2022-09-23

発注したFR-4積層フレームケースが製造中、追加料金なしで面付けするコツを少しつかめたかも [自キ沼#10]

自作自称Lilithキーボードの設計・製作を進めています。
スイッチプレート(トッププレート)、回路基板と進んで、次はキーボード全体のケースです。

サンドイッチマウント構造にしてケース用の追加パーツをスキップするのも一つの手ですが、今回は、ソリッドな構造にしたいと思いました。
自作キーボードのケース素材はアクリルが多いと思いますが、身近な素材の割には、材料と加工に費用がかさみそうな印象です。
スイッチプレートでもやったのですが、PCB基板材料のFR-4をケースというかフレーム(またはベゼル)にも使いたいと考えました。
全体的に薄型キーボードを狙っているのでFR-4は厚みと色の選択肢の広さでも有利です。

さらに、JLCPCBでは、基板外形サイズが100x100mm(厳密には102x102mm)以下だと特価になります。
Lilithキーボードは片手でも100x100mmを超えるので、この周りを囲むフレームケースは一体モノではなくて4〜6つに切り刻んで分割し、あとで組み合わせて全体の形ができあがるようにしました。

上の画像の左側が、今回最初にJLCPCBにアップロードしたデータです。
フレームパーツを分割して、1つのデータの中に収まるように配置しています。
配置したパーツの間はSU120のように(配線もできるような太めの)切り取り方式で接続しています(念のためパーツの一体感を主張するために簡単な配線を配置しましたが、ほぼ意味がなかったかも)。
このデータ、最初のころは次の様なレビュー指摘を受けてリジェクトされました。

  • 基板形状として細すぎる部分があるので製造中に壊れる可能性がある
  • 複数基板の間の切り取り部分の幅が細すぎる部分があるので4mm以上にせよ
  • 切り込みを入れている部分で、切り込み幅が複雑で狭すぎるので2mm以上?にせよ

微調整を繰り返して、最終的になんとか受け付けてもらえる状態にはできたのですが、5,000円くらいの高額な追加料金がついてしまいました。
アップロード済みのデータの詳細情報を見てみると、9つの基板の面付けと識別されていていました。
JLCPCBの説明を見ると、複数基板を1つのデータに同居させるstencil panelization(面付け)は1面あたり$4.2の追加料金なので、なるほどそうなってしまいます。

上の画像の右側が、工夫のうえで最終的に発注したデータです。
遠目に見て、凸凹が少なめの、おおよそ四角形に近い形になるようにまとめています。

上の方にあった入江のような深い切り込み部分には、外周部分に追加の島を置いて、後で切り取るようにしました(じつは最初から下の方2箇所でも同じことをしています)。
尖った外形、深い切り込みは破損しやすくて製造が難しいけれど、1枚の四角い基板の中に穴をあける(画像では黒い部分)のは構造上の強度が保たれて通常範囲で製造可能なのだと思います。
この工夫によって、全体として1枚の基板として識別してもらえる様になりました。

右の画像が、最終的な発注データです。
積層フレーム3層分と、プレートと基板の間のミドルパーツで、計4つの100x100mmデータにしました。
料金は100x100mmのデータの1つめは特価の基本料金の$2、2つめ以降は通常基本料金の$4、それと輸送料金を合わせて3,700円で済みました(後日のため、現在の為替レートは143円/ドル)。

100x100mm以下であれば基板材料代金が0円ですが、それを超えると100x100mmの面積当たりの従量でおおよそ$4が加算がされ始められます(たとえば100x105mmだと$4、100x200mmだと$8)。
かりに、今回の2つめ〜4つめのデータを100x300mmの1つに合体させたとすると、1つめが$2+0、合体させた方が$4+$12で計$18になります。
全体を100x400mmの1データに合体させたとすると$4+$16の$18です(100x100mm以下かつ1件めの基本料金特価$2も適用されない)。
なので、今回のように100x100mmの複数データに分けるのが一番安価になるようです。
表面実装部品の組み立てサービスを一緒にオーダーしない場合は、これが価格的な最適解だと思います(組み立てサービス付きにする場合は、基板毎にそちらの基本料金もかかるのでこの限りではありません)。
基板設計に無理が出ない範囲で、この方式を活用していきたいと思っています。

この投稿は、Sparrow62 v2+片側だけLDSAロープロファイルキーキャップを使って書きました。

[追記] それとフレームケースは外から見えるモノなので、今回、ロゴもシルク印刷指定してみました。
Lilithキーボードの自作ロゴのドラフト1号です。

No comments:

Post a Comment