2023-08-08

Keychron K11 Proを到着初日にさっそく分解してみた [自キ沼#36]

Keychron K11 Proを発売初日に購入し、5日目に手元に届きました。

メーカー製品としてキッチリとした造りに満足ですが、改造したいウズウズがどうにも止められず、下調べとしてまずは開腹してみました。
おそらくKeychronのキーボードの設計方式は目に見えるスペックの差以外は全機種共通だと思うので、他の機種の方にももしかしたら参考になるのかもしれません。

  • まず、K11 ProおよびK Proシリーズのケースはアルミニウム、ボトムは樹脂です。ケースがプレートと一体になっていて側面までカバーしていますが、マウント方式はいわゆるサンドイッチマウント構造です。プレート面に11個のネジ頭が出ていて、これを外すとボトムの板が外れます。この時、スイッチを外す必要はありません。内部のPCBは、ボトムから伸びたスペーサー穴で浮かんでいてネジ等で固定されておらず、スイッチの足だけで支えられています。
  • スタビライザーはルブされていますし、使用されているGateron Low Profile 2.0スイッチもファクトリールブ仕様です。プレートースとPCBの間、PCBとボトムの間に空間があるので、使い方によっては反響音が響きます。良い音なのだと思いますが、音量をなんとかしたいと感じました。
  • 次にPCBに関して、キーの右ブロックと左ブロックそれぞれ用にシフトレジスタが設けられています。コントローラとの接続は少ないピン数おそらく2本だけで接続されているようです。これならフルサイズのキーボードからテンキーパッドまでの幅広い製品全てに、キーマトリックスのピン数を気にせず対応できますね。
  • コントローラMCUのコアは、QMKファームウェアのinfo.jsonの記述からSTM32L432 (Arm Cortex-M4) です。QMKファームウェアのソースコードはまだベータ(プルリクエスト中)ですがすでに公開されています
  • コントローラのMCUチップは、Bluetooth機能を内部に持ったシングルチップのCYW20730A2KFBG(汎用名 BCM20730)です。このMCUチップが載った端面スルーホール接続の汎用モジュールが使用されています。心臓部が共通化されているんですね。検索してなんとか調べたところこの汎用モジュールは、ITON TechnologyのBT3GMD-B47Pかその後継のようです。データシートが公開されているので空きポートをQMKで自由に制御できる可能性が広がりました(しめたものです、こういうところの柔軟性がKeychronさんは良いですね)。I2CやADCポートもちゃんと引き出されているようです

今回は、一般的ではないかもしれない、自分の知りたい観点でレビューをさせていただきました。

この投稿は自作Lilithキーボード(LilithKbd)を使って書きました。


[2023-08-12] Keychron K11 ProのQMKファームウェアのソースコードの正式版が公開されました。

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