2023-01-25

カーソルキーのもっと良い置き場所を探していろいろと妄想、センターが良さそう [自キ沼#23]

標準キーボードのカーソルキーってメインブロックから離れていて、手首を大きく動かさないと押せません。
キー数をメインブロックのみに絞った60%キーボードですら、逆TカーソルがEnterキーの下なので、やはり手首ごと動かして、人差し指・中指・薬指で押す使い方になります。

この矢印キーの配置って、ホームポジションが大きく崩れる違和感があって、どうにかならないかとずっと気になっていました。
よく使うのに、矢印キーを押す、そこから戻る、を繰り返すたびにホームポジションとの行ったり来たりになってしまいます。

矢印キーをメインキーのレイヤの中に入れてしまえば、ホームポジションを崩さずにカーソル移動できますが、レイヤを意識して同時押しする必要があるので、次善策ではありますが、完全な解決策にはもう一歩だと思います。

折に触れていろいろ妄想している中で思いついたのが、図のように、十字配置の矢印キーをセンターに置く方式です。
まだKeyboard Layout Editorで描いてみただけなのですが、いい感じに収まりました。
オーソリニアで、センターにテンキーを置いているキーボードを見かけるたびに、なにか気になる感触があったのですが、そこからふと発想を広げてこうなりました。
(スイッチをひし形に配置して、細身の専用キーキャップを付けるというのもちょっと考えたのですが、横幅がどうしても広くなりすぎてしまうので、ボツ案としました。)
図は、ロースタッガードの左右分割の想定で描きましたが、一体型やカラムスタッガードでも適用できるのではと思います。

Nの左とその下は、右手人差し指で容易にアクセスできて、ホームポジションもほとんど崩れないと思います。
プログラミングでも、文章作成でも、カーソルキーの使用頻度はとても高いので、手首を大きく動かさなくてよい位置に専用の矢印キーがあるのは、入力の気持ちよさに大きく貢献すると思います。

あと、図の配置に関して、蛇足話です。
左手ブロックに比べて右手側ブロックがどうしても長くなってしまうのを何とか抑えて同じ幅になるように、右手端のバックスラッシュの位置を詰めて配置する工夫をしています。
親指ブロックのBackspaceとEnterは標準のサイズのキーキャップになっています。
Backspaceとほぼ同率頻度で使用するDelキーも確保しています。
左手側センター側にはEnterも置いて、左手の片手だけである程度利用が出来るようにしています。
わたしは親指が短めなので、親指ブロックは0.25u下げています。
好みによっては数字行を省略しても良いと思います(その場合はEscはTabの左で良さそうですね。わたしは数字や記号を迷わずに入力したいので数字行がある方が好きです)。

この投稿はセルフメイドのLilithキーボード、キースイッチはGateron low profile 2.0 Brownで書きました。

2023-01-21

いまお気に入りのロープロファイルキーキャップ3選 [自キ沼#22]

ロープロファイルの自作キーボードを作っていくなかで、より良質のキースイッチを求めてKailh choc v1からGateron low profileスイッチ(基板のフットプリントとソケットがchocともMXとも違う[→過去記事]ので専用設計になる点は何度も注意喚起いたします)に乗り換えて、年末から主力として使用し始めした。
MXの十字軸のキーキャップで、ロープロファイル仕立てのものはそれほど多くないのですが、その中からわたしが現在気に入っている、トップ3を紹介します。

  • NuPhy nSAプロファイル COAST Twilight
    わたしにchocから乗り換えを考えさせるきっかけ[→過去記事]になったキーキャップです。
    chocとほとんど変わらない低さが実現できます。
    本来はNuPhy Air60/Air75キーボードのオリジナルの白色デザインに対する、色違いの交換用の専用キーキャップで、キー数は少なめですが普通に汎用的に使用できます。
    Esc/Enter/Spaceの3色の差し色が特徴的です(Alice配列では残念ながら6.25uの長いSpaceは使えない)。
    素材はPBTで、レジェンドは昇華印刷です(文字部分が白色の成形色で、周りの着色部分が昇華印刷という面白い方式)。
    キートップ面が広くて押しやすいですが、次のSkylineと比べるとちょっと平らすぎる感じがします。
  • XVXロープロファイル Skyline Shadow
    XVX社のロープロファイルキーキャップの第二弾(いわゆるR1)として出てきた(製品ページにストーリーが紹介されていて、さらに別バージョンR2の構想もあり)、行の高さが揃ったノンスカルプチャです。
    7色展開ですが、わたしは落ち着いたグレーのShadowが好きです。
    Esc/Enterの白色の差し色キーもついていますが、普段使いには通常色のキーを付けています。
    PBTのダブルショットです。
    nSAと同じく広いキートップ面で、nSAよりも窪みが若干深いので、より指にフィットします。
    nSAよりもなんとなく押し心地がマイルドな感じがします。
    刻印が小さめなのも好みです。
  • XVXプロファイル Concrete
    XVX社のXVXプロファイルという、シリンドリカルステップスカルプチャだけれどとても低いプロファイルです。
    こちらも6色展開で、わたしはこちらもグレー基調のConcreteを選びました。
    通常キーの刻印がグレー地に濃い水色文字なので、周りが暗いと少し見にくいです。
    Forestという白色基調、特殊キーが深緑色の配色もとても気になっています。
    PBTのダブルショットです。
    驚くべきことにR2/R3行はnSAやSkylineに匹敵する低さです。
    さすがにR1/R4は少し高さがあります。
    しかしながらそれがかえって打ちやすさにつながっている面もあって、数字行に指が届きやすいです。
    キートップ面も広くて窪みが深めで、指に吸い付く感じがします。
    写真のようにスカートが長めなので、相性によっては引っかかりそうになるキーがありますが、少し削れば万全です。

次点にはなりますが、写真に写ったキーキャップがもう一つあります。

  • XVX Horizon ロープロファイル Black
    XVX社のロープロファイルキーキャップの第一弾(R0とでもいうべきか)です。
    PBTのダブルショットでバックライト透過型、白色と黒色があります。
    わたしは黒色を選んだのですが、刻印がほとんど見えなくて、その点は残念でした(他では、墨色キーキャップが流行っているようなので、この方が好きな人も多いのではと思います。バックライトがついているなら製品写真のようにとても綺麗だと思います)。
    段差が非常に少ないシリンドリカルステップスカルプチャになっています。
    キートップ面は上記3種よりかなり狭いのも欠点かもしれませんが、他の標準的なキーキャップのことを考えるとこの広さが標準的なのかもしれません。

他にも、
NuPhyからバックライト透過型や、季節の企画もの(2月にはPBTダブルショットも予定されています)、
KeychronのK3キーボードの色違い交換用(NuPhy同様キー数が少なめ)と、汎用のPBTとABS(ABSは特徴的なオレンジの差し色を選べる、なおKeychronはキーキャップによってはスタビライザの足が軸の中心からズレた特殊なものの可能性があるのでよく見て選ぶ必要あり)と、
ゲーミングに寄せたPulsar Korseaのロープロファイル
があるようです。

chocでは刻印入りや、いろいろなカラーリングのキーキャップがほとんどなくて困っていました(Cosfoxから1u以外の標準キー幅や差し色も入ったChocFox CFXキーキャップセットがこのタイミングで出ましたが、バリエーションがもっと増えるといいですね)。
3Dプリントで自作[→過去記事]しても良いのですが、製品品質できっちり刻印までされているキーキャップには惚れ惚れしてしまいます。
キーキャップの文字刻印は、押したいキーがどこにあるかが視覚的に確実に分かる(たまにしか使わない記号文字の時に助かる)ので、キー入力を楽にするのに大きく貢献していると思います。
キー数をもっと絞ったキーボードの場合には、自分のキーマップに合わせたカスタムな刻印が欲しくなると思いますが、そういう場合にはまた別の工夫[→過去記事]が必要なのかもしれません。

この投稿はセルフメイドLilithキーボード、Gateron low profile 2.0スイッチ、XVX Skylineキーキャップを使って書きました。

[2023-07-31] 遊舎工房さんのキーキャップ刻印サービスを試してみたので投稿しました。

[2024-02-03] Keychronの日本の代理店のSUPER KOPEKで、Keychronロープロファイル LSA キーキャップv2の取り扱いが始まっています。
Keychron LSAはとXVX Skyline/Horizonは、NuPhy nSAに比べるとスカート部分が少し短いと思います。
NuPhy nSAはあくまで自社のAir 96/75/60キーボードの交換用であって、汎用性を求めていないキーキャップセットなので、1.5uなどのキー数が少ないのが少し残念ですが、今の私の一番のお気に入りです。

2023-01-09

Gateron Low Profileスイッチの新型2.0が順次発売開始 [自キ沼 #21]

私の大のお気に入りになりつつあるロープロファイルのGateronのメカニカルスイッチ(以前の投稿)が、新しくなって2.0として既に発売中です。

トータルトラベルが2.5mmから3.0mmに、プリトラベルが1.5mmから1.7mmに変更されています。
それと、ファクトリールブ済み、LED用の窓が表面実装のLEDにも対応するように改善されているようです。

価格は直販サイトで1.0から変わらず、35個セットが$14.99 (単価$0.428) です。
私自身は1.0でLilithの新バージョンを現在作成中ですが、早速2.0 Brownをお試しで発注してみました。
良質なロープロファイルスイッチの選択肢が増えるといいですね。

なお、Gateron Low Profileのフットプリントとソケット(以前のソケットに関する投稿)は、choc v1/v2ともCherry MXとも違う完全に独自のものなのでくれぐれも注意が必要です。

この投稿はセルフメイドLilith v2 (Gateron Low Profile Brown 1.0) で書きました。

 

[2023-01-10] さらに、GateronNuPhyのInstagramと、NuPhyの製品ページ(現時点は画像だけで、未発表のNuPhy Air96用となっている)にバリエーションモデルが掲載されています。
トータルトラベル3.5mmでハウジングまでパステルカラーになっている、

  • タクタイルのWisteria (藤色 T55)と、
  • リニアのDaisy (ヒナギク色 L48)と、
  • リニアのAloe (アロエ色 L37)

です。
1月16日解禁のようです。

[2023-01-13] このパステル軸をよくよく見て気づいたのですが、ステムの露出が2.0より更に短く、ハウジングがその分高くなっているように見えます(別の写真ではそうでもないようです)。
そうやってトータルトラベルをギリギリまで稼いでいるようです。

[2023-09-12] さらに、以下のロープロファイルスイッチが出てきました。

  • NuPhy Air75 v2と同時発売の、
    リニアのCowberry (コケモモ、スピード軸、45g) と、
  • タクタイルのMoss (コケ、アーリーバンプ(タクタイル感が早く来る)、60g)。
  • KeychronからKeychronブランドで、ステムの形状に一工夫されている、
    Keychron low profile Red (リニア、スピード軸) と、
  • Keychron low profile Banana (タクタイル、スピード軸、強いタクタイル)。
  • 本家Gateronから
    Gateron low profile 2.0 Banana (Brownより強めのタクタイル)。

 

[2024-11-12] 新しいスイッチを手に入れました。
  • GLP Bananaは、Brownよりもタクタイル感も押下圧もはっきり重い、より明確な入力感。
  • KLP Bananaは、Brownに比べるとたしかに早く(浅く)入力されつつ、タクタイル感はより明瞭です。薄めのキーボードが好みの人にはあっていると思います。
  • KLP Redは、とにかくすこし押しただけ、触れただけで入力される感じです。スピード軸ってこんな感じなのかなと言う感じ。
GLP Bananaは深いタクタイル好きの人向け、KLP BananaとRedは浅い入力感が好きな人向け。
どちらもGLP Brownの柔らかいタクタイルよりもシャッキっとした感じが気に入りました。
KLPは軸ブレがかなり少ないくて安定しているように感じます。