2023-05-04

Lilithキーボード概要まとめ [自キ活#30]

自分にとっての理想のエルゴノミックキーボードを求めて、分割Alice配列を発想したのを契機に、自作キーボード作成に取り組んできて、ちょうど一年が経ちました。

このLilithキーボードは先人の知恵をありがたく活用しつつ、自分でも色々と考えて作ったものです。
在庫を持って配布するのはちょっと次元の違う大変さがありそうなので、ゆくゆくは設計データをGithub等に公開していければと考えはじめています。

まずは最初のステップとして、Lilithの作成中の各バージョンの工夫点や特徴を、出来るだけ簡潔にまとめてみました。

Lilith共通の特性
  • Split Alice配列。手首や肩を楽に、小指も楽に
  • ロープロファイル。ボトムケースはキーソケットの厚みギリギリまで削減
  • リバーシブルPCB、左右同一サイズ
  • ホットスワップ
  • アナログジョイスティック、マウスやトラックパッドの使用頻度を下げる狙い
  • 親指ブロックの1.5u Spaceキーを縦に配置し親指のホームポジションを明確化
Lilith v0.9
  • SU 120による自作キーボードの仕組みの検証
  • 具体的なSplit Alice配列のおおよその形の確定
  • v1.0 FR-4プレートの検証
Lilith v1.0
  • Kailh choc v1スイッチ採用
  • 自身初PCBかつ初PCBA。JoyconジョイスティックのFPCコネクタが0.5mmピッチで手ハンダできないため
  • 右手に対して、左手はQ行とA行の間でPCBをカット、横に0.25uズラして、リード線で配線し、左右の配置の違いを擬似的に実現
  • FR-4プレート。プレートは左右別々にならざるを得ないけれど、ボトムプレートと共有することで節約
  • 右手側のジョイスティック部分は、高さを抑えるために基板をくり抜いて設置、対する左手側は通常キー用配線パターン、の選択式
  • FR-4積層ソリッドケース。PCB上下の空間をソリッドに埋めて音漏れを防止。100x100mmに収まるように細かく分割したので組み立てが大変
Lilith v1.1
  • 3Dプリントによるソリッドケース。ロープロファイルで体積が小さいので、それほど高価にならない。パーツ点数が大幅削減
Lilith v2.0
  • Gateron low profileスイッチ採用。chocよりかなり質感が良い
  • 右手に対して、左手はQ行とZ行を0.25uズラして配置することによるリバーシブル基板。配置がギリギリで、右手のソケットはNorth Facing、左手のソケットはSouth Facingと逆向き
  • 親指行のSpace以外は1uと1.25uの組合せで配置
Lilith v2.5
  • 親指行の2.25u Enterキー対応の配列。キーキャップのアクセントカラーを活かすため
  • PCBの右手Menuキーの位置にBug。ケース側を削って回避

Lilithはすでにもう自己評価80%の満足度&出来栄えで、日常的にフル稼働中です。
もう普通のキーボードには戻れません。
標準キーボード配列との差が少ないので、ラップトップのキーボードを出先で使う際にも違和感がありません。
やり残しているアイデアがまだあるので、Lilithはもう少しバージョンアップを続ける予定です。
(少しネタバレ:VCCのショートの恐れがあるTRRSに代えてUSB-Cに、Jones配列を参考に左右を対称配置に、Keychron Lowprofile Opticalスイッチでさらにもう少し薄型に。)

ところで、Lilithの名称は、富野アニメに登場するいわゆる妖精(有翼人)の名前から来ています。
主人公の頼りになる相棒であることと、言葉の響きが良くて、いつか自作の何かの名前に使いたいと温めてきた名前です。
左右分割Aliceキーボードがちょうど妖精の翼のように広がった形なので、われながらとても気に入っています。

この投稿はLilithキーボードを使って書きました。

 

[2023-05-06] 各バージョンの初出のTwitterツイートへのリンクを貼りました。
見返してみると、ブログの方は全然タイムリーに投稿できてきませんでした。

[2023-07-26] Lilith だと検索で特定しにくいので、LilithKbd のキーワード併記を自分の中では統一していこうと思います。

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