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2025-06-19

MacBookをサーバ的に使うためにスリープを禁止したい

Apple Silicon MacをローカルLLMサーバとして検討

生成AI・LLMがローカルで動かせる時代が来ています。
自分用のマシンを考えた時、WindowsやLinuxのデスクトップ機を用意してNVIDIAのGPUを付けたり、あるいは普段使いのThunderbolt 4ラップトップに外付けGPUというのも少し考えました。
しかしながら、いまから暑い夏なので低消費電力と、大きめのモデルを試せる大容量VRAMを兼ね備えたApple Silicon Macが魅力的です。

LLM用途の、特に生成速度で考えた時、GPUのコア数だけでなくメモリバンド幅が大きく効いてくるようです。
Apple Siliconチップには、M1~M4の世代があり、それぞれに無印、Pro、Max、Ultraのグレードがあります。
メモリバンド幅はグレードの方で決まり、無印で100 GB/s前後、Proで200 GB/s前後、Maxが400 GB/s、Ultraが800 GB/sと倍々ゲームになっています(無印とProの古い世代はこれより遅めです)。
メモリバンド幅は世代が変わってもほぼ同じ、つまり、たとえばM1無印とM4無印、M1 MaxとM4 Maxが、ほぼ同じなのです。
型落ちや中古品も含めて、LLMのコスパをねらうのであれば、世代の新しさよりもできるだけ上位のグレードを選ぶのが優先です。
グレードと併せてあとはユニファイドメモリの容量との兼ね合いで考えることになります。
ストレージはいざとなればThuderbolt 4で外付けにすればよいので最低限で良いです。
M1世代でもM1 UltraのMac Studioはさすがに中古でも40万円超とまだまだ高いですが、M2 Max 32GBやM1 Max 64GBであれば20万以下や30万円以下のものがありそうです。
MacBook Proはディスプレイがある分だけ少し割高になりますが、流通量の面からMac Studioよりも選びやすそうです。

MacBookのスリープをクラムシェルモードでなくても解除したい

MacBookを単体で使うのであれば気にしなくてよいのですが、他のマシンからLLMサーバとして使う場合には、自動スリープが仇になります。
MacBookはディスプレイを閉じるとすぐにスリープするようになっていますが、電源・外部ディスプレイ・キーボードやマウスを接続すれば、クラムシェルモードという特別のモードになって、スリープせずに使えるようになります。
LLMサーバとして使うためだけに、この3つを常時接続しておくのは、デスクスペースを考えると勘弁してほしいところです。
そこでなにか設定がないかと探してみたところ、次の2つの方法があることが分かりました(参照サイト: macos - Prevent Mac from sleeping when lid closed on Mojave / Catalina - Ask Different https://apple.stackexchange.com/questions/361384/prevent-mac-from-sleeping-when-lid-closed-on-mojave-catalina/361398#361398 )。

pmsetコマンドでシステムレベルの自動スリープ設定を変更する方法

次のコマンドでシステムレベルのスリープ設定をOFFにできます。

$ sudo pmset -a disablesleep 1

スリープ設定を元に戻すのは次のコマンドです。

$ sudo pmset -a disablesleep 0

現在の設定値を確認するには次のようにします。

$ pmset -g | grep -i sleep
...
  SleepDisabled      0
...
$

なお、pmsetによる自動スリープOFFは電源につないでいなくても効きますので、バッテリの残量に注意が必要です。
バッテリ残量を見るのは次のコマンドです。

$ pmset -g ps

caffeinateコマンドで一時的に自動スリープを解除する方法(電源接続時)

こちらは電源につないでいる場合にのみ有効な方法です。

$ caffeinate -i -s &

このコマンドが実行されている間は自動スリープが禁止されます。
非特権ユーザでも実行できてしまうので、ちょっと怖いですね。
この状態はpmsetコマンドで次のように表示されます。

$ pmset -g | grep -i sleep
...
  sleep      0 (sleep prevented by caffeinate, caffeinate)
...
$

以上、自分への備忘録も兼ねて。
この記事は人力で書きました。

2024-11-04

わたしのデスクトップ環境にマシンが1台追加

長く面倒な内輪の対応処理にようやく完了の道筋が見え、久しぶりにブログに戻って来ることができました。
めったに出来ない体験ではあったのでお役立ち情報になる部分は改めて整理してお知らせしたいと思いますが、今日は趣味の分野のブログに復帰させてください。

わたしは以前からデスクでは、MacとWindows機をUSB-Cのオスメスケーブルの物理的な差し替えで、切替えて使っています(以前の投稿「わたしのミニマルデスクをご紹介」)。
物理切替えにしているのは、USBの切替え機は周辺機器用のものはいろいろありますが、USB-C DP Altまで対応したものはほとんどないし、あったとしても業務用的な超高価なものだからです。

今回、この切替え運用にもう1台のマシン、iPad Proが加わりました。

というのも、Apple Intelligence 対応の iPad mini の発売を期待して待っていたのですが、ふたを開けてみると chip が A17 Pro で外部ディスプレイはミラーリングのみと、わたしの期待に一歩足りませんでした。
ならばということで、このタイミングで M2 iPad Pro の中古をイイ感じの価格で手に入れました。
なお、後で知ったのですが、Apple SiliconのM1/M2/M4 iPad Proにはメモリサイズが8MBと16MBのものがあり、ストレージ容量の1TB以上を選ぶと16MBになるので、絶対的なパフォーマンス重視の方は間違えないよう注意が必要です(もちろん差額はかなり大きめです)。
わたしのiPad Proの遍歴は、初代 9.7inch 2016、第1世代 11inch 2018と来ていたので、今回のM2第4世代11inch 2022のベースモデル8MB 128GBでもかなりのジャンプアップで、十分に高い満足度です。

物理的なUSB-Cの切替えではありますが、MacとWindows機とiPad Proの3台のマシンに対して、外部ディスプレイとお気に入りのキーボードとトラックパッドそれに有線LANアダプタを、瞬時に同時に切替えて使用できるようになりました。
Bluetooth接続のキーボードやトラックパッドだったり、ディスプレイ側の入力切替えでは、こう簡単にはいかないですよね。
外部ディスプレイがUSB-C対応ではない場合でも、パソコン側が対応していれば、HDMI出力付きのUSB-Cドックを各マシンに差し替えるやり方でも同じように切替えができると思います。

iPadのアプリをパソコンと同じように外部ディスプレイに広く表示できるのは、iPadとしては驚きの革新的な高機能ですし、作業に集中できるすっきりした画面はWindowsにもぜひとも見習ってほしいなと思いました。
わたし自身の経験としても、ここ数年まえから、文章を書くのにWindows機(のごちゃごちゃした画面で集中できず)で煮詰まったときは、続きをiPadでやることでうまく行って助けられたことが実際に何度もあります。

Apple Intelligenceは、OSの言語設定を英語にすれば、もう使えるようになっています。
これって昔々、Mac OS System 4に漢字TalkとかSweetJAMを入れていたころのような感覚を思い出します。
さらに、アプリ毎に表示言語を日本語に設定できるようになっていて、その状態のアプリでも英語の内容に関してはApple Intelligenceが効くので、皆さんもぜひお試しください。
3月に出るであろうiPadOS 18.3/macOS 15.3でのApple Intelligenceの日本語対応がますます楽しみですね。

 

[2024-11-09] MSWordで下書きしたものをそのままwebのBloggerに貼り付けたら、Officeの余分なhtml tagがついていたのを、手で削除しました(いつも困りますね、プレーンテキストコピーがほしい)。

2023-06-03

"A new era begins." なWWDC23で一喜一憂しないために、じぶんなりの期待はMac Pro、AI、XRと表明しておく

今年のWWDCは、どことなくいつもと違うようだ、とそこかしこで言われていますね。
Apple自身の告知でも "Code the new world." とか "A new era begins." とか、大きく構えてきています。

世間で取りざたされているうわさや予想に流されて一喜一憂するのは、WWDCの本来の楽しみ方ではないはずです。
なんとか最高の状態でWWDCを迎えたく、どうすればよいか考えたところ、やはりじぶんの期待と言うか希望を表明しておくべきと考えました。

わたし希望するトピック3題は、

  • M2 Mac Proの実機、またはM3 Mac Proの概略(拡張性を入れ込むのにM3世代までかかりました、準備は出来ているけれど、もう少しだけ待ってね)の告知。
  • LLM (AI) をMacBookやiPad ProのNeural Engineでローカルで実行するツールキットと、学習済みモデル。Apple Siliconの有効性がまだまだ続くことをここでも示すべき。
  • 長らく待たれている、XR。Appleならどう具現化するかを見せて欲しい。使いやすいARはすでにLiDARスキャナやジャイロセンサーで実現しているAppleなので。

です。
この中から2つ以上を出してほしいです。
そして1つは "One More Thing..." として。

さてはたして、どんなWWDC23になるのでしょうか。 


[2023-06-08] とうとう満を持して One More Thing が来ましたね。
いつも製品の転換点で出てくる hello が、今回はSpatial空間にて。

こんな時に限って、お勉強の時間が取れない。。。

[2023-06-21] このhelloの物体をよく見ると、あまりにも自然に実空間に溶け込んで、影までついて、そこに物体が実際にあるかのような3Dイメージとして、視界全体が生成されていますね。
このリアリティがあってはじめて、違和感なく空間でコンピューティングする自然さが引き出される、自分の体の一部というか、肌感覚として受け止められる、Appleはそこまで突き詰めて作り込んでいるんですね。

2023-04-09

Mac Pro用のApple Siliconをふたたび想像・予想してみた

AppleさんからApple Silicon Mac Proがなかなか発表されませんね。

どんなマシンになるのか期待が膨らむばかりですが、Mac Proの前にまずは、Apple Siliconの製品ラインナップ全体について考察してみたいと思います。

Apple Siliconの各チップの位置付けを考えるとM2は上位のM1 Proを超えたくても超えてはいけない制約があると言えます。
つまり、

M1 < M2 < M1 Pro < M2 Pro < M1 Max < M2 Max < M1 Ultra

の絶対的な序列があります。
M2は、M1のたかだか1.2倍のパフォーマンスアップという凡庸な進化となっていて、Intel MacからApple Siliconに変化した時の3倍のブーストを知ってしまったわたしたちには、とても物足りない感じにならざるを得ない宿命があります。

これを何とか打破するため、次のようにしてみてはどうかと考えました。

  • 案1:Proグレードは廃止。
    序列による縛りが緩和されるので、1世代で1.5倍や2倍とかのブーストをしても良くなる。

  • 案2:iPhoneのような1~2年の短いサイクルでのリリースをやめて、2~4年つまり現状で言うところの1世代飛びのリリースにする。
    たとえばM3はM2 Proを超えてはいけないけれど、M4ならM2 Proを超えても全然良いのです。ネーミングはさておき、偶数または奇数世代をスキップすれば、グレードの序列による縛りを考慮する必要がなくなって、高性能な世代進化をより自由に設定できます。iPhoneと違ってMacは毎年買い替えるようなことはしないですよね。

 さて、では、Mac Pro用のApple Siliconはどうすればよいでしょう。

Mac StudioのM1 Ultraのように単純にM2 Maxの2倍とか4倍にしただけでは、Mac Proに要求されるようなテラバイト級の大容量メモリは到底実現できません。
ですから、

  • Mac Pro用Apple Siliconでは、M1 Maxで隠し持っていたUltraFusionを外出しして、M2 MaxまたはM2 Ultraを2個とか4個の複数搭載、さらにNUMA(Apple Silicon内のメモリとチップ外接続メモリの間で速度が異なる)でもよいのでメモリも外部接続できるようにすれば良いと思います。
    この外部接続用の高速インターコネクトのためのスロットあるいはファブリックは、Mac Proに特化したお金のかかる設計でよくて、すでに前例としてIntel Mac ProのMPXグラフィックカードで実在しています(以前の投稿)。

もしかすると、じつはM1 Ultraですら、UltraFusionの外部接続用の接続ピンを隠し持っているのかもしれません。
こういう仕組みであればMac Studioに比べてMac Proは自由な拡張性を与えてやることが可能になり、差別化できます。

みなさんはどんなApple Silicon Mac Proを期待、想像しますか?
もちろん個人で手に入れられる代物でなくてよく、Macの発展性の夢の存在としてですよ。

2022-09-06

9月のApple Eventでの発表はiPhoneだけ?

9月のApple Eventまであと一日になりました。

今回の発表も例年にならって、iPhoneとApple One関連だけなのでしょうか。
iPhoneにしても、あっと驚くような進化の持ち駒はまだあるのでしょうか。

Mac Proはやはり来月までお預け?
全く新しい、VRデバイスや、Car関連は?
なにで、なにを、「超えよう」と言っているのでしょうか?
iPhone 14でiPhone 13を超えるだけ、ってことは流石にないですよね?

春のWWDCで発表されたiOS 16はまだリリースされていませんし、
そんなに急いで詰め込むメリットは特にないので、それでいいんですが、
Apple Siliconへの完全移行を出来るだけ早く見てみたいのもファンの心理なんですよね。

2022-06-16

Apple Silicon Mac上でIntel x86 Windowsのアプリを最も高速に実行する方法は、現時点はWine

Hypervisor Framework(これに対してVirtualization FrameworkはHypervizor Frameworkにひと皮被せてLinux OSを実行しやすくしたもの)を使ってArm版WindowsをApple Silicon macOS上で実行できることは既に知られていることです。
更にその中で、Microsoftのエミュレータ機能を使って、Intel x86用のWindowsアプリを実行することもできます。

Appleは独自技術を使ってIntel x86アプリを実行するRosetta 2を提供していますが、Arm Windowsの中ではRosetta 2を使用することができなくて、Intel x86 Windowsアプリの実行速度はそれほど高速ではありません(おおよそ半分の速度くらいでしょうか)。

従来から有名なWineを使用すれば、Windowsアプリの実行をWindows OSをインストールすることなしに行うことができます。
このWineが昨年からApple Silicon Macに対応しています。
WineはmacOS上で直接実行されるもの(仮想化は使用しない)なので、Rosetta 2が活用できます。
少し試してみたところRosetta 2らしい高速性が発揮できていることが確認できました(わたしが軽いベンチマークでよく使う7zipのbオプションで、Apple Siliconネイティブのバイナリに比べてIntel x86 Windowsバイナリは2割程度の速度減に収まりました)。
(QEMUやUTMでIntel Windowsを丸ごと実行した場合は3~4倍遅いのに比べると雲泥の差です。)

ただしWineは、Windowsアプリの実行のためのOS環境を互換ランタイムライブラリで代替する方式のため、たとえば.NETなど複雑なランタイムを使用したアプリは互換性が取れなくて実行できません。
わたしが一番使いたかったWindowsアプリであるPaint.NETも実行できませんでした。

しかしながら、Wineで実行できるWindowsアプリでさえあれば、現時点でApple Silicon Mac上で最も高速に実行する方法であることは間違いないと言えます。
ゲームアプリなどでWineが対応しているものもあるようです。

ちなみに、Intel WindowsアプリではなくてIntel Linuxアプリの場合は、前の書き込みの方法の、macOS 13 VenturaのVirtualization Frameworkの新機能を使って、Arm Linux VMの中でRosetta 2を使う方法が最速です。

Apple Silicon macOSのRosetta 2が進化して、仮想Arm Linux内でx86バイナリの実行をサポート

今日はApple Silicon Macの仮想化とIntelエミュレーションに関して2つの話題を書いてみたいと思います。

先日のWWDC22でmacOS 13 Venturaが発表されました。
盛りだくさんの新し機能の中で私が一番だと感じたのは、やはり、仮想環境の中でIntel x86バイナリの実行が出来るようになることです。
ただし、手放しに喜べる機能ではなくて次の使い方に限定されたものです(Apple Developerサイトの解説)。

  • Virtualization Frameworkを使ってArm版のLinuxを起動する
  • Linux内でmacOSが提供するツールのおまじないを設定する
  • Arm Linuxの上でRosetta 2を使ってx86用のバイナリを実行できるようになる

x86のLinuxを直接実行できるとか、ましてやx86 Windowsを実行できるなどは、まだです。
Linuxではなくて、Arm Windowsの中でx86のWindowsアプリを実行する場合には、引き続きMicrosoftのツールを使うことになります。

Rosetta 2のx86エミュレーションはApple Siliconの非公開機能を使用しているのでとても高速に動作します。
また、現状のmacOSの仮想化機能では、仮想OSの中で仮想化機能を使用すること(Nested Virtualization)はまだできません。
今後も徐々にRosetta 2やVirtulization Frameworkの適用範囲が広がっていってほしいと願います。

 

[2024-06-13] x86バイナリのコンテナもそのまま実行できるような環境が整備されてきました。
Docker DesktopやLimaのコンテナ実行環境で、直接Rosetta 2を利用するための 「Linux内でmacOSが提供するツールのおまじないの設定」が適用されるようになったようです。

macOSはLinuxそのものではないので、Docker DesktopやLimaはコンテナ実行マシーンを作成し、リモート環境としてコマンド接続してコンテナを実行するひつようがあります。
dockerコマンドだと、環境変数 DOCKER_HOST 指定、または .docker/config.json の Host 指定、あるいは context での指定、あるいは廃止になった以前の機能なら docker remote xxx をしているのと同じですね。
もっとシンプルなpodmanコマンドなら --remote と --connection の指定をしているのと同じです。

2022-06-02

iPad Pro専用のiPadProOSがmacOSと共通化すればよいはず

Apple Siliconへの移行の仕上げの年のWWDC22開催までいよいよ1週間を切りました(キーノートのページ、WWDC22の全体目次ページ)。

前回の書き込みで指摘したように、Apple Silicon M1になったiPad Proは、処理性能面では完全にMacBook Airと同じものと言えます。

iPadに対してiPad Proのプレミアを付けて、iPadOSから派生してiPadProOSだけをmacOSと統合すればよいのです。
あるいは、むしろ逆にmacOSにiPadOSのタブレット由来機能を統合して、MacBook AirとiPad Proを共通化すればよいのです。

MacBook Airのディスプレイ部分とボトムパーツが分離できるようにして、あるいはiPadにフロ-ティングMagic Keyboardを付けた状態がMacBook Airみなしの状態になって、分離した状態では純粋はiPad Proタブレットモードとしての利用状態になり、一体化した時または外部ディスプレイとキーボードを接続した時にはmacOSモードでマルチウィンドウの動作になる、という仕組みです。

このiPad ProとMacBook Airのハイブリッドマシンは、あえて安価にしなくてもよいので、是非とも実現して欲しいものです。
iPad ProでもMacでもない、Apple Siliconによって生み出された新たなカテゴリの製品としてでも良いかもしれません。

さらに、iPad miniサイズやiPhone Pro Maxサイズで、ポケットに入るMacというものもとてもあこがれます。
これ、最高にわくわくしてしまいますね。


2022-05-23

iPad ProのmacOSモードは永遠の夢物語か

MacRumorsの記事Apple Patent Suggests Future iPad Could Transform Into macOS-Like Experience When Attached to a Keyboardから

Apple Siliconの登場後、とうとうiPad ProとiPad AirにまでM1チップが搭載されました。

macOS側は、Mac CatalystによってiPadアプリとmacOSアプリのソースコードを共通化できるし、実行環境としてはiOSとiPadOS用のアプリをそのまま実行できるようになっています。

MacBookシリーズが電源と外部ディスプレイとキーボードを接続するとクラムシェルモードになるように、iPad Proもドッキングステーションに繋げたらmacOSモードになったら、とてもスムーズですよね。
これ、見ようによってはSurface Proと同じなのですが、タブレットとしてはiPadOSの方が断然使いやすいので、別物として忘れてよいと思います。

以前のわたしの書き込みでも、MacBook Air(あるいは12インチMacBookの復活版)の新筐体デザインとして、ディスプレイ側にロジックボードを組み込む方式を妄想しました。
そもそも、すでにMacBook AirとiPad Proのロジックボードはほとんど同じサイズなのだし、どちらもファンレス、CPU+メインメモリも共通、SSDストレージオプションも全く品揃えです。

現在のMacBookシリーズで一番嫌いな点は、ディスプレイを最大限開いた時の角度が少なすぎて、とうてい水平にならない点です。
このせいで、外部ディスプレイを接続する時に内蔵ディスプレイがどうしても邪魔をしてしまうので、せっかくのとても使いやすいキーボードとトラックパッドを使うのを泣く泣くあきらめて、外部キーボードと外部トラックパッドで使わざるを得ないことになります。
外部ディスプレイを接続してクラムシェルモードにしてしまうと、せっかくの良質の内蔵のディスプレイ、キーボード、トラックパッドがすべて無駄になってしまいます。
iPad ProにキーボードをつないでmacOSモードで使えるようになるのであれば、一組のキーボードとトラックパッドだけを所有していればよいことになるし、iPad本体もセカンドディスプレイあるいは超大型のタッチバーあるいはペン入力デバイスとしてそのまま活用出来て無駄がありません。

iPadOSにも、マルチウィンドウ操作用の3つのドットが画面上部に出るようになって、もうゴテゴテしてきています。
この際ですから、macOSと共通化してしまった方がすっきりしそうに思います。

2022-04-07

WWDC22への願望 - ヘッドトラッキングでゴーグル無しVR、SwiftVR toolkit

WWDC22の開催がアナウンスされました。
オンラインですが例年同様6月第2週です。
イベントのアイコンが気になって仕方ないです。
単純なSwiftやSwift Playgroundの新バージョンのロゴじゃないし、ましてやSwift Student Challengeの缶バッジではないように見えます。
Swiftが大幅に拡張されてSwiftVRみたいなメタバースの実現機能を提供するとかのように思えます。
少なくともSwiftに何かが起こるのではないでしょうか。

OculusあらためFacebookあらためMetaではもっぱらVRゴーグルでメタバースを提供していますが、たとえばPortgraph (ツイッター https://twitter.com/portalgraph ) では通常のディスプレイとヘッドトラッキングだけでVR効果を生み出しています。
左右の目に視差のある映像を送らなくても、視線または頭の動きに追従した映像を生成すればよいのです。
Appleでヘッドトラッキングと言えば、最新のiPadシリーズやStudio Displayがセンターフレーム (日本ではAirPort/AirMacの時のようにまた商標権(こんどは上質マンション)に引っ掛かったんですね、英語ではCenter Stage、対応機器は https://support.apple.com/ja-jp/HT212315 ) に対応していますし、空間オーディオ対応のAir Podも対応しています。
これらの技術をうまく利用して、顔に変なデバイスを装着する必要なしでVRを実現して欲しいものです。
映画館のように複数人数に対して一斉に3D映像を見せたい場合は、視差効果処理済みの単一の映像を3Dメガネで各自でデコードしてもらう方式が良いですが、VRゴーグルのように一人向けの映像利用であればヘッドトラッキングだけで事足りるはず、要は使い分けです。
ZoomやTeamsでもセンターフレームが使えるように、swiftVRも汎用化されれば、Apple SiliconがVR視聴・VR没入の一大プラットフォームとして普及するのではないでしょうか。
Apple Siliconの有り余るパワーの活用をこのような形で提案して欲しいものです。

VR対応じゃないのなら、iOS / iPadOS / macOS / watchOS / tvOSが今度こそ統合されてswiftOSになるとか。

なんか妄想と願望が膨らんでしまいました。

[2022-05-22] 5月の非公開の取締役会議でヘッドセットが披露されたようだ、とBloomberg等の記事が出ました。

2022-03-29

Apple Silicon Mac ProとM2を予想してみる

2020年12月に描いた絵
先日のApple Special Eventではセパレート型のiMac Proとでもいうべき、Mac StudioとStudio Displayが発表され、わたしたちの予想を大きく裏切ってくれましたね。
パフォーマンス・消費電力のグラフを見るとM1 ULTRAはCPUとGPUを合わせて200Wくらいの熱容量になりそうなのでMacとしては巨大なファンが必要になり、Mac miniにも収まらなくてMac Studioのような半分を冷却機構を占める筐体になるのが自然です。
(Studioと言えば、Surface Studioの方が先でしたが、あちらは斜め上を行く変形機構でびっくりしました。)

Mac Proに関しては「次回のお楽しみ」と明言されました。
CPUパフォーマンス、GPUパフォーマンスとも、現行のMac ProをMac Studioで超えることができた今、残る課題はメモリ容量です。
Mac Pro(チーズおろし、すりおろしリンゴ)の最大メモリ容量は1.5TB、M1 ULTRAの128MBの8.5倍です。
これをいままでのような倍々ゲームで到達させるのは並大抵のことではないですし、このような巨大メモリを変更不可の固定サイズで提供するのはどう考えても無理があると思います。
やはり専用のコネクタを開発してでも、外付けのメモリスロットとせざるを得ないのではないでしょうか。
このインターコネクトは、うまくすればM1 ULTRAをマルチプロセッサとして接続するBUS (External Ultra Fusion?) としても利用できます(M1 ULTRAの説明では、マルチプロセッサの通信がボトルネックになるのでSOCの中で2つのM1 MAXを接続したと言ってはいましたが)。
冷却機構はさらに倍以上必要になります。
ヒートシンクやヒートパイプが一体化した拡張メモリ、拡張CPUカードになりそうです。
Mac Proでは柔軟なアップグレード性が重視されるので、この線がかたいと思います。

もう一方の、Apple Silicon M2は、いくらシリコンプロセスが一世代進んで微細化されたとしてもM1から2倍の性能という事は無くて、例えば1.2倍とかなのではないでしょうか。
一世代で1.2倍と言うのは、実はちょうど具合が良くて、M1がノーマル、PRO、MAX、ULTRAと4グレードでシリーズ化されているところに、M2で同様のグレードを出したとき、ちょうど順序よく並ぶことになります。
つまりノーマルM1の少し上にノーマルM2で、同時にM1 PROを超えない、という具合です。

Apple Silicon SOC CPU GPU M1比
CPU
M1比
GPU
M1 8 8 8 8
M2 8 10 9.6 12
M1 PRO 10 16 10
16
M2 PRO 12 15 14.4 19.2
M1 MAX 10 32 10 32
M2 MAX 12 32 14.4 38.4
M1 ULTRA 20 64 20 64
M2 ULTRA 24 64 28.8 76.8

単純な算数ですが表にしてみました。
M2のCPUとGPUの数を適当に設定して、M2シリーズの「M1比」のところは1.2倍した数字を書いていき、「M1比GPU」のカラムでソートしました。
うまい具合にグレード順に並ぶと思います。

M2 MacBook Airが、M1 MacBook Pro 14よりハイパフォーマンスになってしまうようなことだと、全機種・全グレードを一気に置き換えなくてはいけなくなくてとても都合が悪いですよね。
もしもM2がM1のコア当り1.2倍以上、例えば1.8倍とかのパフォーマンスを出せてしまうのなら、コア数自体を減らして省電力の方向に振ればよいですね。

いずれにしてもApple Silicon Macがこれからどんな進化をしていくのかますます楽しみです。
有り余るパフォーマンスはパーソナルユーズでは、メタバースに活用していくのが良いですね。

2022-03-05

ついにM2 Mac Pro登場? Peek PerformanceのApple Special Event (2022-03-09 3:00 JST) にて

世界情勢が不安定な中、Apple Special Eventの開催が告知されました。
よくぞ決断したものだと思います。
テーマは Peek Performance 「最高峰を解禁。」です。

Apple史上、およびデスクトップコンピュータ史上、最高の (peak) パフォーマンス (performance) をたたき出すマシンをお見せします (peek)、と言う意味以外考えられませんね。
M1 Apple Siliconでの驚き、それ以上のパフォーマンスジャンプをM2 Apple Siliconで見せてくれるに違いありません。
あとは、プロシューマ向けのソフトウェアがどれくらい揃ってくるかですね。

くれぐれも、体調と、情勢に気を付けながら、楽しみに待ちたいと思います。

2022-01-08

Apple Silicon MacでこんどはmacOSを仮想化ゲストとして動作可能に(UTM app)

手元のM1 MacBook Airは貴重なApple Siliconマシンなので、いろいろ無茶をして実験することができないでいました。
このたび、私のお気に入りのUTM appがこの状況の打開策を出してくれました。

UTM app 3.0では、仮想化ゲストOSとしてmacOSを動かせるようになります。

v3.0.1ベータが2022年1月9日公開され、以下の問題は修正ずみ、きちんと動作します。
《残念ながら、現在公開されているv3.0.0ベータ(2022年1月1日公開)では、macOSゲストのVM作成処理の最後のステップで、設定パラメータの判断エラー ("AuxiliraryStorage" is nil. のエラーメッセージ) が発生してゲストの作成に失敗してしまいます。
この問題に対してースコードは修正済みなので、git cloneして頑張ってビルド(一部手を入れる必要があり(後述)、時間も1時間くらいかかります、わたしはビルドを通すための試行錯誤にさらに2日ほど要しました)すれば問題なく動作します。
本家でもそれほど日を置かずに新しいビルドが公開されると思うので、わたしのようなよっぽどの新しい物好きじゃない限り、少し待つのが良いと思います。》

右の画像が、macOS 12.1 MontereyをApple Silicon Macで実際に仮想ゲストとして動かした様子です。
現在の動作状態は以下のようになりますが、不足機能はどんどん改善されていくと思います。

  • CPUは「Apple M1 (Virtual)」と認識されます。コア数やメモリサイズは設定で変更できます。メモリサイズはデフォルトは4GBですが、6MBくらいにしないと最初のインストールに時間がかかってしまうと思います。
  • CPUエミュレーションではなくて、macOSのVirtualization Frameworkが直接使用されるのでフルスピードで動作します。
  • ディスプレイは初期状態では、物理1920x1200、Retina表示で960x600の固定サイズになります。仮想ゲストのウィンドウの大きさを変更すると表示内容が拡大縮小されます。ディスプレイサイズもUTMの設定で変更できます。
  • 仮想ゲストとホストの間のコピペはまだできません。
  • Magic Trackpadの右クリック(2本指タップ)は少し効きが悪くて、タップしてホールドしたまま少し指を動かすと認識されます。
  • macOSのOSイメージは
    ~/Library/Containers/com.utmapp.UTM/Data/Library/Caches/UniversalMac_12.1_21C52_Restore.ipsw
    にダウンロードされます。通常のインストーラとは違う形式で、リカバリイメージを使用するようです。サイズは13GBです。
    このキャッシュファイルは何かのタイミングですぐに消されてしまうので、
    ln ~/Library/Containers/com.utmapp.UTM/Data/Library/Caches/UniversalMac_12.1_*.ipsw ~/Downloads/
    などのコマンドでコピーしておくのがおすすめです。
  • 仮想ゲストは
    ~/Library/Containers/com.utmapp.UTM/Data/Documents/ゲスト名.utm/
    に作成されます。ディスクイメージは最大容量 (例60GB、lsで見た時) で作成されますが、macOS APFSのcopy-on-write機能 (CoW) のおかげで実際の占有サイズは初期20GB程度 (duで見た時) です。
  • 初回起動時に Would you like to install macOS? というメッセージが出て、macOSインストーラが走ります(逆に何かの理由でこのメッセージ出なかった時はVMの作成をやり直さないと一切先には進みません)。インストールは5分くらいで終了します。ものすごく速いと思います(macOSのOSパッチ適用はApple Siliconの場合でも、iOS/iPadOSのインストールはクリーンインストールでも、小一時間かかりますよね)。M1 Macの初期インストールの様子は(Intelと同じですが)今回初めて実施に目にすることができました。

 

UTMをソースコードから自分でビルドする場合のコツを、ご参考用、かつ自分用のメモとして以下に書いておきます。

  • 基本的な手順はUTM appのgithubのここに書いてある通りです。
    わたしはhomebrewよりむしろmacports派なので
    sudo port install glib2 libgpg-error nasm meson gmake
    で不足ツールを事前インストールしました。さらにmacOS付属のbisonが要件に満たないバージョンなので
    sudo port install bison
    もしました。
  • ./scripts/build_dependency.sh -p macos -a arm64
    は30分以上、
    ./scripts/buid_utm.sh -p macos -a arm64
    は5分くらいかかります。膨大なログが出るのでエラーメッセージを見逃しがちです。実行後、ターミナル上で Cmd+F Error: で検索して確認した方が良いです。
    後者のビルドは UTM.xcodeproj をXcodeで開いて行うこともできます。
  • どうしても #include のパスが解決できないため、ソースコード中のインクルードファイルのパスをフルパスに書き換えたソースが
    ./build-macOS-arm64/qemu-6.2.0-utm/include/qapi/qmp/qobject.h
    です。
    ファイルが欠落していて別途追加ダウンロードしたものが
    ./Platform/Shared/HTerm/libapps
    の配下のファイルで、githubのhtermからダウンロードしました。
  • 全てのソースコードをダウンロードしてビルドするには22GBのディスク容量が必要です。

 

Apple Silicon Macでできることがどんどん広がって、ますます無敵感が高まっていきますね。

[2022-01-08] 初出では思い込みでqemuのhvf (macOSのHypervisor Framework) を使用していると書いてしまいましたが、qemuを経由せず、macOSのもう一つの仮想化FrameworkであるVirtualization Frameworkを直接使用するようになっています。
その証拠に、macOSの仮想化ゲスト(とLinuxでApple Virtualizationを選んだ場合)ではゲストシステムの詳細設定オプションがqemuとは違うものが表示されます。
macOSが提供するこの2つの仮想化Frameworkは、ゲストOSのブートの仕方が違うだけでどちらも高速動作します。
Intel CPUをエミュレーションしてLinuxやWindowsを仮想化で実行する場合にはこれらのFrameworkを使用できないのでApple Siliconやarm64に比べて数倍遅くなるのです。
macOS上で動くアプリやコマンドであれば、Rosetta 2で実行され数割の減速ですみます。
[2022-01-09] v3.0.1ベータが出て初期設定の問題が解消しました。
[2022-01-10] もしやmacOS 11も実行できないかと、UTMのソースコードのバージョンチェック箇所をいじくってやってみましたが(転んでもタダでは起きない)、初回起動のBig Surのセットアップの早い段階でエラーになって、これはダメでした。
"macOS on Apple Silicon Mac" の機能は、おそらくホスト側とゲスト側の両方にMontereyでの追加機能が必要なようです。
複数バージョンは今はできないことが分かりましたが、
macOS 12のクリーンインストール環境がいつでもすぐに(5分程度)いくつでも(ディスクが許す限り、外付けディスクに逃してやることも容易)、手に入るのはとても偉大な進歩です。
[2022-01-12] ネストされた仮想化 (nested virtualization、入れ子の仮想化、仮想化ゲストのmacOSの中でさらに仮想化ゲストを実行する (qemuの(遅い)エミュレーションは大丈夫)) はmacOSの制約?のためにまだできないようです。

2021-12-09

M1 MAX DuoとQuadroのうわさが登場、でも倍々ゲームはそう長くは続かない、その先の進化はソフトウェアにかかっている

Apple Siliconは、1世代前の7nmのA12X/A12Zから、5nmに正常進化してA14/A15/M1/M1 PRO/M1 MAXになりました。
次のM2は5nm+、M3は3nmといった感じでロードマップがある程度見えてきました。
M1 MAXでやったような大規模化はさすがにもう限界でしょうから、規模の拡大はマルチダイになると思います(私のApple Siliconを予想した書き込みと、搭載Macに関する予想)。

この予想と同意見のうわさがプロ?のリーカーからも出てきました(iPhone Maniaさんの12月4日の記事「M1 Maxには既に、マルチダイやチップレット構成のための仕組みが用意されている?」とネタ元の @VadimYuryevさんのtweettweetもう1件)。
これで、Intel世代から、2倍、4倍、8倍、16倍の4年分の倍々ゲーム(実際には多少ペースダウンしてリリースされるかもしれませんが)が保証されました。

でも、その先はどうでしょうか?

プロセスルールの進化には数年以上かかります。
3nmの次はまだ話も出てきていないと思いますし、もっと先の0.5nmとかは物理的に無理なような気がします。
Intelチップもそうでしたが、最初の頃はペース良く進化できても、テクノロジの後期にはペースがガタ落ちします。

Apple Siliconの技術で、5年、10年持てばもうそれだけでとても立派なことでなのですが、やはりさらにその先がどうなるのかを見てみたくなります。
ハードウェア、特にCPUに関してはここ数年分の倍々(1年ないし2年毎)の進化が約束されましたが、ソフトウェアの方はどうでしょうか。

静止画の処理は、何年も前からすでにストレスなく顔認識も含めてできるようになっています。
動画は、最初ドット画のようなQuickTimeで感動(30年近く前?)した頃から、今後の4K/8Kの編集・エンコーディングをこなすためにはM1 PRO/MAXに追加されたメディアエンジンの出番が出てきました。

コンピューテーショナルフォトはカメラハードウェアの限界を画像処理やニューラルエンジンで補って、人の目で見たままの写真を再現するのもです。
LiDERスキャナは3D物体の撮影を進化させました。
マシンラーニングの結果を利用するのは一般ユーザでも日常になってきましたが、機械学習処理は専門家の領域です。

こう考えてみると、もうソフトウェア的にできることが出尽くしてしまっていて、パーソナルコンピュータとしてのこれ以上のハードウェアの進化はもう不要な領域に達してしまったようにも思えてしまいます。
ハードウェアを進化させるモチベーションが、個人利用の分野ではもうなくなっている(ゲーミングだけは良い課題なのかもしれませんが、ゲームに興味のある人はそれほど多くないと思います)。
あるいは逆に、コンピュータの機能・性能の底上げ、ムーアの法則の打破は逆にソフトウェアにかかっている、のではないでしょうか。

純粋にソフトウェアの処理の分野で考えると、プログラミングの作成をもっと手間のかからない誰でもできる作業に、例えば「Webサイトからデータを取ってきてグラフを作成して、色合は暖色系で」と指示したらいい感じでやってくれるとか。
ショートカットAppはAutomatorに比べるとかなり敷居が下がりましたが、まだプログラミング脳が必要な感じから抜け出せていないと思います。
普段のGUIの操作が、もっと直感的に、ユーザが次にやりたそうな事を予測して提示してくれるとか。
今は、まだ、必要悪の操作が多いというか、コンピュータに使われている(コンピュータに指示しているつもりが、コンピュータに動いてもらうために操作させられている)という感覚です。
一つ可能性として、メタバースが数年後にはありふれているかもしれません(電脳コイルのような)。

余りあるパーソナルコンピュータのCPUパワーを何に使うべきか、タスクが思いつかないです。
なにか解決すべき大きな課題、目的がないと進化が止まって陳腐化してしまいそうです。
個人的な用途でパーソナルコンピュータを買い替える理由が少なくなっています。

こういう面も含めた未来を是非ともAppleさんには提示してほしいですよね。

2021-11-10

MacBook Pro 14/16に遭遇、ノッチ位置でのポインタのインテリジェントな動作を発見、デスクトップポインターモードとメニューバーポインターモード(仮称命名)

先日、店頭でApple Silicon MacBook Pro 14/16を見てきました。
ノッチは確かに気になります。
それよりも、iPhone X世代に匹敵する(iPad Proよりも狭い)ベゼルの狭さが際立っています。
MacBook Pro/Air 13と並べると、ベゼルの太さで、もう13には戻りたくなくなります。

細ベゼルにするとどうしても発生してしまうのがノッチ(カメラよりベゼルが細くなっているため)。
iPhone X世代でも最初は気になりましたが、もう慣れましたよね。
Face IDが入っていないのに、と思いますが、最大限までベゼルを狭くすると、やはりノッチは必要になってしまいますね。

しばらく触っていると、ポインタをノッチの近くに移動したときの挙動が、他の記事(たとえばJA All Things ITさんの記事)に書かれているような単純な作りではないことに気付きました。
とってもインテリジェントな動きをするようになっていますよ!!

  • 通常の、デストップやウィンドウにフォーカスがある状態では、マウスポインタは線形に、ノッチの後ろを通過します
    何の引っ掛かりもありません。これが他の記事で紹介されている動きです。
    [デスクトップポインターモード](仮称)
  • メニューバーの項目を一つ選んで、マウスを横に動かすと、メニュー項目が順々に選ばれていくと思います。
    この状態で、ポインタをノッチのところに移動していくと、ポインタがノッチの左から右へ一気にジャンプします(ワープします)
    最初不思議に思いましたが、よく考えるとこういう理屈だと思います。
    メニュー項目が沢山あって、ノッチの左側に収まりきらないような場合は、項目がノッチの右側にも振り分けて配置されます。
    このような場合に、ポインタを移動させた時、ノッチ部分でメニューがトンネルに入ったように無選択状態になると操作の連続性が保たれません。
    メニュー項目が、あたかもノッチがないかのようなタイミングで連続的に移り変わった方が自然で使いやすいですからね。
    [メニューバーポインターモード](仮称)

このようなノッチ周りでのポインタのインテリジェントな動きを、仮にデスクトップポインターモードと、メニューバーポインターモードと名付けておきたいと思います。
手元にMacBook Pro 14/16がある方は、是非とも注意深く試してみてください。
こういうあまり誰も気付かないこだわりの作り込みが本当にいいんですよね。

 

ところで、前の記事に書いた本体の厚み問題ですが、やはり14は13より0.5mm~1mmくらい厚いようです(横に並べて手で触れて比較した感覚)。
記事の図をより実際に合わせて直しておきました。
キーボード周りの謎は、つや消しで今までにない真っ黒い色で、別部品をはめ込んでいるのではなさそうでした。
熱を伝えない特別な素材で塗装されている可能性はまだぬぐえません。
キーボード自体は、気のせいか少し高級感が少なくなったというか、押し下げ圧がより軽くなったように感じました。
ボディーが厚くなったための感覚違いのせいか、キーストロークが少し深くなったのかもしれません。
私が普段LogicoolのMX Keysに慣れてしまっているせいでそう感じただけかもしれません。
powermetrics コマンドは実行し忘れましたが、そもそも管理者コマンドなので、試していたとしても結果は得られなかったと思います。
是非とも手に入れた方の結果を教えてほしいところです。

それと蛇足ですが、14/16の横と後ろにある通気口が、単純な大きな細長い穴とは当然違って、複雑な形のフィンが付いていて、どういう形状になっているのか、外から見ただけでは構造がわからないくらいでした。
これも現物の底蓋を開いてしげしげと眺めてみたい点です。
ふたを開けてもメモリもSSDも交換できないので実用的な意味はもちろんなにもないのですが。

[2021-11-17] キーストロークですが、2020年版は 1.0mmなのに対して、2021年版は 1.3mmとの記事がいくつか出ていますね。
全体の厚みの差(2021年版が厚いはず)もこの差から来ている可能性もあります(かのキーストローク 0.5mmのパンタグラフキーボードのMacBook 12とMacBook Airの厚みの差のように)。

2021-11-03

Apple Silicon M1シリーズmasOSのCPUコアやGPUの使用率/使用電力を詳しく見るには powermetrics コマンドと、ちょっとした工夫で見やすく

本記事の最後に、何ができるかを掲載しましたので、お急ぎの方はそちらへどうぞ
Apple SiliconがM1/M1 PRO/M1 MAXとシリーズ化されてきました。
パーソナルコンピュータとしては画期的なSoCになって、たくさんのCPUやGPUを積んでいます。
それにもかかわらずアイドリングじの電力消費はスマホ並です。

macOSはLinux系のOSなので、システム稼働状態を見るのに一番有名で手っ取り早いのはtopコマンドです。
ターミナルアプリを開いて次のコマンドを打ちます。

% top

OS全体およびプロセス毎のCPU使用率、メモリ使用量が動的に表示されます。
1秒毎の表示間隔で書き換えられますが、これが早過ぎる場合にはキーボードから s5<Return> と打つとたとえば5秒毎に変更できます。

次に、macOSでもっと有名で老舗なのが Menu Meters です(Menu Metersの最新版の公式サイト)。
ダウンロードしたzipファイルを展開して、/Applications フォルダにコピーして使用します。
Menu Metersではコア毎のCPU使用率、メモリ使用率、ネットワーク使用量をメニューバーに常駐したグラフで見ることができて便利です。

でも、高性能コアと高効率コアにそれぞれどれくらいの負荷がかかっているのか、動作周波数がどうなっているのか、消費電力がどうなっているのか、もっと詳しく知りたくなりますよね。
はい、そんな場合には、macOS専用のコマンドの powermetrics があります。

powermetrics も top と同じように、ターミナルアプリです。
次のコマンドで起動します。

% sudo powermetrics

powermetrics は管理者向けの特権コマンドなので、前に sudo というおまじないを付けて、(私は管理者ですよ、と宣言するために)パスワードを入力して起動します。
他にコマンドオプションを何も指定しないと5秒毎の状態が繰り返し表示されます。
止めるには Ctrl/C を打ちます。
もっと手早く1度だけ表示したい場合は、次のようにします(-i 1000 の部分は表示間隔のミリ秒指定、-n 1 は繰り返し回数です)。

% sudo powermetrics -i 1000 -n 1

このままでは情報量が多すぎて追っかけられないですよね。
内容をCPUとGPUの情報に限定するには次のようにします。

% sudo powermetrics -i 1000 -n 1 --samplers cpu_power,gpu_power

これでなんとなくわかるレベルになったと思います(最後に出力を加工した実際の表示結果を掲載しています)。
E -Clusterのところが(省電力の)高効率コア、P-Clusterのところが高性能コア、それとGPUの、それぞれの動作クロック数、使用率%、使用電力が表示されます。

少し長いですが、次のようにすると繰り返し表示でも一目瞭然の内容に絞り込んだ表示になります。

% sudo powermetrics -i 5000 | \
sed -u 's/(\(.*\) \([0-9]\{1,\}\) MHz:[ 0-9.]\{2,\}%)/<max \2 MHz>/' | \
grep -E 'active freq|[0-9] active resi|GPU active resi|Power:|Sampled|Machine model|OS version'

<> の中のMHzには、それぞれのコアの最大クロック数が表示されるようにしています。
最大クロックに対して、現在の動作周波数はactive frequencyのところのMHzなので、コアの使用率%はこの動作周波数に対する%と考える必要があります。

何度もこのコマンドを入力するのは大変(もちろんコピペでOKなのですが)なので、次のように定義しておけば p5 と打つだけで同じことが実行できるようになります。

% alias p5="sudo powermetrics -i 5000 | \
sed -u 's/(\(.*\) \([0-9]\{1,\}\) MHz:[ 0-9.]\{2,\}%)/<max \2 MHz>/' | \
grep -E 'active freq|[0-9] active resi|GPU active resi|Power:|Sampled|Machine model|OS version'"
% p5 

この定義は、次のように .zprofile ファイルに入れておけば、ターミナルを次回以降起動したときにすぐに使えるようになります。

% touch ~/.zprofile   # 以下の手順がエラーしないようにおまじない
% less ~/.zprofile # 事前の内容確認
% cp ~/.zprofile /tmp/.zprofile.backup # 念のためにバックアップコピーを作成
% # 次のコマンドで .zprofile ファイルにaliasコマンドを追記します
% cat >> ~/.zprofile
alias p5="sudo powermetrics -i 5000 | \
sed -u 's/(\(.*\) \([0-9]\{1,\}\) MHz:[ 0-9.]\{2,\}%)/<max \2 MHz>/' | \
grep -E 'active freq|[0-9] active resi|GPU active resi|Power:|Sampled|Machine model|OS version'"
ここで Ctrl/D を入力
% less ~/.zprofile # 追加内容の確認

最後に、p5コマンド(powermetrics コマンド+上記のα)の実際の表示内容を付けておきますM1 MacBook AirでIntel Windows 10を動かして最大負荷をかけた状態です)。

% p5
Machine model: MacBookAir10,1
OS version: 21A559
*** Sampled system activity (Wed Nov 3 11:22:25 2021 +0900) (5019.73ms elapsed) ***
E-Cluster Power: 1221 mW
E-Cluster HW active frequency: 2064 MHz
cpu 0 active residency: 98.32% <max 2064 MHz>
cpu 1 active residency: 97.68% <max 2064 MHz>
cpu 2 active residency: 97.23% <max 2064 MHz>
cpu 3 active residency: 97.12% <max 2064 MHz>
P-Cluster Power: 11246 mW
P-Cluster HW active frequency: 2988 MHz
cpu 4 active residency: 99.72% <max 3204 MHz>
cpu 5 active residency: 99.62% <max 3204 MHz>
cpu 6 active residency: 99.64% <max 3204 MHz>
cpu 7 active residency: 99.41% <max 3204 MHz>
ANE Power: 0 mW
DRAM Power: 435 mW
CPU Power: 12468 mW
GPU Power: 409 mW
Package Power: 13620 mW
GPU active frequency: 396 MHz
GPU active residency: 40.17% <max 1278 MHz: 0%>
GPU Power: 409 mW
%

ほんの少しマニアックですが、Apple Silicon M1シリーズの動作状態がよく分かるようになると思います(M1の最大クロック数(E-Core/P-Core/GPU)が、2.06GHz、3.20GHz、1.28GHzであることもこれでハッキリしますね)。
自分が普段使っているアプリの中のどの操作がどういう負荷になるのか、色々調べてみると面白いと思います。
M1 PRO、M1 MAXをお持ちの方は、表示結果をコメント欄で共有していただけるとありがたいです(匿名可能です)。

[2021-11-03] 初出に追加して、機種名とmacOSバージョンも表示されるようにしました。

2021-10-24

MacBook Pro 14/16の厚みは減っていなくて増している、はず

出荷直前のM1 PRO/MAXの物理スペックを見ていて、ちょっと気になりました。

MBPモデル厚み奥行横幅
13 202015.6212.4304.1
14 202115.5221.2312.6
16 202116.8248.1355.7

データによると、14インチモデルが13インチモデルよりも薄いとなっているのです。
そんなことってあるのでしょうか。

そこで、サイトに掲載されている写真から、いつもの比較図を作ってみました。 

写真からはどうやっても、14インチは16インチと同じくらいの厚みになってしまいます。
数値が実際の値だとすると、もしかすると14インチだけ、ゴム足部分が数値に含まれていないのではと思います。

13インチは上下とも、端に向かって細くなるような形状をしていて、感覚上の厚みが薄くなるようになっています。
14/16インチは、昔のMacBookのように平らです。
13インチと14インチを横に並べると、13インチのディスプレイを閉じた状態の横のエッジの高さ(最小高さ)と、14インチのディスプレイを開いた状態キーボードの面が、ほぼ同じ高さになるようです。

公開されている数値では、13インチより14インチの方が厚みが0.1mm薄いとなっていますが、そうではなく、最大高さは14インチが1.0mmくらい高い、と予想できます。

かつてMacBook 12で、キーボードを新型バタフライパンタグラフにすることで0.5mm薄くして、全体の高さを稼いだくらいのこだわりをAppleは繰り出してきます。
もしかすると、M1 PRO搭載モデルと、M1 MAX搭載モデルで、違う厚みの筐体を使うという事も考えられます。
つまり、写真はMAX搭載モデルで厚みが16.8mm、PRO搭載モデルでは写真より1.0mm以上薄い15.5mmになっている、とか。

[2021-11-10] 実機見分に基づいて、図を微調整しました。

2021-10-23

M1 MacBook Pro 14/16の気になる点、キーボード周りがなぜか黒色、断熱素材の可能性? - 結局はアクセントカラーのようです


なぜか黒いキーボード周り

MacBook Proのロゴが見当たらない

M1 PROとM1 MAX搭載のMacBook Pro 14と16ですが、とっても気になっている点があります。
誰もまだ指摘していないようなのですが、
キーボードの部分がなぜか黒色です。

従来のMacBookシリーズは、キーボードの部分、キーの一つ一つの穴までアルミの削り出しで、本体と同一素材、同一カラーのユニボディーでした。
なのに今回なぜか、キーボードの部分が黒くなっています。

Appleさんがやる事なので、ツートンカラーの単なるデザインアクセントとして、黒色に着色しているなどとは、どうしても考えにくいです。

きっと何かの機能を持たせているに違いありません。
本体のアルミとは違う素材の黒い何かになっていると思われます。

MacBook Pro 14/16の紹介ビデオを見ていると、ちょうどキーボードの位置にM1 PRO/MAXがあるようです。
16インチのM1 MAXではハイパーモードで、Apple Siliconに最高に電力を与えて、MAXのパフォーマンスを出すようになっているとのこと。
という事は、キーボード部分がものすごく熱くなるわけで、何らかの対策が、今まで以上に必要になります。

そうです、あの黒い素材は、カーボンファイバー(炭素繊維)ではないでしょうか、あるいは、表面をマット処理したスペースグレーのガラス素材。
カーボンファイバーもガラスも、アルミなどの金属に比べると熱伝導率がとても低くて、断熱性に優れています。
手のすぐ下で、MAXなApple Siliconが動作しても、やけどしないような対策としてとても良いのではないでしょうか。
トラックパッドも表面がガラスで、そう言えば熱くなってしまう印象はないですよね。

 

疑問なのは、なぜこの説明が無かったか、というところです。
実際に高負荷をかけても、全くキーボードが熱くならない、というサプライズとしてあえて残しているでしょうか。
実機レビューが楽しみです(私はAirがあるのでポチっていませんので)。

もう一点、些細な点ですが、画面の下にMacBook Proの名前が書いてありません。
すでにiPhoneでも名前が書かれていないのでその流れかと思いましたが、思い立ってARで見てみると、ありました、なんと底面に深くMacBook Proと刻んでありました。

[2021-10-24] コメントにて、アイブがいなくなったのでデザイン性よりもコスト削減のために単に別ユニットに分けたのではないか、とのアイデアをいただきました、ありがとうございます。
確かにキーボードはUS、JP、UKなど複数あるのでまとめて製造できない問題がありますよね。

最初、長方形の部分全体が大きくくりぬかれていて黒い別の部品と考えていました。
それよりも、キー毎の穴あけは従来通りユニボディー加工として行うけれども、本機ではキーの周りの枠の部分を従来よりも少し深くしておき、別の黒色の断熱性のユニットを上にかぶせるという方法もありそう、と思い至りました。
これなら全体の剛性を損なわずに、遮熱・耐熱を実現できると思います。
ガラスは細く加工するのが難しいので、この方式なら樹脂(ポリカーボネート)でも良さそうです。

[2021-10-31] iFixitの分解レポートが出ました。
キーボード周りの黒い部分は、残念ながら機能性があるようではなくて、単なる着色(anodized finish;アルマイト処理による着色)とのことです。
ユニボディーを強調するために従来はあえて色を変えてこなかったのか、新たにユニボディーに部分的に色をつける技術を確立できたのか、どちらなのでしょうね。
確かにシルバー色の格子がないほうがスッキリ落ち着いています。
部分的な着色は、他の製品にも広がっていくのか、ちょっと考えてみましたが(意匠的なツートンカラーにあえてする以外は)あまり思いつきませんでした。
MacBook Pro 14/16の底面の製品名刻印は部分着色の活用にちょうど良かったはずですが、掘り込みですし。
アップルロゴは多くの製品で通信アンテナのために物理的に穴を開ける必要がありますし。

2021-10-21

Apple Silicon M1が巨大化してM1 PROとM1 MAXに

半導体不足をものともせず、AppleはM1チップの巨大化バージョンを出してきました。

私の予想したような単なるクロックアップで性能1.5倍などでは、ぜんぜん飽き足らなかったのでしょう。
高性能コアを2倍、GPUを2倍と4倍、その上メモリバス帯域も倍倍で上げてきました。
(高効率コアは減っていますが、実際に広く使ってもらってみて4つも必要ないことが分かったのでしょう)

それにしても巨大なチップです。
製造歩留まりもかなり悪くなっているかもしれません。
それでもプロ用のMacBook Proは、どれだけ高価になっても良いのかもしれません。
さすがに台数も爆発的に出ることもないとの読みもあるのかもしれません。
(予想に反して品薄、チップ不足になったりした場合には、次のM2やM3はやはりマルチチップになると思います)
(今回M1にサブネームを付けてきたので、この後もM2とかM3ではなくて、アーキテクチャを変えない限りは、M1 2nd genとかM1 2022 modelと呼ばれる可能性も考えられますね)

Mac Proがどういう形になるのか、M1 PRO/MAXの後の高性能化の進化がどうなるのか、もう分からなくなりました。

今回のMacBook Proではディスプレイも頑張っていると思います。
iPhone 13 ProやApple Watch 7の可変ProMotionのような、高機能ディスプレイも含めたトータルシステムとして考えると、次はiMac Proになるのではないでしょうか。

MacBook AirとMac miniは軽負荷用と位置付けるなら、すでにM1チップで十二分ですね。

あとそれと、Intelコードエミュレーション用でRosetta 2で独占使用しているインストラクションセットも公開して欲しいですね。
VMwareやParallelsやKVM上でのIntelエミュレーションがより現実的な速度になれば、Wintelマシンを併用する必要も無くなります。

[2021-12-03] 高効率コアとパフォーマンスコアのバランスは、M1で4+4、M1 PRO/MAXで2+8ですが、同時期のA15では4+2と逆転させているのは興味深いですね(ITmedia EE Times Japanの「A15 Bionicはシリコンパズル 2021-11-29」の記事の情報より)。

2021-09-26

今のうちにM1 Apple Siliconの次バージョンを予想してみる(M1X、M2)、その2

M1とA12X

2021年9月のApple Eventでのハードウェアの発表は、iPad、iPad mini、Apple Watch、iPhone 13でした。
4月にM1 iMacが発表されてMac Pro以外のApple Silicon Macが出揃ってしまったので、今年の新製品はいよいよもうM1の次のバージョンのMacを残すのみです。

今回は去年の12月の書き込みをもう少し押し進めて予想してみたいと思います。

その前に、M1の一つ前のApple SiliconはA12X/A12Zと言えると思いますが、右の写真を見ると、チップの構造がすでにその時からM1と全く同じになっていたことに気づきました(写真のサイズ比はほぼ合っていて、M1が少し細長いようです、A12X/A12Zのヒートスプレッダを外してシリコンダイが見える写真がどうしても見つからずこれで我慢)。

A12X/A12Z以降のチップ構成をおさらいしておきたいと思います。

  • A12X/A12Z:高性能コア4個、高効率コア4個、GPU 7/8個、ニューラルエンジン8Core、メインメモリ4/6GB、プロセス7nm
  • M1:高性能コア4個、高効率コア4個、GPU 7/8個、ニューラルエンジン16Core、メインメモリ8/16GB、プロセス5nm
  • A14/A15:高性能コア2個、高効率コア4個、GPU 4/5個、ニューラルエンジン16Core、メインメモリ4/6GB、プロセス5nm

今後のiPhoneとnon-Pro iPad用のAシリーズチップは、MacとiPad Pro用のMシリーズから、高性能コアとGPUとメインメモリを減らした構成になっていくと予想できます。

さて、本題のM1Xですが、わたしは2バージョン出ると予想しています。

ひとつめは、M1のTDPを上げて、クロックアップしたバージョンです。
現状のM1 MacBook AirとM1 MacBook Proでは、冷却ファンの有無だけで差をつけていますが、TDPも15Wを30Wくらいまで上げてやれば、さらに性能を上げることができると思います。
M1の基本設計をそのままで、高性能化できる余地があるからです。
しかしながらこれだけでは、GPUコア数とメインメモリが不足しているアプリへの対応にはなりません。

そこで、ふたつめ、M1のシリコンダイをファブリックで接続して2つ搭載する、いってみればM1X-Dualが考えられます。
現在のシリコンダイの中にさらに多くのGPUを詰め込むのはサイズ的にもう無理なので、M1Xをそのまま2つ接続して搭載する発想です。
M1の更なる使い回しです。
TDPも単純に60Wくらいになるでしょうか。
メインメモリはもともと独立して接続されているので、単純倍増でなくてもよく、バリエーションも自由に設定できますが、とりあえずは16GB/32GB/64GBくらいが良さそうです。
まとめると以下のようになります。

  • M1X:高性能コア4個、高効率コア4個、GPU 8個、ニューラルエンジン16Core、メインメモリ16/32GB、プロセス5nm、TDP30W
  • M1X-Dual:高性能コア8個、高効率コア8個、GPU 16個、ニューラルエンジン32Core、メインメモリ16/32/64GB、プロセス5nm、TDP60W、M1Xシリコンダイ2個搭載

さらにその先、Mac Pro用になるであろうM2チップは5nmから3nmプロセスに進んで、シリコンダイ当たりの集積度が2倍くらい上がり、処理性能当たりの消費電力が何割も下がる、のではと思います。

iPad+Magic Keyboardと見まがいそうなSurface Laptop StudioでMicrosoftも攻めてきているので、MacBookもそろそろ新しいデザインが必要です(もうiPad ProのサイズにM1が搭載できることが実証されているので、これがM2になれば、今月頭の書き込みのように、iPad Pro Plusも夢物語ではないですし、GPUの拡張だけならThunderboltで余裕で外付けドッキングできる時代です)。
10月に行われるであろうMacのApple Special Eventがやはりとっても楽しみで待ち遠しいですね。