2021-07-09

藤井聡太さん、最高段位の九段に昇段するも、藤井九段と呼ばれる日はおそらくずっと先

将棋の藤井聡太さんの活躍が目覚ましいことは、このご時世にあって、かけがえのない明るいニュースであることは間違いないです。
ラグビーの2019年ワールドカップ日本大会の時の「にわかファン」は、大会期間前後の期間限定でしたが、将棋は年中ずっとタイトル戦をやっているので、にわかファンであったとしても、継続的に楽しめるのではと思います。

将棋の最高段位は九段です。
これはおそらく将棋盤が9x9で、9コマ目に進んだら敵陣の最深部なので、だと思います。
最高段位に昇段したのであれば、藤井九段という呼称になるのでは、と思っていました。
ところがどっこい、そうではなくて、王位や棋聖などの8つのタイトルが段位よりも重きに置かれて、タイトルホルダー、それも二冠の藤井さんは、藤井二冠と呼ばれるのが正しいそうです。
逆に言えば、タイトルを保持している間は九段という呼称にはならないのです。
藤井さんの勢いを見ていると、当分はタイトルが増えることはあっても、減ること、ましてや失うことはないと思えるのです。

毎月のように記録を塗り替え続けている藤井さんがすごいことは確かなのですが、それ以上に、藤井さんに破られるまで人生のほとんどの間最年少中学生棋士だったひふみんこと加藤一二三さんや、歴史上はじめて全タイトルを制覇して七冠(当時は叡王がなかった)になった羽生善治さんは、もっともっと上を行っていると思えます。

この時代に生きていて、歴史的な瞬間を何度も見られるのはハッピーと言うかラッキーです。
21世紀は本当にワクワクしますね。

このご時世、せめてテレビで酒場に行きますか、『今夜はコの字で』がTverで再放送開始

コロナに対処できるきちんとした治療薬はまだまだ出てきそうにないので、なんとか全世界の人類の大多数がワクチンを接種して集団免疫を獲得するまで、もう少しの辛抱でしょうか。
感染力が高いので、会食は、たとえ緊急事態やまん延防止がなくても、非常にリスクが高いというか、自爆行為なのではないでしょうか。

こんな中、テレビ東京の名作ドラマ『今夜はコの字で』が、TVerでの再放送が始まっています。
7月5日から毎週月曜日24時、1週間ごとの配信です。
全12話、再放送なのでその気になれば予告編も番組ページですべて見れます。
このドラマ、初回放映が2020年1月とコロナの申し子のようなタイミングというか、緊急事態前ギリギリに収録したと思しき、そういう意味でも非常に感慨深いです。

ほっこりするドラマを自宅で見て、もう少しだけ我慢しようじゃないですか。

2021-07-07

M1 iMac 24inchにやっと遭遇、感想とその先への希望

5月に発売されたApple Silicon M1 iMac (24inch) を先日、店頭でやっと見てきました。
第一印象は、11.5mmというスペックの割には結構分厚いな、でした。
以下デザイン面に関する感想と考察です。

  • 意外と実際よりも分厚く感じました。
    M1 MacBook AirとMacBook Proの最厚部はそれぞれ、16.1mmと15.6mmでM1 iMacより厚いはずなのですが、これらは端に向かってなだらかに細くなっていて、実際よりも3割以上薄く感じるようになっています。
    これに慣れてしまっているがために、M1 iMacを分厚く感じてしまったのだと思います。
    極限まで細くしたIntel iMacの端面(3mmくらい?)の記憶のせいもあると思います。
    もちろん、たまたま横に置いてあったPro Display XDRの27mmに比べると半分の厚みだったのですが。
  • 厚み比較で感覚的に合うのは、iPad Pro 2枚分。
    iPad Proはフラットな形状で5.9mmなので、ちょうど2枚分になります(11inch版)。
  • 前面の素材は質感的にプラスチックのようです。
    側面のアルミニウムボディーと全面パネルの境界にわずかながら隙間があります。
    前面パネルを立体整形してうまくはめ込んでいるのだと思いました。
    画面の輝度がとても高いのもあって、反射は全く感じられませんでした。
  • あごなしデザインに納めて欲しかったと。
    写真で見ていると、下のあごの部分は、iMacのデザインアイデンティティになっていて良い感じです。
    でも、実物を見てみると、とても邪魔に感じてしまいました。
    きれいなパステルカラーなのでなおさらかもしれませんし、普段使っている外付けディスプレイに慣れているからかもしれません。
    iPad Proは1枚分の厚みの中に全て納めているのだし、電源をACアダプタに外出ししているのだから、M1 iMacもあごなしにできる可能性は大いにあったはず、と考えてしまいました。
  • 雑味の無いスピーカーは確かに良いようです。
    ヘッドホンジャックがきちんと付いていることからも、このマシンをサウンドを入出力するメインのマシンにして欲しいことが伝わってきます。

2021-06-28

パソコンの未来はペンタブレットと考えているように見えるWindows 11

 右の写真は、それぞれ

に掲載されているものです。

Windows 11ではデスクトップが無くなって、ラップトップと2-in-1、それとペンが明確に登場しています。
Surfaceではペンはオプションで、かろうじてSurface Pro Xに収容されています。
Windows 10ではラップトップ、2-in-1と共に真ん中にデスクトップがありました。

スマホやタブレットのように、携帯性のためにキーボードを完全になくしたデバイスは、確かに見た目のデザインが洗練されていて、閲覧中心なら使いやすいです。
指先での入力では細かいところに無理があるので、ペンを使用するのも、理屈としては正しいです。

しかしながら、パソコンはあくまでパソコンであって、タブレットが主流になると考えるのであれば、洗練されたタブレットOSを出してほしいです。

正確な入力にはまだまだキーボードが欠かせません。
デスクでの作業には、ペンやタッチパネルよりも、タッチパッドやマウスの方が(悔しいかもしれませんが)適しています。

Windows 11をペンやタッチパネルに寄せていくのなら、(Vistaではなくて) Windows 8の轍を再び踏むことになると思います。
真ん中にスタートメニューがあると使いやすくなるのは、スマホの縦長のポートレートディスプレイの時のみであって、マウス操作で画面下中央をクリックするためには、より注意く正確なポインタ操作が強いられます(その上、なんということでしょう、スタートボタンは中央ですらなく、タスクバーに都度一覧されるアプリアイコンの左先頭なので、常に位置が動きます!!)。
スタートボタンは画面の角にあるから押しやすいし、そしてなにより、スタートメニューが表示されても作業中のウィンドウを極力邪魔しないように隅っこにあるべきなのです。
集中して作業している最中に、補助的なアプリや参考ドキュメントを起動しようとすると、真ん中に表示される新しいスタートメニューに視界を遮られて注意力がそがれてしまいます。
スタートメニューが主役と思う・思わせるのは、根本的な大きな間違いです。

Windows 10XはSurface Neoのような(私の過去記事)、タブレットに寄せたマシン用だったので、スタートメニューが中央にあるのが理にかなっていたのですが、目新しさのためだけにWindows 11にその機能を持ってくるのは、明らかに間違っていると言えます。
2-in-1のような、パソコンとタブレットの合いの子で、現状ではどちらの用途にも中途半端のデバイスを「何とかして主流に据えたい」のなら、もう一段階のなにかの革新がないと、再び後退してしまうだけのように思いました。

そういえば、Windows 8ではタブレットモードでのタッチパネルジェスチャ(当時の私の記事)が多数定義されていましたが、どれも直感的とは言えず、かつ新たに操作を学習する必要があって自然消滅しました。
そもそもWindows 8にそういうジェスチャがあったことや、スタートボタンがなかった(代わりにスタート画面、そしてスタートボタンはWindows 8.1で復活)ことすら、きっと誰も覚えていなかった・忘れていましたよね。

(今回、本BlogにWin11のタグを作りましたが、短命に終わらないことを願うばかりです。)

[2021-09-23] Surface Laptop Studio入りのイメージが出たので追加しました。

2021-06-25

Windows 11開発者向けイベントがまた突然の告知(今度は急すぎて後で見ることに)

新しい書き込みをするほどでもないか(以前の書き込み)、とも思ったのですが、一点だけメモしておきたい情報があるので、投稿します。

Windows 11の一般向け発表イベントに追加して、わずか4時間後に、開発者向けのWindows 11イベントがありました。
ビデオは、YouTube上の
Join us to see what’s next for developers(約1時間)と、
Blog記事が、
What Windows 11 Means for Developers - Windows Developer Blog (2021-06-24) です。

これもなぜ事前に告知してくれなかった・できなかったのでしょうか(急に言われても、見たくても見れないこともありますよね、私も後で見ます)。
発表イベントの中の後半で突然これが告知されました(リンクも一般的なMicrosoft Learn TVのもので、直リンクが準備できなかったのかと勘ぐってしまいます)。

発表イベントも開発者向けイベントも突然の告知の割には、結局は答え合わせの内容になってしまいました。
また、内容以前に、ストリーミングが安定して繋がりませんでした(やり遂げるためのクォリティが十分ではないと言われても仕方ないと思います、逆説的にそれだけWindowsへの人々の興味が高いという説明では納得できないですよね)。
私は即座にラッキーなことにcnetがYouTubeでミラーしているライブ配信(Microsoft Windows 11 Reveal Event (Crashing / Broken Version) - Original Livestream:更新されたタイトルが泣けます)を発見できたので、そこから視聴しましたが、そこでさえ、時々いわゆる「ピー」状態に(Microsoftからcnetへの送信でさえ不安定)なっていました。

内容的にはWindowsが欠かせないものであることを感情に訴える場面もある、そういう点では分かりやすい内容だったと思います。
しかしながら、いかにも作り込まれたビデオであり、ライブイベント感は全く感じられませんでした(舞台上から居間への瞬間移動効果が、ブラタモリの函館方式の背景画像切り替えで、人物移動をAR的に制御している、というのなら実際にライブなのでしょうが、どう見ても別々のスタジオで収録したビデを編集してつなぎ合わせたようにしか見えませんでした)。
これなら深夜の放送時刻に見る必然性は全くなくて、完成ビデオをBlogやメールで送ってくれれば(早送りとか繰り返しとでじっくり見られて)良いのにと思いました。

Androidアプリ、Amazon Fireアプリが動きます、のところだけはサプライズ(PanosがOne More Thingと言っていましたね、全体的にオマージュを狙っていると言うか。。。)でした。
そこまでできるのなら、

  • Raspberry PiをWindows 11がGUIを含めてサポートします、とか
  • Apple Silicon Mac用Windows 11を出します、とか

まで、すそ野を広げて、頑張ってほしかったです。
AMDやArmには触れられませんでした(Intelに忖度か?)
11は単なる改善版ではなくて、Windows 10を後方互換のために継続し、それとは別の全く新しいコンパクトなOSを出す、でもよかったのでは、と思います(この点は冷静に分析して、後方互換が必要不可欠と判断したのでしょう、Windows Updateをなんとか高速化するので実現したら許してねという仕切りでしょうか)。

結局Windows 10 22H1レベルのもの、もともとはWindows 10の定期アップデートで提供してほしかったような内容を、わざわざWindows 11と名前を変えて、従来のシュリンクラップ(MS Officeも2022を出す)と同じ発想の中で出してきただけですね、という少し残念な結果となってしまいました。
革新にはもう少し時間が必要なのかもしれません(Windowsが現在の生活の中で不可欠な面はお認めしますが)。

[2021-06-26] 新しいユーザインターフェースが特徴と言われていますが、従来のアプリ、たとえばメモ帳(Notepad)やMSOffice、APIとしては古いWin32/WinRTと現行のUWPに頑張って追いついてきたアプリが、そのまま「新しいユーザインターフェース」で表示されるのなら、ものすごく良いのですが、そうはならなさそうです。
現在のWindows 10でもUWPアプリと、Win32アプリ、それと独自UIのMSOfficeでは全然見た目や操作性(タイトルバーの色が付いたりつかなかったり透明だったりや、クローズボタンのサイズがバラバラなどなど)が統一されていなくて、寄せ集めのOSを日々使わされている感覚でガッカリと言うかイライラします。
Linuxでもウィンドウマネージャを入れ替えたらウィンドウを操作する基本のタイトルバーは統一されるのに、Windowsではあえてバラバラにできるのが不思議なくらいです。
Windows 11では新しいユーザインターフェースをWinUI3で提供と言っているので、これを使うようにアプリを書き換える必要があります。
またユーザインターフェース系統のバリエーションが増えてしまって、画面がますます混沌とするだけですね。

[2021-07-07] みなさ~ん、デフォルトのたった1枚のデスクトップピクチャ(壁紙)のカッコ良いイメージだけに惑わされちゃだめですよ。

2021-06-19

Android 12デバイスとしてPixel 3aを手に入れた

Android 12は久々のワクワクするAndroidと思い、お手頃価格になってきたPixel 3aを手に入れました。

Material Youと銘打ったGUIのパーソナライズ機能ですが、以下第一印象です。

  • まだベータ2なので、粗削りなのかもしれません
  • Google製も含めてアプリがMaterial Youに対応していないので、統一感のメリットがまだわからないですね
  • GUI部品が角丸長方形なのか、円なのか、楕円なのか、統一感が取れていないと感じました
  • Notification Panel(iOSでのControl CenterとNotification Centerを合わせたもの)のボタンも大きすぎてスペースが無駄と感じました(ボタンの大きさはカスタマイズできるといいのですが)
  • OS全体のUIの色合いをカスタマイズできるのが最大のウリですが、iOS/iPadOSで言うところのアプリごとのキーカラーに当たると思います
    すべてのアプリのキーカラーが同じ色になってしまうと、LINEしているのか、メールしているのか一目で判断できなくなりますね。Googleアプリのアイコンがすべて同じ色合いにそろえられて、いわば改悪されましたが、これをもっと推進する感じなのかもしれません。色ではなくてUIの形で区別させるのでしょうか

Material YouはAndroidにとどまらずChrome OSやWebにも広がっていくのだと思います。
よりよい形で発展していってほしいものです。

単なる答え合わせの会になってほしくないWhat's next for Windowsイベント、ところでなぜBuildと別枠で発表することにしたのでしょうね、期待が膨らみますね

「窓から見える外の世界、未来へ飛び出そう」、私にはそんな風に見えました。

近頃の発表イベントは事前リークと言うか漏洩が多くて、答え合わせのようにしかならなくて、ライブで見ていてとても残念な思いばかりです。
来週の「Join us to see what's next for Windows」にはそうはなってほしくないものです。

とは言え、私からも予想をひとつ(やはり予想する誘惑にはあらがい難いですね)。
Chrome OSのような、Edge OSの予感がします。
もしそうなればEdgeは先見の明のあるネーミングというか、最初からそう見据えられていたのかもしれません。
MSOfficeもすでにスマホOS版もあるし、クラウド版もキッチリ動くようになっています。
WindowsもPCのOSとしての形に固執することが無くなっていると思います。

ところでなぜ直前のBuildイベントで一緒に発表しなかった、あるいはできなかったのでしょう。
わざわざ独立したイベントになっているからには大きな話題(大きな変化?)を期待してしまいます。
Buildの元々の内容へのしわ寄せを気にしたのでしょうか(そんなことはなくて、どちらも周到に準備してるはず)。
Satyaの会長就任後の初仕事として、華を持たせたかったのでしょうか。

ほとんどの人が、家に金庫や水道のタンクを持ったりしない(でも持とうと思えば持つことは何ら難しくない、持とうと思えば自由に持てる)という、人の世のインフラ機能。
人とコンピュータの関係性も、そういう感じに確実にシフトしてきています。
金庫製造者は金融業者に、コンピュータ製造者はクラウドサービス提供者に仕事を取られる、という側面はあるにせよ、この流れが一度始まってしまうと、だれにも止められません。
人が同じことをするのに、全く違う業界の提供物・提供サービスを使うようになる、そういう流れの中でWindowsもワクワクする進化を見せて欲しいと思いました(MicrosoftもPCパッケージソフトウェアと周辺機器・PCから、サーバアプリへ、そしてクラウドサービスへ業態を広げてきました)。

発表されるのがWindows 11だとしても、それはいくつか発表されるもののうちのひとつであってほしいものです。

[2021-06-25] 発表イベント後の所感を投稿しました。

2021-06-09

Linuxアプリのグローバルメニュー化はUbuntu Unityでしかできないと思っていたけれど、Kubuntuでもできるんですね

少し前のKDEのブログから
Linuxでのグローバルメニュー表示
自分用のメモを兼ねています。
WindowsやLinuxの各アプリのメニューバーは、それぞれのウィンドウのタイトルバーの下に配置されます。
これって、貴重な画面スペースの無駄だとずっと思っています。
さらに悪いことに、MS Officeではメニューバーの代わりにリボンというまた別のメニュー方式を持ち出してきています。

どのOSでもmacOSのように、メニューバーは画面の一番上の共通エリアに表示されればいいのに、とずっと思っています。

Ubuntu Linuxでは、5年ほど前にUnityというGUIツールキットで、このグローバルメニュー (global menu) を独自に実現していましたが、現在は独自路線からより多く使われているGnomeに移行しています。
主流から外れたのはとても残念だったのですが、コミュニティーの力で、Ubuntu Unity派生 (https://ubuntuunity.org/) として提供が継続されています。

さらに先日知ったのですが、KDEの最近のバージョン (最近のバージョンはKDE Plasma 5というらしくて、すっきりしたデザインに好感が持てます) ではUnityと同じようなグローバルメニューの機能を提供しています。
Ubuntu Linuxの主流の派生のひとつであるKubuntu (https://kubuntu.org/) でもこの機能が使えるようです。

これは安定してそうで、時間を見つけて試してみたいと思います。

WWDC2021 - Apple Siliconについて一切触れられなかったのはなぜ、顔出しなしのミー文字なのはハードウェアの発表ができなかったお詫びか?

いつもながら内容盛り沢山なWWDCが今年も始まりました(developer.apple.com内のページ)。
え、本当にみんなそう思ってます?
確かに5つの全てのプラットフォーム(iOS, iPadOS, watchOS, tvOS/HomeKit, macOS)での盤石な更新はありました。
しかしながら、ハードウェア、特にApple Siliconについて何も触れられなかったのはなぜなのでしょう。
いつもなら最低でも、Apple Siliconは発売からxx%もxxしたとか、アプリの移行が50%以上進んだとか、キーノートスピーチでしか聞けないような成果や予定があって然るべきだし、当然期待しています。
もしかして、半導体不足がかなり深刻で、ハードウェアの生産見込みが業績に影響が出るほどで、需要をトーンダウンさせたい意志が働いているのでしょうか(iPhoneは多少遅れてでも出さない訳にはいかないので全ての生産をそこだけに集中させている)。
それとも、新製品の発表が直前のバグか何かで出来なくなってしまったのでしょうか。

矢継ぎ早だったApple Silicon版 MacBook Air / MacBook Pro / Mac mini / iMac / iPad Pro の発売開始のペースに慣れた私たちユーザにとって、一切何も話がないというのは期待外れというか、お預けにされてしまった感が強いです(他のサイトではこの気持ちをなかなか代弁してくれていないも不思議ですが)。
私などは、Appleサイトの役員ページがミー文字に入れ替わったのは、ハードウェアが発表できなかったお詫び、遺憾の気持ちから顔出しできなくなったのかと、真っ先に勘繰ってしまいました。

とは言え、事前予想の答え合わせ会をうまく回避した、とも言え、その点はとても素晴らしかったというか、本来のキーノートらしさを取り戻した嬉しい誤算だったと思います。

さて、私にとって気になったWWDCキーノートの5大トピックは以下です。

  • FaceTimeがAndroidやWindowsでも使える、FaceTime Link(ミー文字作成まではwebでもできたとしても動かすのはFaceTime Cemeraとアプリじゃないと無理ですよね)
  • MessagesにはMessages LinkやiCloudサイトでの扱いは無し、あくまでインタラクティブにやりとりするショートメッセージとしての位置付けからか?
  • Walletが運転免許証などのライセンスカードが扱えるように
  • iPad(とおそらくmacOS)のSwift PlaygroudからApp Storeにアプリをリリース可能に(じつは私もSwift Playgroundのリリース当時にこの機能は予想・期待していました、なお当時はまだiOSとiPadOSが分かれていませんでした)
  • ShortcutsがmacOSにも(私はまだ全然活用できていないので、今後の研究課題です)

それと私からのOne more thingです。

macOS Monterey(モントレー)のバージョン番号はmacOS 12になるようです。
developer.apple.comのページに”macOS 12 SDK”とひっそり書かれているのを見つけました。
iOSのようにどんどん数字を大きくしていくんですね。
これでバージョン99まで70年以上は番号の心配がなくなりましたwww。
(ところで、去年のEngadgetの記事に『アップル、Swatchに「One more thing」の商標を取られる』というのがあって気になりました)

2021-05-21

憧れのBang & Olufsenのサウンド、Beoplay A2をやっと手に入れた、と思ったのも束の間、新製品Beosound Exploreがちょうど発売

こちらがBeoplay A2
新発売のBeosound Explorer
高さがA2の短辺とほぼ同じ、
Beosound A1よりかなり小柄、
シルエットのサイズは
Beoplay P2に近いかも

書斎用に、中古ですが、かのBoeplay A2を手に入れました。
これが私にとっての初B&Oです。
Beoplay A2はBang & Olufsen社の歴史上、初のポータブルスピーカーで、販売台数を最もあげた製品とのことです。
Beoplay A2の初代モデルの発売は2014年です(AV Watchの記事)。
寸法から事前にiPad Pro 11インチと同じくらいかと予習していたのですが、実際に手に取ってみると厚みがあって結構なサイズです。
とはいえ、比較的大きな7.6cmのバススピーカー2個、1.9cmのツイーター2個、それにパッシブラジエータが収まっていることを考えると、むしろ小さくまとまっていると思います。
M1 MacBook AirにBeoplay Software Updaterアプリを入れて、mini USB to USB AケーブルとUSB A/C変換アダプタで接続し、ファームウェアを8.xから9.3.4にアップデートして、無事にiPad/iPhoneのBang & Olufsenアプリでイコライザ設定ができるようになりました。

※1:Beoplay A2の前面カバーの中にメンテナンスポートがあるのですが、microではなくてマイナーなmini USBなので注意が必要です。古いケーブルのを引っ張り出してきました。
※2:スマホ用のアプリでもファームウェアアップデートできるようですが、スマホ側をホストモードで接続するUSBケーブルが難しい(iPad/iPhoneだとカメラアダプタ)のと、Bluetooth経由のアップデートは怖いし、そもそもファームウェアが古くてアプリから認識されなかったので、素直にパソコンでアップデートすることにしました。
※3:iPad/iPhone用にはB&O AR Experienceという仮想お試しアプリもあるので、購入前に自分の部屋にBang & Olufsenのスピーカー、ヘッドホン、テレビを置いてみることができます。ただしBeoplay A2は旧機種なのでARには入っていませんでした。

サウンドは素人の耳にもパソコンの内蔵スピーカとは全然違うことがわかります。
音量を下げてもバランスが崩れません。
最新のM1 iMacと勝負させてみたい気分です。

と、感慨に耽っていたところ、今日ちょうどBang & Olufsenから、ポータブルスピーカーの新製品が発表されました(リリース情報(英語)製品ページ(早速日本語あり))。
新製品Beosound Exploreは4.6cmスピーカー2個(ステレオかどうかは期待薄、Beoplay P6でもステレオという情報がないので)、IP67防塵防水の円筒型ボディー、US$199で、USオンライインストアでは今日、日本では5月24日から発売です。
私が探していたのとはちょっと違うので、なんとかギリギリセーフです。

なお、今後のB&Oの製品名は、Beosoundがスピーカー、Beoplayはヘッドフォンになるように思います。

[2021-06-05] 新製品はBeosound Explorer (エクスプローラー) ではなくてExplore (エクスプロア) ですね、訂正しました。

2021-05-05

Apple Silicon Mac上でIntel版Windows 10をインストールする手順(UTM app)

このブログではUTM appを使ってIntel版のWindowsを動かす話題を取り上げてきました。
もう一度言います、UTM appを使えば、Arm版のLinuxやWindowsだけでなく、Intel版のWindowsを動かすことができます。

今回はApple Silicon Mac上でIntel版Windows 10をクリーンインストールする方法です。
少しコツが必要でしたので、その手順を紹介します。
UTM appはLinuxの世界では有名なCPUエミュレータであるqemuを、macOSやiOS/iPadOSで簡単に使えるようにしたアプリで、ここ(App Store版、またはフリー版)から入手できます。

Apple Silicon MacBook Airの8 Coreを全て使えばIntel CPUの実機の1/2〜1/4くらいのパフォーマンスで動作します。
以前の検証では1/4〜1/8くらいのスピードしか出ず、実験程度にしか使えない状態でしたが、今回改めてWindows 10をクリーンインストールしたら俄然速くなりました。)

以下、Apple Silicon Mac上にIntel版Windowsをインストールする手順です。

  1. 準備物は3つ。
    UTM app(App Store版、またはフリー版をあらかじめインストール、現在のバージョンは2.0.27です)、
    Windows 10のインストーラISOファイル(わたしが試したのはWindows 10 version 2004 日本語版)、
    追加ドライバISOファイル(UTM appのサイトのもの)です。
  2. UTM appを起動します。
  3. + ボタンで新しいVMを作成し、以下の設定を行います。
    [Information] タブの [Name] でVMの名前をつけます(あとでも変えられます)。
    [System] タブの [Architecture] で [x86_64]、[Memory] を 4096MB(わたしは余裕を持たせて6GB)に指定、[Show Advanced Settings] をチェックして、[CPU Cores] で 8Coresを指定します。
    [Drives] タブで、[New Drive] ボタンを押して30GBのシステムディスクを作成します。さらに [Import Drive] ボタンを押してWindowsのISOファイルを指定します。再度 [Import Drive] ボタンを押してダウンロードしたspice-guest-toolsのISOファイルを指定します。3つとも [Interface] は [IDE] です。
    [Display] タブの [Emulated Display Card] に [vmware-svga] を選びます(vmware-svgaがいちばん安全と思います)。
    [Sound] タブの [Emulated Audio Card] に [Intel HD Audio Controller (ich9)] を指定します(デフォルトの [Intel 82801AA AC97 Audio] ではドライバが見つからないため)。
    以上を指定したら、[Save] ボタンを押します。
  4. 右三角ボタンで、作成したVMを起動し、Windows 10のインストールを行います。
    インストーラの中で2回のリブート(「ファイルのコピー」の後の「再起動します」のところと「準備しています」の後)がありますが、インストーラ中の自動再起動はうまくいかないので、画面が真っ黒になって、アクティビティモニタで見ていてCPUが約100%で一定になったら(処理中は300%とか500%とかの高負荷)、Windowsの表示ウィンドウのボタンで強制停止したのち起動させます。
    インストーラの最後の方でのシステム更新は、わたしはインストーラを早く終わらせたいので行わないです。
    ユーザの設定等の後、最後の「現在準備中です」のところで「予想よりも少し長くかかっています」と出ますが、無事完了して、Windows 10が起動すると思います。
    インストールは約1時間で終了します(実機に比べてそれほど遅くないですね)。
  5. 起動したWindows 10にログインします。
    最初は実機でも同様なのですが、デバイスの自動構成([QEMU USB Keyboard] など)やWindows UpdateやSearch Indexerが動くので負荷が高いです。
    いつも動いてしまうOneDriveは、わたしはタスクマネージャの [スタートアップ] タブで [停止] にしています。
    デバイスマネージャを見ると [PCIシンプル通信コントローラ] が警告状態になっていると思いますので、[ドライバの更新] で E: ドライブを指定してドライバをインストールします([VirtIO Serial Driver] (Red Hat, Inc.) がインストールされます)。
    それと、ライセンス認証を行います。
    システムが落ち着いてくると、30秒ほどで起動、1分で停止するようになりました。

むかしはWindowsのインストールといえば半日仕事でしたが、上記手順は2時間もあれば完了します。

Apple Silicon Mac上では、ParallelsもVMware Fusionも、もちろんBoot ChampもIntel Windowsへの対応の望みが薄い中、今UTM appは現実に動作する解です。
実行速度の不利さもM2 Macになればすぐに解決すると思います。
いかがでしょうか。

[2021-10-31] CPU Cores数の設定は、初期のM1では全コア数の最大の8がおすすめです。
M1では高性能コアが4つですがM1 PRO/MAXは高性能コアが8つなので結果はかなり違うと思います。
10に設定すると多少でしょうがさらに上がると思われます。

[English version of this post]

2021-05-02

私のMacBook AirのUS配列のキーボードをカスタマイズして、左端の一番の特等席をCtrlに

カスタマイズ後の私のM1 MacBook Airのキーボード

MacBook Air/ProのUS配列キーボードや、外付けコンパクトキーボード(テンキー無しキーボード)でどうしてもしっくり来ないのが、左下端のfnキーです。
この位置は、手探りでも間違いなく確実に押せるいちばんの特等席なのに、通常のタイピングでは全く使わないfnキーが置かれています。
ターミナルでのコマンド操作や、リモートデスクトップでのWindowsへの接続ではCtrlキーをよく使います。
この場所はWindows機でよくあるようにCtrlキーになっているべきです。
JIS配列(日本語配列)のキーボードの場合、Ctrlキーは文字Aの左(US配列でのCaps Lockの位置)にあってとても優遇されているのに比べると、ひどいものです。

MacBook Air(とMacBook Pro、それにテンキー無しの現行のMagic Keyboard)をよく見ると、都合の良いことに、fnキーとCtrlキーのサイズが同じなので、入れ替えられそうに見えます。
キーの手前の左右の角に精密ドライバを差し込んで、注意深く持ち上げてやると、パチンと爪が外れ、そのまま手前にずらすとキートップを取り外せます。
この要領で、MacBook AirのfnキーとCtrlキーを入れ替えたのが右の写真です(ちなみにMicrosoft Lensアプリで写真を長方形に綺麗に補正しました)。

最初はどことなく違和感を感じますが(どうでしょう、あなたは違いに気づきましたか?)、目はすぐに慣れますし、なによりCtrlキーの押しやすさに雲泥の差が出ます。

物理的にキートップを入れ替えただけではもちろん動作は変わりません。
キーカスタマイズアプリの定番、Karabiner Elementsを使って、キーを押した時に入力されるキーコードを入れ替えてやる必要があります。

【fnとCtrlを入れ替え】
設定は簡単で、2番目の画面のように、[Simple modifications] タブで、fnをleft_controlにお互いに入れ替えるだけです。
[Target device] のところは、規定値の [For all devices] でも良いのですが、他の外付けキーボードを接続した時のことも考えて、私は [Apple Internal Keyboard / Trackpad (Apple Inc.)] を指定しました(本体のキーボード以外ではこの入れ替えを実行しない)。

物理的なキートップの入れ替えまでやらないにしても、Karabiner ElementsのfnとCtrlの入れ替え設定は、Ctrlキーを多用するUS配列の方には是非とも試してみていただきたい設定です。


以下、長くなりますが、私がKarabiner Elementsで設定しているあと3つの便利な設定を紹介したいと思います。
いずれも [Complex modifications] で設定するものです。

【Ctrl+DeleteをDelに】
WindowsではBackspaceキーで左の一文字が削除、Delキーで右の一文字が削除されるので、カーソル位置の文字を消したい時に一発で行えてとても便利です(カーソルを消したい文字の右側に移動してから削除とやらなくて良い)。
もしかすると、それほど知られていないかもしれませんが、Macでは、fn+DeleteでWindowsのDelのように右側の一文字削除を行えます。
今回fnとCtrlを入れ替えたがために、fn+Deleteが押しにくくなってしまいました。
これをカバーするために、Ctrl+DeleteでもDelが実行されるようにしたいと思います。

この設定は Karabiner Elements にテンプレートとして用意されています。
[Complex modifications] の [Add rules] ボタンを押した後、
[Import more rules from the Internet (open a web browser)] を押し、
開いたブラウザの中で "backspace" を文字列検索し、見つかった [Map Ctrl+Backspace-Delete to Fn+Backward-Delete (suppr current character)] を
[Import] します。
すると一覧に [Map Ctrl+Backspace-Delete to Fn+Backward-Delete (suppr current character)] が表示されるので [Enable] します。

【Caps Lockキーで日本語英語入力切り替え、ただしリモートデスクトップでは何もしない】
US配列キーボードで日本語を入力するには、メニューで [あ] を選んでも良いのですが、M1 Macではfnキーに地球儀マークがありこのキーで切り替えることができます。
さらにキーボード環境設定の [入力ソース] タブの [Cpas LockキーでABC入力モードと切り替える] にチェックを入れると、Caps Lockキーを日本語英語切り替えに設定できます。
このCaps Lock設定を行うと、リモートデスクトップで接続先のOSに対して本来のCaps Lockキーが送信されなくなってしまい、とても不便です(WindowsでもCaps Lockキーを日本語英語切り替えに設定している場合には動作しなくなる)。
Karabiner Elementsを使うと、この悩みを解消することができます。

Karabiner Elementsの [Complex modifications] では、対象アプリを絞ったり、除外したりしてキー割り当てのカスタマイズを行うことができます。
テンプレートとして用意されていない設定は、設定ファイルを作成することで対応します。
フォルダ /Users/your_user_name/.config/karabiner/assets/complex_modifications に以下の内容のJSONテキストファイルを作成します。

{
  "title": "For Japanese",
  "rules": [
    {
      "description": "Caps_lock to Toggle ja/en unless RDC",
      "manipulators": [
        {
          "type": "basic",
          "conditions": [
            {
              "type": "frontmost_application_unless",
              "bundle_identifiers": [
                "^com\\.microsoft\\.rdc\\.macos$"
              ]
            },
            {
              "type": "input_source_if",
              "input_sources": [
                {
                  "language": "ja"
                }
              ]
            }
          ],
          "from": {
            "key_code": "caps_lock",
            "modifiers": {
              "optional": [
                "any"
              ]
            }
          },
          "to": [
            {
              "key_code": "japanese_eisuu"
            }
          ]
        },
        {
          "type": "basic",
          "conditions": [
            {
              "type": "frontmost_application_unless",
              "bundle_identifiers": [
                "^com\\.microsoft\\.rdc\\.macos$"
              ]
            },
            {
              "type": "input_source_if",
              "input_sources": [
                {
                  "language": "en"
                }
              ]
            }
          ],
          "from": {
            "key_code": "caps_lock",
            "modifiers": {
              "optional": [
                "any"
              ]
            }
          },
          "to": [
            {
              "key_code": "japanese_kana"
            }
          ]
        }
      ]
    }
  ]
}

このJSONファイルを作成したのち、[complex modifications] の [Add rule] ボタンを押すと、一覧に [Caps_lock to Toggle ja/en unless RDC] が表示されるので、[Enable] します。

【リモートデスクトップの中では右CommandキーをApplicationキー(ポップアップメニュー表示)に】
Windows機でスペースバーの右の方にあるポップアップメニューのキー(正式にはApplicationキーと言う)は、わざわざマウスに持ち替えて右ボタンを押すのを省けてとても便利です。
Macのキーボードにはこのキーがないので右のCommandキーで代用したいと思います、ただしリモートデスクトップを使っている時だけ。

一つ前の設定と同様に、フォルダ /Users/your_user_name/.config/karabiner/assets/complex_modifications に以下の内容のJSONテキストファイルを作成します。

{
  "title": "Windows context menu",
  "rules": [
    {
      "description": "RDC right_command to context_menu",
      "manipulators": [
        {
          "type": "basic",
          "conditions": [
            {
              "type": "frontmost_application_if",
              "bundle_identifiers": [
                "^com\\.microsoft\\.rdc\\.macos$"
              ]
            }
          ],
          "from": {
            "key_code": "right_command"
          },
          "to": [
            {
              "key_code": "f10",
              "modifiers": [
                "shift"
              ]
            }
          ]
        }
      ]
    }
  ]
}

このJSONファイルを作成したのち、[Complex modifications] の [Add rule] ボタンを押すと、一覧に [RDC right_command to context_menu] が表示されるので、[Enable] します。