2023-08-20

今後は、左右分割キーボードは一体型キーボードとは別物と考えるようにしよう [自キ沼 #37]

Keychron K11 Proと自作Lilithの使い勝手を合わせようと試行錯誤して2週間が過ぎました。
早速、カーソルキーはfn1(MO(4))+IJKLに、左手親指の中央のキーにBackspaceを、テンキーをfn2(MO(2))+UIOJKLM,.に、割り当てて、Lilithと同様、ホームポジションから手を動かさずに使えるようにしました。
これは、結構快適です。

さらに、一体型のAliceキーボードでは、普段左右分割で使っている感覚からすると、右手と左手の開き具合がどうしてもまだ不足していると感じました。
そこで、右の図のキーマップのように右手側のキーを1文字ずつ右にずらした変則的な配列にしてみました。
こうしてみると、6のキーが右側に置けて好都合、かつ、アルファベットの入力はブラインドタッチでも何不自由なく自然に行えます。
しかしながら、結構使う / や ” が非常にもたついて全然ダメでした。

また、Magic Trackpadをラップトップのように真ん中手前に置くのが、右や左に置くのに比べて操作性が格段に良いので、そうしたい思いも強いです。
ポインティングデバイスを操作するのに、わざわざ腕を右や左へ大きく移動するのは、左右分割キーボードを使っている今の身となってはあまりにも疲れる動作と感じます。
標準キーボードでは親指の付け根が当たって、トラックパッドは手前には到底置けません。
Aliceキーボードなら、Lilithの時よりもかなり離して置きさえすれけば、なんとか使える状態になることがわかりました。
しかしながら、これだと机上のスペースを大きく取ってしまい、あまり理想的とは言えません(なお、右の写真なのですが、NuPhyのキーキャップに付け替えて、かなりイメージが変わっています)。

これらの違いを体験してみて、ある考えがうかんできました。
左右分割キーボードと、一体型キーボードは、同じ使い勝手にするのはもしかするとそもそもムリで、同じ目的の入力デバイスだけれど別物と考えたほうが良いのでは、と。
ちょうど、マウスと、トラックパッドと、トラックボールが違うように、です。

左右分割キーボードは、腕の幅や、腕の向き、更にはチルトやテンティングを自由に設定できるデバイスです。
一方の、一体型キーボードは、左右一体ケースで固定された安定性、左右をできるだけ詰めてコンパクトにする設計思想、キースイッチの連続的な整然とした配置を目指したデバイスだと思います。
同じキーボードの仲間ですが、使う側として違う向き合い方になる、と思いました。
これは、もう割り切って、違うタイプのデバイスと考えて、頭を切り替えて使うしかないと思いました。

この投稿は(変則的な配列に今のところはなっている)市販キーボードのKeychron K11 Proで作成しました。

2023-08-08

Keychron K11 Proを到着初日にさっそく分解してみた [自キ沼#36]

Keychron K11 Proを発売初日に購入し、5日目に手元に届きました。

メーカー製品としてキッチリとした造りに満足ですが、改造したいウズウズがどうにも止められず、下調べとしてまずは開腹してみました。
おそらくKeychronのキーボードの設計方式は目に見えるスペックの差以外は全機種共通だと思うので、他の機種の方にももしかしたら参考になるのかもしれません。

  • まず、K11 ProおよびK Proシリーズのケースはアルミニウム、ボトムは樹脂です。ケースがプレートと一体になっていて側面までカバーしていますが、マウント方式はいわゆるサンドイッチマウント構造です。プレート面に11個のネジ頭が出ていて、これを外すとボトムの板が外れます。この時、スイッチを外す必要はありません。内部のPCBは、ボトムから伸びたスペーサー穴で浮かんでいてネジ等で固定されておらず、スイッチの足だけで支えられています。
  • スタビライザーはルブされていますし、使用されているGateron Low Profile 2.0スイッチもファクトリールブ仕様です。プレートースとPCBの間、PCBとボトムの間に空間があるので、使い方によっては反響音が響きます。良い音なのだと思いますが、音量をなんとかしたいと感じました。
  • 次にPCBに関して、キーの右ブロックと左ブロックそれぞれ用にシフトレジスタが設けられています。コントローラとの接続は少ないピン数おそらく2本だけで接続されているようです。これならフルサイズのキーボードからテンキーパッドまでの幅広い製品全てに、キーマトリックスのピン数を気にせず対応できますね。
  • コントローラMCUのコアは、QMKファームウェアのinfo.jsonの記述からSTM32L432 (Arm Cortex-M4) です。QMKファームウェアのソースコードはまだベータ(プルリクエスト中)ですがすでに公開されています
  • コントローラのMCUチップは、Bluetooth機能を内部に持ったシングルチップのCYW20730A2KFBG(汎用名 BCM20730)です。このMCUチップが載った端面スルーホール接続の汎用モジュールが使用されています。心臓部が共通化されているんですね。検索してなんとか調べたところこの汎用モジュールは、ITON TechnologyのBT3GMD-B47Pかその後継のようです。データシートが公開されているので空きポートをQMKで自由に制御できる可能性が広がりました(しめたものです、こういうところの柔軟性がKeychronさんは良いですね)。I2CやADCポートもちゃんと引き出されているようです

今回は、一般的ではないかもしれない、自分の知りたい観点でレビューをさせていただきました。

この投稿は自作Lilithキーボード(LilithKbd)を使って書きました。


[2023-08-12] Keychron K11 ProのQMKファームウェアのソースコードの正式版が公開されました。