2022-05-23

iPad ProのmacOSモードは永遠の夢物語か

MacRumorsの記事Apple Patent Suggests Future iPad Could Transform Into macOS-Like Experience When Attached to a Keyboardから

Apple Siliconの登場後、とうとうiPad ProとiPad AirにまでM1チップが搭載されました。

macOS側は、Mac CatalystによってiPadアプリとmacOSアプリのソースコードを共通化できるし、実行環境としてはiOSとiPadOS用のアプリをそのまま実行できるようになっています。

MacBookシリーズが電源と外部ディスプレイとキーボードを接続するとクラムシェルモードになるように、iPad Proもドッキングステーションに繋げたらmacOSモードになったら、とてもスムーズですよね。
これ、見ようによってはSurface Proと同じなのですが、タブレットとしてはiPadOSの方が断然使いやすいので、別物として忘れてよいと思います。

以前のわたしの書き込みでも、MacBook Air(あるいは12インチMacBookの復活版)の新筐体デザインとして、ディスプレイ側にロジックボードを組み込む方式を妄想しました。
そもそも、すでにMacBook AirとiPad Proのロジックボードはほとんど同じサイズなのだし、どちらもファンレス、CPU+メインメモリも共通、SSDストレージオプションも全く品揃えです。

現在のMacBookシリーズで一番嫌いな点は、ディスプレイを最大限開いた時の角度が少なすぎて、とうてい水平にならない点です。
このせいで、外部ディスプレイを接続する時に内蔵ディスプレイがどうしても邪魔をしてしまうので、せっかくのとても使いやすいキーボードとトラックパッドを使うのを泣く泣くあきらめて、外部キーボードと外部トラックパッドで使わざるを得ないことになります。
外部ディスプレイを接続してクラムシェルモードにしてしまうと、せっかくの良質の内蔵のディスプレイ、キーボード、トラックパッドがすべて無駄になってしまいます。
iPad ProにキーボードをつないでmacOSモードで使えるようになるのであれば、一組のキーボードとトラックパッドだけを所有していればよいことになるし、iPad本体もセカンドディスプレイあるいは超大型のタッチバーあるいはペン入力デバイスとしてそのまま活用出来て無駄がありません。

iPadOSにも、マルチウィンドウ操作用の3つのドットが画面上部に出るようになって、もうゴテゴテしてきています。
この際ですから、macOSと共通化してしまった方がすっきりしそうに思います。

2022-05-13

あこがれのエルゴノミックキーボードに触れてみる – Kinesis Freestyle2を手に入れた

Kinesys Freesytle2を導入したわたしのデスクトップ
下図に比べて横幅が節約できています
高さ調整のために一時的にiPhoneを敷いているのはご愛敬
MX Keysでのわたしのデスクトップ
右側は遠いのでトラックパッドは左側

以前、わたしの自宅のデスクでは、フルキーボードのMX Keysと左手置きのMagic Trackpadを使用しているとご紹介しました
左手トラックパッドは十分に慣れたし、上品なキータッチは捨てがたいのですが、MacBookのキーボード+トラックパッド一体型をたまに使って比べてしまうと、まだどうも満足感が低いというか、どことなく操作性に違和感(文字入力とポインタ操作を行き来するのに手の移動が大きいとか)を感じています。
そのむかし、Apple Adjustable keyboard (Mac­Tech­nology Lab.さんの記事) を見た時からエルゴノミックキーボードにはずっと興味があって、いつかチャンスがあれば欲しいと思っていました。

わたしがエルゴノミックキーボードに期待したいことは、

  • 手首が自然な形のまま楽な状態でキー入力できること
  • 通常のキーボードとキー配置の違いが少ないこと
  • なおかつ、出来るだけデスク上の場所を占有しないこと

の3点です。

テンキーレスで横幅が短いLenovo GoのWireless Split Keyboardを去年の夏の発表からじつはずっと待っていたのですが、発売開始される気配が一向にありません。

いろいろ調べていくうちに、一体型のエルゴノミックキーボードよりもずっとコンパクトに収まる「分離型」のキーボードを意識するようになってきました。
でも、メカニカルキーボードには、キータッチ音が大きいことと、全体の分厚さにどうしても違和感がある印象から、候補外にしていました。

そんな中で、唯一、メンブレン方式のキースイッチ(ラップトップが一般的になる以前、デスクトップのキーボードでは主流のキースイッチの方式)を使ったKinesisのFreestyle2が目に入りました。
やってみなけりゃわからない、の精神で、今回実際に手に取ってみることにしました。
入手から半月ほど経った感想です。

  • なつかしいメンブレンのキータッチ。キータッチ音は一般的なメカニカルキーボードに比べると静かなようです
  • 左右分離型なので両手を肩幅に広げた状態で使用できます。通常のキーボードの手の構えはやはり指や手首や肩に負担をかけていることに気付かされます
  • トラックパッドを左右のブロックの間に挟んでおくことができます。こうすると、ホームポジションからあまり移動せずにトラックパッドを操作することができます。親指の付け根での誤タップすることもなくて、ひょっとするとラップトップよりも良い配置なのかもしれません。iPhoneくらいの厚みのスペーサーを下に敷くことでトラックパッドの操作面がキーボードと同じ高さに揃えることができるので更に上下の手の移動距離が少なくなります
  • 薄型キーボードに比べるとキーの高さがどうしてもあります。パームレストを使うのも手ですが、わたしは奥側にラップトップ放熱スタンド(ダイソーの半球状のもの、ダイソーのショップページ参照)をはさんで傾斜させることにしました。こうすることで手首の位置を動かさずに奥側のキーにも指が楽に届くようになりました
  • 汎用のキーボードとしてとても珍しいと思うのですが、左側にCut/Copy/Paste、Browser Back/Forward等の専用キーのブロックが付いてきます。これはかつて、パーソナルコンピュータ登場以前のDTP専用機であるXerox Star(Jobsが見学してMacのアイデアの元になったXerox Altoの直系の商用マシン、晴歩雨描さんの記事)にこれらの専用キーブロックが付いていたのと同じで、とても感慨深いです。中でも特にBrowser Back/Fowardが手軽で重宝しています
  • Kinesis Freestyle2にはWindows PC版Mac版があるのですが後者を選びました。Windows PCとMacの両方でF1~F12と左側の専用キーをフルに使用したかったからです。Mac版の専用キーは例えばCopyはWin+Cのキーコードを出すのでWindowsではこれをPower ToysのKeyboard ManagerでCtrl+Cに置き換えて使います(Win+Cは使わないのでこれでOK、逆にWin版でCtrl+Cの置き換えだとMacのターミナルで支障が出る)。Windows 10ではWin+Cはコルタナ呼び出しなのですが、ログイン後3回ほどCopyキーを空打ちしてコルタナをキャンセルするとそれ以降はCtrl+Cが効くようになるという、ちょっと変なコツで回避することができました

以下、マニュアル等に書いていないFreestyle2の注意点です。

  • このキーボードでは、Fnキーが、他のキーと同時押しで機能するシフトではなくて、Fnモード(青色刻印)をON/OFFするトグルになっています。その上なぜかFnモードでは左の専用キーブロックのキーがすべてShiftのキーコードしか出さないというちょっと癖のある仕様になっています。このために左ブロックとIMEでよく使う上段のFxキーが両立出来なくてFnモードを意識して使う必要があります。仕方ないので上段のFxキーのメディアコントロールを逆にFxキーに置き換えてしのいでいます(Power Toysで例えばVolUpをF10に置き換え、VolUp自体はAlt+F10に、なぜかRev/F5、Play/F6、Fwd/F7の3つのFxキーの置き換えは出来ず)。
  • 右上端のDelの隣キーがSleep/Wakeで、うっかり押すとWindows PCもMacもスリープしてしまい、作業中断させられます。うっかり押してしまわないように気を遣います
  • メンブレンのキータッチは私にとっては懐かしい面もあるのですが、現代的な薄型キーに慣れた体からすると、キーストロークが深すぎますね
  • Freestyel2はMac版のみUSBポートがボーナスで付いてきます。ただしMagic Trackpadを接続しても電力不足の警告が出てで動かず、ケーブルの削減には貢献できませんでした

こうして、わたしも、とうとう「キーボード沼」への一歩を踏み出してしまったかもしれません。