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2023-10-15

eSIMの契約は全てオンラインでできるけれど、格安SIMでの注意点:iPhoneはディアルSIMでも1つのみ、また古いAPN設定を確実に消してから新しいAPNを読み込むのがコツ

先日、スマホの格安SIM契約を切り替えたのですが、すこしハマってつまずいてしまったので、記録しておきます。

  • 従来の契約:
    b-mobileおかわりSIM 5段階定額データ専用
    b-mobile(日本通信)は最初期のMVNOです。
    長い歴史の中で何度かプランや料金体系の更新がありました。
    現在は1GBまで500円〜5GBまで1,500円の1GBごと250円の段階料金になっています。
    残念ながらこのプラン自体の新規契約は今はできません。
    こちら、解約せずXREALと連携するAndroidか何か用にキープするかどうか悩み中です(下記をさらに追加したほうが安いのにこれを書いていて気付きましたが)。
  • 新しい契約:
    日本通信SIMの合理的シンプル290プラン
    日本通信は現在、b-mobileと「日本通信SIM」のダブルブランドでMVNOを提供しています。
    こちらのプランは通話とSMSも可能で、通信1GBまで290円、1GBごと220円の段階料金(MAX 100GBまで制限設定可能)、通話は従量制で11円/30秒とこちらもお得な部類で、別途通話定額オプションもあります。
    今回はeSIMを選択しました。

今回、なぜiPhoneのモバイル契約をデータ専用からアップグレードしたかと言いますと、色々なサービスでSMS認証が増えてきて不便になってきたことと、あわよくばLINEの年齢認証も有効に(こちらは調査不足で失敗、LINE年齢認証に対応する格安SIMはかなり限定的なのを後で知りました)したかったからです。

eSIMの契約は、思い立ってから1時間くらいで簡単に完了しました。
モバイル回線利用のための、eSIMの発行や、MNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティのワンストップサービス)が自宅ですぐにできてしまうとは、良い時代になったものです。
本人確認も、マイナンバーカードをアプリから読み込んで、免許書の写真を送ったりの手間なしでスムーズでした(はじめて、マイナンバーカードのありがたみを感じられた瞬間でした)。

しかしながら本来はこの後(大手3社の直接回線契約以外のahamo、povo、LINEMO等も含む格安SIMでは)APN設定が不可欠です。
わたしの場合、従来のb-mobileのAPNだけが設定されている状態に、日本通信SIMのAPN設定されている状態に切り替えないといけないのですが、最初はこのことを忘れていました。
すでにiPhoneのアンテナ表示は2段表示に切り替わっていて、SIMとeSIMの両方が有効になって電波を掴んでいるのですが、どうやっても従来のb-mobileでしかデータ通信ができないと悩んでしまいました。
なお、音声通話は問題なく使える状態です。 

じつに数日後、APN設定が必要なことを思い出し、日本通信SIMのAPNを上書き設定したのですが、こんどはモバイル通信が全くできなくなってしまいました。
iPhoneを再起動しても、何度APN読み込みをやってもダメで、諦めかけた中、ふと、APNを消して何もない状態状態で読み込ませればと思いやってみて、なんとか成功しました。

また、iPhoneではAPN設定は1件しか登録できず(新しいのを読み込むと以前のAPN設定がなくなる、ただし前述のようにきれいに消してから新たに読み込むのが無難)、eSIMを含めSIMが2枚有効になっていても、データ通信では有効活用できない事もわかりました。
ちなみにAndroidではAPN設定は手作業でパラメータを手作業で設定する面倒さはあるのですが、複数個の設定ができるようです。

実は並行して、もう1台のiPhoneを母親用に新規購入して設定したのですが、こちらは、MNPの予約番号発行は電話にて(ガラケーでi-modeすら無効だったので)完了、eSIMの発行は自分のiPhoneのインターネット共有でWi-Fiを有効にしてこちらも完了、APN設定も完了と、自宅で全てスムーズにスッキリ無事に行えました。

まとめ:

  • モバイル回線の契約はすべて自宅でできる。eSIMの発行とMNP移行もすべてオンライン化されている。本人確認もマイナンバーカードを使う方式ならオンラインで瞬時。
  • 格安SIMおよび大手3社の格安サブブランドではデータ通信のためのAPN設定が必要。
  • iPhoneで物理SIMとeSIMの2枚差しにしても、格安SIMの場合はAPNが一つしか設定できないのでデータ通信では片側しか活用できない(音声の2回線化は可能)。AndroidはAPNを複数定義できる。
  • iPhoneでAPN設定を行う場合は、古いものを消してから新しく読み込んだほうがトラブルが少なそう。
  • LINEで年齢認証に対応した格安SIMはかなり限定的(SMS対応か、音声対応かの契約とは関係ない)

 [2023-10-31] スマホを修理してeSIMが消えてしまった場合や、機種変でeSIM転送がうまくいかない場合には、手数料を支払ってeSIMを再発行してもらえる。ただし、機種変の時、あるいは過去に機種変で転送したeSIMのときはEIDに注意、との体験談がTwitterに出ていました(Twtter @Takashi Yamamshitaさん ahamoのeSIMというか、ドコモのeSIMが難しすぎた)。
やってみないと気付かない依存性(SMS認証や、EIDや、修理でeSIMが消える)があって、まだ人類には少し早すぎる、って感じなのかもしれません。

2022-10-03

iPhone 14 ProのDynamic Islandはノッチよりもすこし下にはみ出でているけれど、アプリの表示エリアが狭くなる心配はない

iPhone 14 Proでハードウェアとソフトウェアを融合した新しいユーザインターフェースの「Dynamic Island」が追加されました。
このためだけにiPhone 14 Proを買ってみたくなるような機能です。

iPhone X~iPhone 14のノッチと比べて、よくよく見てみると、Dynamic Islandの方が文字半分くらい下に下がってはみ出していることに気付きました。

もしかして、このせいでアプリの表示エリア(セーフエリア)が狭くなるのではと、はげしく心配になりました。
細かく調べてみると、下記のように、よく練られていて、大丈夫なことが分かりました。

  • iPhone 14 ProはiPhone 14に比べてボディーサイズがほんの少し長くなっています(0.8mm)。
  • さらに、ガラス面のベゼル幅はおそらく同じですが、ボディー側面パーツの厚みが写真でもわかるくらい、約0.5mm薄くなっています(ボディー側面の材質はProがステンレス、無印がアルミ)。
  • この合計1.3mmだけ、Proの方がディスプレイの縦方向が長くなっています。
  • これは、ちょうどDynamic Islandとノッチの高さの差を吸収する、うまい具合のサイズになっています。

こんなところにまでこだわって、パンチホールに変更による影響を払拭し、さらにDynamic Islandという新しい機能で、必要悪で邪魔者にされてきたフロントカメラを意味のある楽しいもの(さらに欲しくなるもの)にしてしまえるなんて、久々にAppleマジックを見たような気がします。
これもハードウェアとソフトウェアの両方を開発しているからこそできることですね。

ところで、私の記憶が確かなら、iPhone Xでは、ノッチをいじって表示を変化させたり、ノッチを隠すようにステータスバーだけを黒くしたりなど、ノッチをいじくる、厳禁だと言われていたと思います。
いま考えると、中途半端に、ノッチを邪魔なものとしてネガティブに扱うのを避けるポリシーだったのではと思います。
Dynamic Islandによって、フロントカメラ回りを、ポジティブに活用できるようになって初めて、これが解禁されたのだと思います。

来年のiPhone 15ではノッチにもDynamic Islandのような動きが与えられるかもしれません(あるいは一気に全機種がDynamic Islandになってしまうのでしょうか)。
iPad Proの方はと言えば、ベゼルにカメラがうまく収められていますし、カジュアルな使い方のiPhoneよりも落ち着いて使う使い方が主体ですし、さらにマルチウィンドウもできるようになるので(Stage Managerがある)、Dynamic Islandのような派手な通知機能は採用されないだろうと思います。
さらに、M2/M3世代のMacBookではどうなるのでしょう(センターに通知が表示されても画面が広いので視認性が良くないですね)。

[2022-10-06] Dynamic Islandを備えたiPhone 14 Proは、第二世代のiPhone Xと言えますね。

2022-09-06

9月のApple Eventでの発表はiPhoneだけ?

9月のApple Eventまであと一日になりました。

今回の発表も例年にならって、iPhoneとApple One関連だけなのでしょうか。
iPhoneにしても、あっと驚くような進化の持ち駒はまだあるのでしょうか。

Mac Proはやはり来月までお預け?
全く新しい、VRデバイスや、Car関連は?
なにで、なにを、「超えよう」と言っているのでしょうか?
iPhone 14でiPhone 13を超えるだけ、ってことは流石にないですよね?

春のWWDCで発表されたiOS 16はまだリリースされていませんし、
そんなに急いで詰め込むメリットは特にないので、それでいいんですが、
Apple Siliconへの完全移行を出来るだけ早く見てみたいのもファンの心理なんですよね。

2020-10-17

iPhone 12シリーズのサイズはどれくらいか、過去の"多様な"サイズのiPhoneから想像してみるとわかりやすいかも

12 Pro Max, 12, 12 mini, 8 Plus, 11 Pro Max, 11 (=XR), 11 Pro (=XS, X)
12 Pro Max, 12, 12 mini, 8 (=SE 2nd), SE 1st (=5, 4), 11 Pro (=XS, X)

iPhone 12シリーズのサイズは3種類、4機種で発表されました。
小さいiPhone 12 minは全く新しいサイズ、大きい方も新しいディスプレイテクノロジなので11とはまた違うサイズバリエーションになっています。
そこで、いつものように写真でサイズ比較をやってみました。

まずは、大きい方です。

  • iPhone 12 Pro Maxは、過去最大サイズだったiPhone 11 Pro Max/XS Max、これとほぼ同じボディーサイズだったiPhone 8/7/6/6s Plusたちよりもさらに大型化しています。まさにMaxな画面サイズです。そのくせ厚みはiPhone 11 Proよりも薄くなっています。
  • iPhone 12 Proと12は、iPhone 11/XRと同じディスプレイインチで、ベゼルが細くなった分だけ小さくなっています。iPhone 11 Pro/XS/Xと比べると逆に多少大きくなっています。なので、iPhone 11 Proと11のちょうど間のボディーサイズと言えます。

小さい方は、というと、

  • iPhone 12 miniは、iPhone SE第一世代(つまりiPhone 5s/5/4)とiPhone SE第二世代(iPhone 8/7/6s/6)の間のサイズです。そうなんです、iPhone SE第二世代や8よりもグッと小さいんです。Face IDになったので画面サイズは当然どちらよりも大きく、Plusとほぼ同じです(インチサイズが2%の違い、ピクセル数は断然多い)。

こうやっていろいろ並べると、なんとか大きさをイメージできそうですね。
それにしてもまた画面サイズのバリエーションが増えてしまうのですね。

2020-09-28

iPhoneやiPadでBluetoothヘッドフォンやUSB-C経由ヘッドフォンの最低音量が大きすぎる時は、サウンドの「大きな音を抑える」で調整できる

iPhoneでの「大きな音を抑える」設定
iPadでの「大きな音を抑える」設定
BluetoothヘッドフォンやUSB-Cアダプタ経由でヘッドフォンを使用する場合に、最低音量が大きすぎて使用に耐えないというケースがamazonのレビュー等で良く聞かれます。
互換性の問題としてそのヘッドフォンやアダプタの使用をあきらめてしまう、あるいは追加でアナログのボリュームを挟むで使うのは、エンジニアとしてはあまりにも残念です。

次の方法で、大きすぎる最低音量を調節することができます。

  1. iPhoneまたはiPadの設定アプリを開く
  2. メニューの大きな2つ目のグループにある「サウンド」を選ぶ(iPhoneの新しめの機種の場合は「サウンドと触覚」を選ぶ)
  3. ヘッドフォンオーディオのグループにある「大きな音を抑える」を選ぶ
  4. 「大きな音を抑える」のスイッチをON(緑色)にする
  5. ヘッドフォンを最低音量の状態にして、ここのスライダーを好みの音量に調整する

ようするに「大きな音を抑える」機能がヘッドフォンのマスターボリュームのように働いて、最大音量と最低音量を好みのレベルに調整することができるのです。

この方法は、ほとんどのアプリで有効ですが、ごくごく一部のアプリ(私が試した中ではradikoのみ)では効きませんでした(おそらくオーディオの扱いが古いiOSの方式)。


別の簡易的な方法、ただし音量を絞り切れずに十分ではない:
じつは、この「大きな音を抑える」機能に気付くまでは、音量ボタンで最低音量(無音から、1回音量アップボタンを押した状態)よりも音量を下げる方法として、

  • 画面上の音量スライダーで、無音までの間のさらに細かい位置に調整

すれば多少は可能な事に気づいていました。
それでも音量が絞り切れなくて満足できず、さらにあれこれやっている中で今回の「大きな音を抑える」を見つけることができました。


以下は、この件の背景に関するうんちく話:
最初iPodに、その後iPhoneでもそのまま引き継がれた3.5mmヘッドフォンジャックは次の2点をAppleが独自に拡張したものでした。
ひとつめはオーディオ出力とオーディオ入力の両対応の4pin仕様、それと、音量や早送り、電話着信などのコントロール信号への対応です(iPodのクリックホイールの機能の一部をヘッドフォンのボタンで実行可能に)。
この仕様はすぐに業界のデファクトスタンダードになりました。

iPhone 7で3.5mmヘッドフォンジャックが廃止されました。
しかしながら、Lightning - 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタやその互換製品を使えば従来のヘッドフォンが完全に使用できますし、最近のiPhoneに付属しているLightningコネクタ付きのEarPodsを使用することもできます。
なぜならLightningポートはApple独自のコネクタ規格で、従来の3.5mmヘッドフォンジャックのアナログ信号や、コントロールスイッチの信号をサポートしていいます。
3.5mmヘッドフォンジャックがないiPhone/iPadではLightningコネクタを3.5mmに変換し使用するのが最も互換性の高い接続方式です。

次に出てきたのがBluetooth接続のヘッドフォンおよびヘッドセットです。
これらもAppleの3.5mm規格の機能(音声とコントロール)の一部を模して使用できるようになっています。
しかしながらBluetoothヘッドフォンの仕様はよりオープンな仕様のため、音声信号の伝送方式(AACやAptX)やコントロール信号での互換性に問題が出ることがあります。
その最たるものが、音量のセッティングで、Buletoothでのいわゆる最低音量が大きすぎる問題です。

さらに時が進んで、Face ID付きiPad Proと、ホームボタン無しで電源ボタンにTouch IDを組み込んだiPad Air 2020では、インターフェースポートがUSB 3.1 Gen2 USB-Cのみになりました。
USB-CではLightningのようなApple独自拡張はありません。
ヘッドフォンを接続するには、USB-Cから3.5mmアナログへのアダプタを使用しますが、これはUSB接続の単なるデジタルオーディオデバイス機器としての接続になります。
なので、音量調整も、Siri起動も、着信応答もできず、すべて本体側の機能を使用する必要があります。
ここでもBluetoothの場合と同様に、最低音量が大きすぎる問題が発生します。


このBluetoothとUSB-Cでの音量に関する互換性問題の解決策が、今回ご紹介した、サウンドの「大きな音を抑える」をマスターボリュームとして使用する方法です。

この解決策、気付いてしまえばなるほど納得の方法かと思いますが、いかがでしょうか。
最近のアプリ(特にスマホの一般ユーザ向けアプリ)では、全機能があらかじめ説明されていなくて、触ればわかる、触って判れ、の風潮があるように思います。
今回のようなあるものと別のものを組み合わせた場合については特別だとしても、ソフトウェアとしてそれでよいのかは悩ましいところだと思います。

2019-09-15

iPhone 11の青色ブルーカラーは、Iveに捧げられた?

今回のApple Special Eventの招待状は、緑色、青色、黄色、赤色、紫色の5色なので、普及版のiPhone 11は白色と黒色を合わせて7色になるはずだったのですが、青色がありませんね。

初代iMacのボンダイブルーをしのんで、Iveに捧げる、という意味でしょうか。

2019-09-11

iPhone 11の背面の一体のガラスユニボディーがすごい

iPhone 11が発表されました。
事前リーク通り、四角の枠の中に2つないし3つのカメラを収めるデザインです。
四角い枠は単純にカメラの出っ張りをなくすためのものだと思ってたのですが、カメラがさらに出っ張っているのには少し驚きました。

そのうえ、背面のガラスは、出っ張り部分も含めて一体成型というか一体の素材になっているではありませんか。
さらに、iPhone 11 Proでは平面部分につや消しの表面加工が施されています(これはGoogle Pixel 3のつやありとつや消しのツートンの影響が大きいと思います)。

アルミニウムであれば、削ってユニボディーに成型するのはそれほど難しくはないと思いますが、強化ガラスでそんなことが出来るのでしょうか。
おそらく、初期のiPodの背面ステンレスのように、磨き加工も加わっているのでしょう。
Google Pilxelを含む他社が、真似をするのを断念してしまうような、とても手間のかかった仕上げだと思います。

どうしても奥行きが必要になる高性能なカメラをいかに納めて、さらにデザインアイコンにしてしまう、Apple Designの優れたセンスが感じられる仕上げです。
現物に触るのが楽しみです(おそらくバランス的にPro Maxが欲しくなるように出来ていることでしょう)。

2018-10-30

iPhone XRの在庫は未だ不足がち、Apple Special Eventの直前ですが

Apple Special Event NY 2018の直前ですが、軽い話を一つ。

iPhone XRの在庫が復活する前にApple Onlineストアは準備中になりました。

家電量販店で、iPhone XRのカラバリを実際に見ようと今日何軒か回ってみたのですが、ホワイトとブラックと、たまにプロダクトレッド、まれにブルーがあるだけでした。
Appleストアにはさすがにあるのでしょうが、そこまでは足を延ばせませんでした。
店頭在庫も、ホワイトとブラックの一部のみ、やはり人気機種であることには違いはないようです。
そういえばGoogle Pixel 3/3 XLは未だ発売開始していないんですね。

さて、今日は何が発表されるのでしょう。
ものすごく欲しくなるiPadが即発売開始になって、お小遣いが借金になるような事態になったら、うれしいやら悲しいやらですね。

[2019-03-19] 記録として、
2018-10-30発表:Face ID搭載のiPad Pro 11、iPad Pro 12、第2世代のApple Pencil。MacBook Air 2018、Mac mini 2018。
2018-09-12発表:iPhone XS、XS Max、XR。画面が大きくなったApple Watch Series 4。

2018-10-21

iPhone X世代の画面サイズの決め方は既存との統一感がとれていてアプリ開発者にとって非常に優しい

iPhone XRは6.1インチで今までにない新しいディスプレイサイズです。

実際にwebサイトやアプリがどのように表示されるのかは、DPIとRetina比に従ってiOSが制御します。
最初のiPhoneやiPadはRetinaディスプレイではなくて、これらがiOSでの画面表示の基準になっています。
Retinaディスプレイでも非Retinaでも、文字やイメージは同じ大きさで表示され、Retinaではより滑らかにきれいに表示されます。
Retinaディスプレイになっても、意味なく極端に縮小して表示されるようなことがないのは、Retina比に従ってOSレベルでスケーリングをきちんとしているからです。
なお、物理的な画面のドットはPixel、あるべきサイズにスケーリングした後の仮想的なドットはPointと呼ばれます。

図の左側が主なiOSデバイスの物理的な画面サイズの比較、右側がPoint数でのサイズ比較です。

左の物理比較では8種類の違うまちまちのディスプレイサイズになっていますが、右のPoint数でみると、縦は6種類、横幅は4種類に集約されています。
iPhone X世代で新たに3種類のディスプレイサイズ(5.8/6.1/6.5インチ)が出てきましたが、X/XSは6/7/8に縦方向だけを追加、XS MaxはPlusに縦方向だけを追加(横は同じで16:9から19.5:9へ)という、とても整合性のある設計になっていることがわかります。
画面サイズのバリエーションはできるだけ少ない方が、アプリ開発者にとっては都合がよいです。

面白いことに、XS MaxとXRは、Pixel数も画面サイズも違うのですが、Retina比が@3と@2になっていることで、ぴったり同じPoint数になるように設計されています。

なお、図ではiPadも載せましたが、XS Max/XRのPoint数で見た表示エリアのサイズは、横は54%と半分強ですが、縦はなんと88%にまで迫っています。
iPadじゃないと見にくかったコンテンツが、XS Max/XRで見やすくうまく表示できるものが増えてくると思います(iPadでしかできなかったカラム表示がXS Maxでできるのはその先例)。

蛇足ですが、PlusだけRetina比が整数でないのは、画面サイズを4.7インチから5.5インチにアップし同時にDPIを326DPIから401DPIに細かくしようとした時に、Retina比が整数になるようなちょうど良い液晶デバイスがなかったための苦肉の策と思われます(DPIのアップはPlusのインパクトのためには譲れなかった)。
6/7/8はRetina比@2で、Plusは@2.608 = 3/1.15です。
X/XS/XS MaxではOLEDで解像度が更に上がって458DPIになることできれいに@3となり、この課題を見事に回収しています。
この件、じつはAppleがOLEDのXS Maxのリリースの4年前からにらんでいて、このサイズで待ち構えていたのかもしれないですね。

2018-10-20

iPhone XRを頑張って予約したけれども今回は意外と在庫潤沢かな

昨日10月19日から予約が始まったiPhone XRですが、私も16:05くらいに無事予約完了しました。
色はいろいろ考えたのですが、ぶつけたりして削れて塗装がはがれても大丈夫なホワイトにしました。

頑張ってアプリから予約しましたが、あとで見てみると、今回はものすごく在庫潤沢なようです。
一日経ってもカラフルな色の人気容量が納期1~2週間に延びているだけで、128GBモデルはどの色でも10/26当日受取可能な状態です。
iPhone XやiPhone XSとはずいぶん状況が違います(そういえばiPhone XSも発売当日に家電量販店の店頭在庫残があるようでした)。
さすがに爆発的人気集中の状況からは落ち着いてきたのか、はたまた需要予測(需給計画)がうまくいっているのか。
あとは発売当日の行列がもう一つの指標になりますね。

現物を一切見ずに予約したのは今回が初めてです。
宅配屋さんの営業所受取にしたら、もしかしたら世界最速で受け取れるのかな。

[2018-10-23] 火曜日になって全カラー全モデルが1~2週間待ちに変わったようです。
同時に各誌の発売前レビューが解禁になりました。
それよりも10月30日のiPad/Macが発表されるであろうスペシャルイベントの方が気になります。
iPhone、iPad、Macの3つを買いたくなるようなワクワクする事態になったらどうでしょうね。

2018-10-13

iPhone XはAppleのX世代の最後のピース

Macは、最初期のMacintoshのMotorola 68000系のCPUから、PowerPCの世代へ移り、ボンダイブルーでトランスルーセントのiMacが出て、その後Intel CPUになることにより、OSがOS X(今はmacOSと呼ばれている)となりました。

iPhone/iPad/iPod touchのOSはOS Xとほとんどの部分を共有して作成され、最初はiPhone OSと呼ばれ、現在はiOS、iOSからさらに派生して、tvOS、watchOSができています。

iPhoneデバイスは、前面が全面ガラス、上下等幅のベゼルと、丸いホームボタンが唯一共通のデザインでした。
そして、去年のiPhone Xで四辺狭ベゼルでノッチ有りの新しいデザインに変革しました。

これによって、MacもiOSデバイスも、OSも含めて、すべてX世代に切り替わったことになります。
このX世代のデバイスはIntel Mac、iPhone X、そしてX世代のOSは共通設計のOS X (iOS、macOS含む)です。

では、X世代の一つ前は、i世代と呼ぶのが良さそうですね(オリジナルのiMac/iBook、従来からのiPhone/iPad/iPod)。


蛇足ですが先日、QuickTime 7のサポートが終了したと聞いて、もしかしてQuickTime全体がなくなるのかと心配したのですが、QuickTime Xという新世代のものに置き換わっていたんですね。
こちら面白いことに、古いMac OSから引き継いだQuickTime 7をいったん捨てて、iOS用に新たに設計しなおしたものをmacOSに逆移植したのがQuickTime Xとのことです。


Macのハードウェアに関しては、iMac Proと最新のMacBook ProのIntel CPU+T2チップが新しいX世代のMacなのかもしれませんし、もしかしたらArmベースのApple Axxチップの新しいMacデバイスが控えているのかもしれません。


(そういえば1年前にも同じようなことを書いていました;iPhone XはデバイスのX世代へ遷移、Mac OSからMac OS Xへのように 2017-09-14)

2018-10-12

初代iPhoneの全面ガラスのデザインがスマホの基本スタイルに

旧来は、液晶画面を機器に組み込むとき、液晶にキズが付きにくいように、周りの枠から一段下げて液晶を配置していたと思います。
テレビや電卓など昔は大体そうなっていましたし、強化ガラスのタッチパネルではないノートPCは現在でもそうです。

この常識的なデザインを変えたのが初代iPhoneです(と思います)。
一見壊れやすいガラス素材でデバイスの正面の全体を面一(ツライチ)で覆っています。
段差を極限までなくすフラッシュサーフェスではなくて、本当の単一面です。
液晶と周りのベゼルが一体で、さらに液晶がタッチパネルになっているiPhoneをアメリカで当時初めて見たときには、こんなものが本当に作れるんだ、と感じました。

単にスマートな電話と言うだけではなく、完全にすらっとした全面画面のスタイルを確立し、持ってみたい、使ってみたいデバイスの魅力を付与しています。
現在のiPhoneにも、他社にも、すべてのスマホにこのデザインが引き継がれています。

アイコンとなったひとつのデザインが業界全体に長く引き継がれた、歴史に残る設計ではないでしょうか。

更にiPhone 4/8/Xと最新のGoogle Pixel 3は両面ガラスになっていますが、持ち歩くスマホでこれが本当に良いのかどうかは、今後の歴史が決めていくのだと思います。

[2019-06-30] 初出時、外出先からMSWordで投稿したので太ったhtmlになっていたのを修正。

2018-10-10

Google Pixel 3とPixel SlateがAppleの値付けの正当性を証明してしまった

madebyGoogle2018での発表も事前リークの通りでした。

しかしながら、Pixel 3が$799から、と言うのは、Apple iPhone XシリーズのXR、XS、XS Maxの価格 $749、$999、$1099が高い高いと言われていたのを、敵ながら、見事に正当化してしまいました(本当はXʀ、Xꜱ、Xꜱ Maxと書きたい)。

GoogleとAppleで、多少の味付けの違いがあるにせよ、ほぼ同じ性能・技術の最新スマホが、ほぼ同じ価格帯と言うことは、あながちiPhone Xも現在の技術水準として適正価格ということになります。

また、日本発売未定のPixel SlateはまるでiPad Proのようです。
スマホOSがPCに迫っていく流れを確実に加速したと思います。


これ以外に、わたしが個別の製品で気になった点、
  • Pixel 3/3 XLはインカメラを標準+広角のデュアルレンズにしたのはアイデアモノですね。
    自撮りで一人は撮れても、カップルやグループが撮りにくいというのはずっと感じていたフラストレーションでしたね。
    望遠ズームではなくて広角ズームいいですね。
  • Pixel 3 XLがノッチ付きなのは、ボディーサイズをこれ以上大きくしたくない意思の表れですね。
  • AIを使ったHDRはAppleとかなり違った結果になるようです。
    ともあれ「スマートカメラ」ですね。
  • Googleは生体認証は現状は指紋のみで進めるようですね。
    Pixel Slateも指紋認証ですね。
  • 時系列の前後ショットや深度情報の入った容量の大きくなる写真データが、いくら無制限に保存できるといっても、私個人的にはGoogleには預けるのは抵抗があります。

  •  Pixel Slateも倍速リフレッシュのディスプレイになりました。
    きっちりスペックではAppleをフォローしてきています。
  • Google Appsは使いこんでいる人にはもう標準ツールなのでしょうね。
    タブレットサイズでやっとPCのようにちゃんと使えるし、タッチパネルUI対応も今回したのでしょうか。
  • Pixel Slateは $599~$1,599 の4機種と、PCのように幅広いグレードで出してくるんですね。

  • Google Home Hubは、スマートスピーカーが音声入力・音声出力のみ、なのに比べてしっかりした画面があって、とても使いやすそうです。
    入力が音声でできるのは良かったのですが、結果が音声だけだとどうしてもできることが限られますよね。
    こちらもChrome OSベースと言うことで、開発が今まで以上に捗りそうですね。

2018-09-15

スマホのカメラは、まさにスマートカメラ

スマホに押されてデジカメや腕時計が使われにくくなって久しいです。
デジカメに比べてとても小さなレンズなのに、画像処理や、最新機種ではAI処理でより自然な、場合によっては映画のワンシーンのような絵作りができてしまいます。
iPhone Xs/Xʀ (iPhone XS/XR)ではSmart HDR、Bokeh and Depth Control、 Portrait Lighting(スマートHDR、ぼかし、撮影後の深度コントロール、ポートレートライティング)が搭載されています。

かつて、スマホ(スマートフォン)が携帯電話(セルラーホン)にとってかわったように、コンパクトデジカメよりもキレイに撮れるスマホは、「スマートカメラ」という新しい称号を与えられてもよさそうですね。


今回、サムスンのtwitter広告「Smart cameras take better photos. Introducing the revolutionary intelligent camera on the #GalaxyNote9.」がヒントになりました( https://twitter.com/SamsungMobileUS/status/1037455299806994433 )。

より強力なCPUを積んでいても、PCのカメラ機能は、スマホの専用アプリ・専用ハードウェアにはかないようがないですね。
カメラ機能は、やはりスマホの独壇場です。

(それと、スマート的ではなくて物理的な部分ですが、iPhone Xs/Xʀ のビデオ録画で、やっとStereo Recordingができるようになります。)

(InstagramとTwitterの #shotoniphone も盛況ですね。 https://www.instagram.com/explore/tags/shotoniphone/ https://twitter.com/search?q=%23shotoniphone

2018-09-13

iPhone Xʀ (iPhone XR) はどの色も良くて決められない

iPhone Xʀのカラーラインアップは、優劣つけがたくて、どれを選ぶか永遠に悩みそう。
決定打となる色がないというか、どの色もいい色ですね。
絶対これ、と言う最高の色がない代わりに、どの色も同じくらい良い、という色が選ばれていると思います。
ゴールドとピンクゴールドが微妙に避けられているというか、近い色合いが選ばれているところもにくいです。
白と黒も、シルバーとスペースグレーではなくて、5c以来のホワイトと、最近では7にしかなかったブラックです(もっとさかのぼるとガラス素材の4S/4、ポリカーボネートの3GS/3Gの世代はホワイトとブラックの2色でした)。
実機を見たらまた悩みが深くなったりして。

ところで、XʀのRは、
  • Unicode UTF-8では16進数で ca 80
  • Unicode UCS-2では U+0280、HTMLで ʀ または ʀ (HTML入力で確認 ʀ または ʀ 、でもHTMLエディタがUnicodeに変換してしまうようです)
  • Appleのページでは <span>X<span "class=font-variant-caps:all-small-caps;">R</span></span> となっています
  • 別の書き方をすれば、小文字のrを使って <span>X<span "class=font-variant-caps:small-caps;">r</span></span> なのですが、これだとテキストとしてコピペしたときに Xr となるので、それは避けたかったんでしょうね
ですね。
今時のOSだとUnicodeが扱えるので Xʀ をそのままいろいろなところでコピペしてもほぼ大丈夫ですね。
検索エンジンのことを考えるとiPhone XRと書いた方が良いのかもしれませんね。

2018-09-09

次期iPadのベゼルレス化(狭ベゼル)かつノッチレス化は可能だろうか

ベゼルレス(狭ベゼル)でノッチ有りのiPhone Xが発表された直後に、次期iPad同様の設計に変わるのではと言う噂が当然のように出てきていました。
さて一体、次期iPadではノッチは有りになるのでしょうか、無しになるのでしょうか。

デザインの共通化から考えると、ノッチ有りの方が自然だと思います。
でも、設計上可能なのであれば、ノッチは無い方が良いですよね。
先月、iOS 12ベータファームウェアの中から、ノッチレスiPadのようなアイコンが発見されました(参考: https://9to5mac.com/2018/08/01/ios-12-beta-5-bezel-less-ipad-glyph-leak/)。
ノッチレスの方が俄然優勢になってきました。

iPhone Xではできなかったノッチレス化が次期iPadでは果たして可能なのでしょうか。
私自身も去年の10月(過去記事:iPhone Xのベゼルはそれほど細いわけではなさそうだけれど)に考察してみたのですが、

  • iPhone Xのノッチの幅は9mm
  • iPhone Xのベゼル幅は4mm
  • iPad Pro 10.5の左右のベゼル幅は7mm(今回調査)

です。
次期iPadのベゼル幅を、現行の左右のベゼル幅よりも広いベゼルにすることはまずないでしょう。あと2mmは、カメラセンサーの改善や、部品の配置、それとこれも噂ですが、筐体のエッジをiPhone SEのように垂直にすれば部品を詰め込むスペースがある程度稼げますね。

また、ノッチレスの大きなメリットとして、ディスプレイの形が切り欠きの無い素直な長方形にキープできるので、従来の液晶ディスプレイ部品をそのまま使えることもあります。
ベゼル幅が7mmなら、ディスプレイのコーナーも直角のままでも大丈夫です。

それと、無理難題を言うとすれば、iPhone XのFace IDは縦位置でしか使えませんが、iPadの表示はもともと横向き、上下逆向きにも対応しています。
次期iPadで、Face IDがどの向きでも働くようにどうやって解決できるか(長辺にも必要なセンサーを取り付けるとか、そもそもセンサーを中央上部に集中して配置しないとか)も興味があるところです。

今週はiPadが発表されるかどうかはわかりませんが、発表まで楽しみに待つことにしましょう。

[2018-10-13] 10月最終週または11月に発表されるのではと言われはじめています。
あらためて、まとめるとポイントは以下ですね。

  • ベゼル幅が上下左右同じになるのは絶対守られるはず。ノッチレスで納めるとして何ミリのベゼルになるか。
  • 縦でも横でもFace IDが使えるようになるか。
  • ディスプレイの角は丸いのか直角なのか(アイコンだと直角にも見える)。
  • ノッチレスになると、どこにカメラがあるのか逆にわかりにくくならないか。従来通りの白色ベゼルも許してカメラの位置をあえて分かりやすくするとか。

[2021-09-26] 遅い答え合わせですが、
iPad/iPad Proのベゼルレスモデルはノッチレスで、4辺とも約9mmで統一になっています。
これはFace IDのiPad Proでも、パワーボタンTouch ID搭載のiPad AirやiPad miniでも共通です。

2018-08-26

iPhoneのベゼルレスデザイン(狭ベゼルデザイン)はやはり正義

あと数週間でAppleの2018年の新デバイス(iPhone、Apple Watch、iPad、MacそれにiPod touchも忘れずに)が発表されようとしています。

去年発売されたiPhone Xのベゼルレスデザイン(狭ベゼルデザイン)は、やはり見れば見るほどうっとりします。

デバイスの正面に全く無駄なスペースがないというのは美しい・カッコいい以上にとても理にかなっています。
以前は上下の辺の余白が均等でしたが、ベゼルレスデザインでは4辺が均等です(ノッチは4辺均等化のためにはかえってよい発想)。
他社もどんどん真似しています。
最初のiPhoneでのスクリーンキーボードが革新を起こして、その後標準になったように、ベゼルレスデザインもスマホの新たなスタンダードになるのではないでしょうか。

さて今年のモデルはすべてベゼルレスデザイン(4辺均等ベゼル)になるのでしょうか。
iPadはどうなるのでしょうか。
iPod touchもお忘れなく(せめてARKitが動くように)。

2017-10-19

iPhone Xのベゼルはそれほど細い訳ではなさそうだけれど

iPhone X(iPhone 8とベゼル幅を比較)、iPhone8、Galaxy S8
iPhone X、待ち遠しいですね。

「すべてがスクリーン」のiPhone Xですが、よくよく見てみると、ベゼル幅が必ずしも細くないことに気づきます。
試しに、iPhone 8の横のベゼルと比べてみると、ぴったり同じでした。

上下のベゼルも幅が揃っているのでデザイン的に統一されてはいますが、既存のiPhoneと同じベゼル幅と言うことは、デバイスの端からかなりの幅(4mmくらい?)があるのが実感としてわかると思います。
白色モデルではこれがとても目立つので、iPhone Xは表の面は黒色しかありません。

ただし、この上下、左右とも4mmのベゼルを実現するのは、おそらく従来の液晶ディスプレイでは不可能で、iPhone XのIveのビデオにあるように、OLEDを縦方向に折り返すように曲げることで、上下の端までディスプレイが到達するように、実装しているようです。
デバイスの角の丸みがあるので、4mmが限界なのでしょう(デバイスの角の丸みをやめればもっと細くできる可能性はあり)。

対してSamsung Galaxy S8のベゼルは、左右がほぼ0mm、上下は約8mmです。
OLEDを左右方向に折り返して実装していると思われます。
デバイスの角の丸みを避けて、いわゆるセーフエリアの長方形の範囲で納めているので、左右0mmが可能なのだと思われます。
iPhone XとGalaxy S8の、上下、左右のベゼル幅の平均は偶然にもぴったり同じですが、実際の見た目として、どちらがより洗練されているかは使い比べてみないと分からないですね。

ちなみに、iPhone Xの上部のノッチはデバイスの端から約9mmなので、iPhoneをGalaxy S8と同じベゼルデザインにすることは可能だったと思われます。
その上で、iPhone Xの今回のベゼル幅のデザイン、つまり上下左右を均等にし限界まで細いベゼル、があえて選ばれた、と言うことになります。

2017-09-17

iPhone Xのランドスケープ表示のデザインデシジョン

ランドスケープ表示方式の可能性、
イメージ主体の場合
ランドスケープ表示方式の可能性、
文字主体の場合
参考:ポートレート表示、
最下部にホームボタン代わりの
インジケータがある
(Human Interface Guidelinesから)
前の投稿では、インカメラの切欠きのデザイン処理について、現状の形がデザイン上の大きなデシジョンだったのだろうことを、考えてみました。

この切欠き、ポートレートモードで使用する場合には、ステータスバーの描き方を工夫しさえすれば、従来の画面表示との互換性を保つことが出来ます。

ところが、ランドスケープモードにしようとした途端に、大きな問題が発生します。
写真アプリのように、多少の画面の欠けがあっても百歩譲って許容されうるものもありますが、文字表示主体のアプリの場合にはそうはいきません。
画面を左右一杯に広げて表示しようとすると、切欠き部分で文字が読めなくなってしまいます。

実際の画面例を見てください。

現状、Appleがどう対応したのかの答えは、図の中の1番目です(Mac Rumorsの一昨日の記事から引用しました)。
左右のエリアは表示に使用されません(写真アプリのようにステータスバーまで使用するようなものは別)。
どうしても間抜けに見えてしまいますよね。

他にもっと良い表示方法がないか考えてみたのが図中の下の2つです。
イメージ主体の画面の場合には2番目と3番目が良さそうに感じられます。

文字主体の画面の場合ではどうでしょうか。
画面の内容を入れ替えた図を作ってみました。
イメージ主体では大丈夫だった2番目が全く使い物にならなさそうなことがすぐにわかります。
ここでは1番目か3番目が候補になります。

3番目がどちらでも問題ないので通常ならこれが決定案となりますが、前の投稿で見た、苦労して守り抜いた統一されたベゼル幅が、いとも簡単に捨て去られてしまうことになります。
これで満足する程度なのであれば、最初から上部のベゼル幅はインカメラの幅にしておけば良いですよね。
これだと他社の既存の製品となんら変わらない平凡なデザインに落ちぶれてしまいます。

結果的にAppleの取ったデザインデシジョンは1目番です。
ここまで考えてくると、左右等幅の余白は、落ち着いた印象を与えてくれるともいえます(従来のiPhoneのデザインにも沿います)。

ここでも、何を優先し、何を捨てるかが慎重に考えられているのではないでしょうか。
全体を通した、かつ細部にわたる、製品レビュー(デザインレビュー)が上手くなされている結果だと思います。


[追記]
iPhone X表示エリアに関するのデザインガイドのビデオがありました。Designing for iPhone X https://developer.apple.com/videos/play/fall2017/801/ です。
今回の発表に関する他のトピックに関するビデオも https://developer.apple.com/videos/fall2017/ にあります。
(これらのリンクは、Mashableというサイトの 8 reasons why buying an iPhone 8 makes more sense than the iPhone X という記事で見つけました。)

2017-09-16

もし、iPhone Xが全画面スクリーンにこだわり過ぎて、こんなんだったらどうだだったろう


左が、本当のiPhone X、右が完全な全画面スクリーンにしてみたiPhone Xです。

絶対に、画面の表示を考えると右の方が良いですよね。
だけれども、上下の外形の形状の統一性は当然損なわれていますし、Apple的な割り切り・覚悟が全くもって感じられないデザインです。
それに右の方が部品の形が複雑で製造が圧倒的に難しくなります。
かといって、上辺の左右を斜め一直線の傾斜にしてしまうとベゼル幅の統一感が大きく損なわれてしまいます。

ホームボタンはずっと最初からのiPhoneのデザインアイコンだったのですが、それさえも、将来向けてより価値の高い全画面スクリーンのためにはそぎ落とし、必須ではないとする。
それに反して、フロントカメラと、Face IDのためのセンサーは前面に必須なので、何とか折り合いをつける。

ハードウェアとソフトウェアのギリギリの所でのキメが生かされた結果、現在の形になったのだと想像に難くありません。

[2018-02-18] このノッチが技術改良でどんどん細くなっていくのなら、現状のデザインも妥当と思えますね。
一方、Androidも次期バージョンでノッチをサポートするとか( https://taisy0.com/2018/02/12/92943.html )。
ノッチはスマホの新しいスタイルとして認められたということでしょうか。

[2018-08-30] ベゼルレスデザインに関して追加の記事を書きました。
見返してみると、右の形は、見た目はいまいちですが、画面の使い勝手はとてもよさそうですね。
必要なところは出っ張っている、と言うのは案外悪くないかもしれませんね。
極端ですが、3Dカメラ、ということで、四辺にカメラの出っ張りがあるのもいいかもしれません。