2022-09-28

ちっちゃいパーツが届いた [自キ沼#11]

FR-4で発注した、オリジナル設計のLilithキーボードの「フレームケース」のパーツが届きました。
いっぱい詰め込んだのでプラモデルのような感じです。
お得感Maxな100x100mmは本体の200x120mmに比べると二回りほどちっちゃくてかわいく感じます(前の投稿に書いたように面付け追加料金には注意)。
このパーツを片手あたりトップカバーでのべ2.5枚分、ミドルプレートで2枚、両手合わせてのべ10枚を使って組み上げます。

今回はJLCPCBの新規顧客向け輸送クーポンを使ってFedExにしてみました。
配送は4日間と、OSCよりやはり早いです。
配送料定価は2倍ちょいですね。

ちなみに今週週末から10月頭の来週前半はJLCPCBは休業とのこと。

[2022-09-30] PCBを、キーボード一台あたり、今回の積層フレームケース用10枚とボトム&トッププレート用4枚、回路基板2枚の、のべ16枚も使うのって、頭を冷やして考えると、異様に大量ですね(完成すると8層積層構造)。
切り離す手間も半端じゃないです(より切り離し易い構造を思案中)。

2022-09-23

発注したFR-4積層フレームケースが製造中、追加料金なしで面付けするコツを少しつかめたかも [自キ沼#10]

自作自称Lilithキーボードの設計・製作を進めています。
スイッチプレート(トッププレート)、回路基板と進んで、次はキーボード全体のケースです。

サンドイッチマウント構造にしてケース用の追加パーツをスキップするのも一つの手ですが、今回は、ソリッドな構造にしたいと思いました。
自作キーボードのケース素材はアクリルが多いと思いますが、身近な素材の割には、材料と加工に費用がかさみそうな印象です。
スイッチプレートでもやったのですが、PCB基板材料のFR-4をケースというかフレーム(またはベゼル)にも使いたいと考えました。
全体的に薄型キーボードを狙っているのでFR-4は厚みと色の選択肢の広さでも有利です。

さらに、JLCPCBでは、基板外形サイズが100x100mm(厳密には102x102mm)以下だと特価になります。
Lilithキーボードは片手でも100x100mmを超えるので、この周りを囲むフレームケースは一体モノではなくて4〜6つに切り刻んで分割し、あとで組み合わせて全体の形ができあがるようにしました。

上の画像の左側が、今回最初にJLCPCBにアップロードしたデータです。
フレームパーツを分割して、1つのデータの中に収まるように配置しています。
配置したパーツの間はSU120のように(配線もできるような太めの)切り取り方式で接続しています(念のためパーツの一体感を主張するために簡単な配線を配置しましたが、ほぼ意味がなかったかも)。
このデータ、最初のころは次の様なレビュー指摘を受けてリジェクトされました。

  • 基板形状として細すぎる部分があるので製造中に壊れる可能性がある
  • 複数基板の間の切り取り部分の幅が細すぎる部分があるので4mm以上にせよ
  • 切り込みを入れている部分で、切り込み幅が複雑で狭すぎるので2mm以上?にせよ

微調整を繰り返して、最終的になんとか受け付けてもらえる状態にはできたのですが、5,000円くらいの高額な追加料金がついてしまいました。
アップロード済みのデータの詳細情報を見てみると、9つの基板の面付けと識別されていていました。
JLCPCBの説明を見ると、複数基板を1つのデータに同居させるstencil panelization(面付け)は1面あたり$4.2の追加料金なので、なるほどそうなってしまいます。

上の画像の右側が、工夫のうえで最終的に発注したデータです。
遠目に見て、凸凹が少なめの、おおよそ四角形に近い形になるようにまとめています。

上の方にあった入江のような深い切り込み部分には、外周部分に追加の島を置いて、後で切り取るようにしました(じつは最初から下の方2箇所でも同じことをしています)。
尖った外形、深い切り込みは破損しやすくて製造が難しいけれど、1枚の四角い基板の中に穴をあける(画像では黒い部分)のは構造上の強度が保たれて通常範囲で製造可能なのだと思います。
この工夫によって、全体として1枚の基板として識別してもらえる様になりました。

右の画像が、最終的な発注データです。
積層フレーム3層分と、プレートと基板の間のミドルパーツで、計4つの100x100mmデータにしました。
料金は100x100mmのデータの1つめは特価の基本料金の$2、2つめ以降は通常基本料金の$4、それと輸送料金を合わせて3,700円で済みました(後日のため、現在の為替レートは143円/ドル)。

100x100mm以下であれば基板材料代金が0円ですが、それを超えると100x100mmの面積当たりの従量でおおよそ$4が加算がされ始められます(たとえば100x105mmだと$4、100x200mmだと$8)。
かりに、今回の2つめ〜4つめのデータを100x300mmの1つに合体させたとすると、1つめが$2+0、合体させた方が$4+$12で計$18になります。
全体を100x400mmの1データに合体させたとすると$4+$16の$18です(100x100mm以下かつ1件めの基本料金特価$2も適用されない)。
なので、今回のように100x100mmの複数データに分けるのが一番安価になるようです。
表面実装部品の組み立てサービスを一緒にオーダーしない場合は、これが価格的な最適解だと思います(組み立てサービス付きにする場合は、基板毎にそちらの基本料金もかかるのでこの限りではありません)。
基板設計に無理が出ない範囲で、この方式を活用していきたいと思っています。

この投稿は、Sparrow62 v2+片側だけLDSAロープロファイルキーキャップを使って書きました。

[追記] それとフレームケースは外から見えるモノなので、今回、ロゴもシルク印刷指定してみました。
Lilithキーボードの自作ロゴのドラフト1号です。

2022-09-19

PCB Assemblyした基板が届きました [自キ沼#9]

自作自称Lilithキーボードですが、ドキドキワクワクの基板組立サービスが完了して、JLCPCBの青い箱が届きました。
Lilithの自キ沼活動の中で、わたしは、はじめて基板業者いうものを知り、実際にCADデータを作って発注を体験した初心者です。
初回の発注は、公開されているLDSAプロファイルのキーキャップデータを使った3Dプリント、2回目はスイッチプレート、そして今回がいよいよメインイベントの回路基板と基板組立サービスです。
ちなみに、CADデータをアップロードしてから受け取るまでの納期は、安い配送方式を選ぶと10日前後と、もちろんAmazon Primeには及びませんが、製造工程と海外発送であることを考えると結構早いと思いました。

自称Lilithキーボードは、どうせ自分で設計して作るなら、ポインティングデバイスと一体になったものをと思い、パーツの入手性が抜群のジョイスティック(Nintendo Switchの交換部品)を組み込むことにしました。
キー配置は、どうしても人差し指で押したいCキーの問題(癖が染み付いている)と、小指の運指にいつも無理をかけている感覚(短い小指担当のキーの位置)の問題、そもそも小指が(ReturnやBackspaceやDeleteで)忙しすぎる問題、そしてもちろん肩を開いて(その時々の気分でポジションを変えて)入力したい問題を解決するために、分離型のAlice的配列としました。
ジョイスティックもキー配置もSU120で納得いくまでテストを行いました。
最低発注数の5枚をなんとかうまく活用して余りを最小にしたくて、リバーシブルや、トップとボトムの兼用など、おそらくやり過ぎの工夫をしてしまっているかもしれません。

さて、今回届いた基板ですが、現物を見てみると、0.5mmピッチのジョイスティックのFPCリボン(極薄ケーブル)コネクタは、やはり手でハンダ付けをする限界を大きく超えていました。
コネクタの足とハンダ付けパッドの太さが、シャープペンシルの芯の半分しかないのですから。
それと、背の低めの表面実装ダイオードも同様に基板組立サービスに出してよかったと思いました。

今回の初号基板の設計で、既に見つかった課題を、備忘録として暴露しておきます。

  • キースイッチのソケットとダイオードが接近し過ぎて、ソケットが最後まで基盤に密着できない
  • ジョイスティックのPFCソケットの位置がY方向に微妙に遠くてリボンケーブルに少し無理な力がかかってしまう。ソケットの配置を0.5mmほど近づける必要あり

配線に関してはざっとテストした範囲では大丈夫そうです。

実際にキーソケットをハンダ付けしてキーボードの形に組み立てるのが楽しみです。
回路基板を待っている間に、これも凝り過ぎの、積層ケースのCADもやっと出来て発注したので、最終形が待ち遠しいです。

この投稿は、Sparrow62 v2+片側だけLDSAロープロファイルキーキャップを使って書きました。 

[2022-09-20] 写真の鉛筆の先の所、変な枠が掘ってありますが、実はここは、

  • 左手側ではBのキー
  • 右手側ではジョイスティックを埋め込む穴のための切り取り線

になっています。
お分かりになりましたか?

[2022-09-25] 写真の下真ん中の、0.5mmピッチFPCリボンケーブルコネクタのロックドア(黒い部分)を何度もいじっていたら、もげちゃいました、キーソケットをハンダ付けした後なので、しょんぼり(さらに、もう1台からロックを移植できないかと無理に引っ張ったら片足が折れちゃって、さらに、ピンセットの先で弾けてどこかに飛んで行っちゃいいました)。
でも予備の基板があるので壊滅的ではないです。
じつはジョイスティックのFPCリボンの方も、リボンと接続部分の段差の所で、パリッとやっちゃっています、こちらも2台も。
繊細な極小部品は優しく扱わないといけないですね。

2022-09-08

基板組み立てサービス (PCB Assembly、SMT: Surface Mount Technology) 付きでLilithの自作キーボード基板を発注 [自キ沼#8]

今回Lilithは、初めての自作キーボード設計なのに、いろいろ欲張ばりすぎて、いきなり詰め込みすぎんじゃないかな、と我ながら思います。
トッププレートの次に行った、基板の設計は、着手してから3週間近くもかってしまいました。

  • 基板はリバーシブルで、最低発注数5枚がキーボード2.5台分として活用できるよう、最大限の節約策を考えました。

  • まず、Pro Microの配置は、裏向きでコンスルーで上から挿して、そのピン配置を基板の裏側に描くので、ものすごく頭がこんがらがりました。
    その上、基板全体がリバーシブルです。初期段階から最終段階まで、Pro Microの方向の間違いに何度も気付いて修正し続けることになりました。それでもSU120を参考にして、マトリックスのX1~X8、Y1~Y5を一旦は共通端子に取り出して、そこから配線する形にしたので、向きを都度集修正した影響はPro Microの場所に局所化できたと思います。
  • Lilithはカラムスタッガードやオーソリニアのような左右対称ではないので、リバーシブル化のための作戦が必要です。
    今回、ジョイスティックがある左手側を基本にして配線し、右手側は2行めと3行めの間でカットし、さらにズラして接続する方式を考えました。
    これもSU120が参考になっていて、SU120では1キー毎に切り離し式で切り離さなければ配線されていますが切り離せばレイアウトが自由、Lilithではこれにならったもっと大きいブロックの切り離し式と言っていいんじゃないかなと思います。切り離しする左手側はX1~X8、Y3~Y5の11本をエナメル線で配線する予定です。この先もしこの基板を配布することになった場合には、このままで行くか、コネクタにするか、台数がさばける前提でリバーシブルをやめるか、をまた考えなおします。
  • 回路配線は、パズル感覚で楽しみながら手作業で配置しました。
    縦軸Yの配線は裏面で、横軸Xは表面でと、規則性を決めて行いました。時間はかかりましたが、自分で見て判りやすい配線配置になったと思います。これは、後で接続を追う時のためにも大事なような気がしています。
  • DRCチェックを通すと、回路図を元に配線忘れを指摘してくれるので、安心です。

  • 今回、はじめてなのに、大それた基板組み立てサービスを利用したかった最大の理由は、ジョイスティックのリボンケーブルのFPCコネクタが0.5mmピッチと、手でハンダ付けするのは限界と思ったからです。
    Amazonで見つけた0.5mmと1mmコネクタの両面ブレークアウト基板の、1mm側のコネクタのハンダを外すのでさえ、やってみてとても大変というのを経験していたからです。将来的にUSBCコネクタを付るような場合にも手ハンダは無理だと思っています(少なくともわたしには)。
  • このFPCコネクタと表面実装ダイオードの部品は、高さがちょうど1mmのものをJLCPCBのパーツ品揃えの中で見つけることができました。
    基板がリバーシブルなので左手側は表面実装部品が基盤の上面に来ることになります。上下のミドルプレートを1mmにして、ちょうどこの高さに収めることができそうです。スイッチのソケットは2mmくらいの厚みがあるので右手側・左手側とも裏面に手でハンダ付けします。
  • 部品実装のためのPositionファイルを作成するのには苦労しました。
    キースイッチの面から見て裏面に部品を実装する指示をしたかったのですが、ダイオードは向きが逆になったり、小指ブロックの13°の傾き部分の傾きが逆になったりと、KiCADの生成したPositionファイルのままではどうしてもうまく行きません。FPCコネクタは自分で描いたフットプリントを回転したりして合うようにしましたが、ダイオードに関しては、位置はKiCADの言う通り、向きは仕方ないので手でテキスト編集しました。それでも、JLCPCBの発注後のFDM Analysisでは、基板はX軸の正の側、部品はX軸の負の側に配置されている、と表示されてしまっていますが、これはJLCPCB側で修正してくれるようです。KiCADで元から基板を裏返して、表面に実装指定する形にすればもっと楽だったのかもしれません。

  • 先日作成したプレートのGNDベタ塗りは、配線が何もなかったのでワンプッシュで何も考えなくてよかったのですが、今回の基板では、配線があるせいで基板の真ん中あたりにベタ塗り領域が全然行き渡りません
    配線の間隔を広げてやったり、このためだけにビアで反対側に配線を逃がしたりして、ベタ塗り領域が出来る限り連続するようにしました。この作業だけでもパズルのように半日くらい楽しめました。
  • シルクスクリーンの文字も、表と裏で意図しない側に描いてしまったり、抜けていたりする箇所が意外と多くありました。
    KiCADの基板エディタではなかなか気付きにくくて、最終段階でJLCPCBの3Dプレビューを見て気付いて修正しました。

  • JLCPCBの価格は総額¥4,000になりました(キーボード2.5台分)。
    基板の方は追加料金なし(基本料$4+基板料¥1,300)。
    組み立てサービスの方は、基本料¥1,000+表面実装に使うステンシルマスク¥200+部品代はキーボード2.5台分で¥300(誤差くらい安いですね)+FPCコネクタがExtended Componentなのでパーツの入替作業のための追加¥400(ダイオードはBasic Componentから選んだので追加料金なし)+組み立て費¥100です。
    部品代金と、手ハンダの手間の2.5台分と考えるとお安いと思いました。輸送費は追加で¥1,600、クーポン割引 -¥1,400 ($10) を合わせたのが請求額になります。
  • 一点注意点は、基板組み立てサービスは前払い対応のみなことです。単なる基板作成や3Dプリントではレビューが通った後に決済に進むオプションがあるのとは違っています。発注後に基板や部品の間違いに気付いてもキャンセルができません(Chatでお願いすれば修正版での差し替えくらいはおそらく出来るとは思います)。

順調に製造が進んでいるようでほっとしています。
あとは受け取って、意図したとおりに動作するかどうかのお楽しみです。

この投稿は、Sparrow62 v2+片側だけLDSAロープロファイルキーキャップ を使って書きました。

2022-09-06

9月のApple Eventでの発表はiPhoneだけ?

9月のApple Eventまであと一日になりました。

今回の発表も例年にならって、iPhoneとApple One関連だけなのでしょうか。
iPhoneにしても、あっと驚くような進化の持ち駒はまだあるのでしょうか。

Mac Proはやはり来月までお預け?
全く新しい、VRデバイスや、Car関連は?
なにで、なにを、「超えよう」と言っているのでしょうか?
iPhone 14でiPhone 13を超えるだけ、ってことは流石にないですよね?

春のWWDCで発表されたiOS 16はまだリリースされていませんし、
そんなに急いで詰め込むメリットは特にないので、それでいいんですが、
Apple Siliconへの完全移行を出来るだけ早く見てみたいのもファンの心理なんですよね。