが自作キーボードを始めた第一の理由はこれです。

Apple Adjustable keyboardを現代的なキーボードとしてなんとか実現したいと思い続けている中で、今回ようやく一つの解が見えたような気がしてきました。
右の図がその姿です。
以下、今回のアイデアに込めた・込めたい思いです。
いつもながら、思いつくまま綴ります。

  • 左右分割式か可動式か:
    Apple Adjustable Keyboardのように可動して好きな角度で利用できる方式も良いのですが、お気に入りのMagic Trackpadを、お気に入りの手前のポジションに置くことができません。Lilithではそれを許すために、あえてAlice配列で分割型にしました。もちろん、トラックパッドやマウスやトラックボールを素直にキーボードの右や左に置けば良いのですが、どうしても手の移動量が大きくなって、せっかくエルゴノミクスで楽な姿勢で使えるようにしているのが、半分犠牲になってしまいます。キーボード単体でポインティングまでできればとの思いで、ジョイスティックモジュールの組み込みの模索は継続しています。今回の配列では、分割ではなくApple Adjustable Keybordのように可動式にします。
  • 右手と左手で、手の向きと行の傾きが違うのを軽減したい:
    Apple Adjustable keyboardのように、単純に標準キーボードのカラムスタッガードを左右分割して手首の向きに沿うように傾けただけでは、左右とも行が依然として右下に傾斜して左右で非対称です。これでは、それほどエルゴノミクスとは言えないと考えています(以前の投稿での考察)。自作のLilithでは右手側のズレを緩やかにすることでこの差を緩和しようとしています。結果、この約半年間、自分としては気持ちよく使えていると思います。
  • 基板をリバーシブルにしたい:
    JLCPCB等への基板発注は5枚単位なので、リバーシブルにすることで余剰基板を最小限にしたいところです(1回の発注で5台分にもなるのを2.5台分に抑える)。現状のLilithでは左右を反転した時にQとZの行が左右で0.25uズレていて、左右でスイッチの上下を反対にしてようやく収まるくらい配置に苦労しています。
  • さらに進めて、Jones配列で完全リバーシブルに:
    最近、Twitterでのやり取りの中で、@jpskennさんJones配列に出会いました。Jones配列は、左右対称のシンメトリカルスタッガード(サリチルさんの分類)で、非常によく練られた配列だと重ました。これを見た時、まさに目から鱗が落ちました。これなら手の向きに対する行の傾斜が左右で同じになり(右手Jの右下のMを人差し指、左手Fの左下のCを同じく人差し指で押すスタイルの場合です(Cを中指で押すスタイルの人はカラムスタッガードじゃないと解決しない))、そのうえ分割した時の左右の基板のキーの配置が完全に一致します。なお、センター下のジョイスティックとBキー、それとポインタボタンの有無は切り取り選択式とします。
  • 極小コンパクトキーボードへのチャレンジ:
    先日来、Lilithで5x3あるいは6x3のミニサイズの配列を模索しています(先日の投稿)。単純に標準キーボードのキー数を削っただけのコンパクトキーボードでは手首に対するエルゴノミクスが実現できないことは自明の理です。Jones配列は行が水平なまま手首への負担を小さくする発想ですが、私はこれをさらに進めて、左右分割にして手首に対してより自然なな角度に調節できるようにすればもっと良いと考えました。また5x3まで縮小するのなら1列だけになる小指担当のキーはあえてAlice配列にしなくても良さそうです。
  • 長押しモディファイアは使いたくない:
    5x3配列のキーボード(QAZまで切り詰めるので「QAZ配列」とも言うんですね)では、キー数が不足する対策として、同時押しモディファイア、あるいは長押しモディファイア(Zを単体で押すとZ、ZとJを押すとShift/J、あるいはA+CでCtrl/C、Ctrl/AはL+A)がよく使われます。長押しかどうかの判断にはタイマーが使われます。これは以前試してみたのですが、キー入力のリズムをいつも厳密に揃えないといけなくて、少しでもキーを押している時間が短かったり長かったりすると途端に誤爆、自分には全く合いませんでした。CtlやShiftやレイヤなどのモディファイアキーは主に親指ブロックにフル装備して、キーボード配列としてうまくまとめるべきと考えています。

その他、Lilithから引き継いでいる特徴です。

  • できるだけ標準サイズのキーキャップが合うようにしています。
  • ロースタッガードの標準キーボードと指運びがほとんど変わらないようにしています。
  • 親指ブロックとメインブロックの間には0.25uの隙間をあけて、親指で最下行のキーに誤って触れないようにしています。
  • また、親指ブロックのBackspaceとSpaceは1.5uの縦置きにして、親指のホームポジションが明確になるようにしています。
  • 中央にジョイスティックを配置して、ホームポジションにいながらポインタ操作ができるようにしています。
  • 配列に直接は関係ないですが、ロープロファイルは継続するつもりです。

このキーボード、Jones にあやからせていただいて Lilith mini-J と名付けたいと思います。
いつ製作・完成するかはわかりませんが、思いついた構想が自分でも気に入ったので、まずはブログとして記しました。

最後に、Apple Adjustable keyboardの、オリジナルのカタログに載っていたであろう写真です。
いま見てもエモいというか、少し生物的と言ってもいいデザインだと思います。

この投稿は自作Lilithキーボードで書きました。

[2023-05-02] ケースも考えました。
中央上端にヒンジでアジャスタブルにして、補強のために下端には円弧のガイドレールがいるかなと思います。
左右の接続をどうするか、見えにくい場所にケーブルを隠すとか、コネクタにして長いケーブルに替えて左右分割も出来るようにするとか(無線だとバッテリが場所を取るのが悩み)。
直線の時にはマグネットでくっ付けても良いかも(強力すぎると小さな角度の時にもくっついてしまうかも)。
なお、わたしはロープロファイル派なので、パームレストは考えていません。

ところで、基板は高さ4.5u、幅7u(左右共通で、左手側は中央の不要部分をカットして使う)と、もっと切り詰めれば100x100mmに収まるかも、と期待してしまいそうなところですが、キーボードとして最低限成り立つのが優先事項なので、考えないことにします。
またそう考えるのならいっそ、5x3(+1、左Shiftの分)じゃなくて6x3(-1、Z行は現状から増やさない)にすれば、0.5u増えるだけで、Tabやクォーテーションマークが格段に使いやすくなるかもしれませんし(QAZ配列は目指さない、本当に使いやすくなるかはある程度の期間やってみないと分からないところ)、あるいは数字行も入れて6x4にしてしまうとか(色々考えてすぎると今回のキーボードでの設計目標・主眼がブレてしまいますね)。