2020-03-23

iPad Proの「フローティング」Magic Keyboardの隠れたスペック:使用角度の最大仰角130度、ポップアップ高さ+20%、キーストローク1mm、キーピッチ19mm or 18mm

iPad Proの新しい ”Floating” Magic Keyboard with trackpad and backlightの発売は2020年5月。
もし、いま発売開始なら、現物を見ずにiPad Pro本体とともに即座にポチっていたと思います。
ひさびさのAppleらしい革新的なワクワクするプロダクトですね。

キーボードが浮かぶ、もとい、キーボードから画面が浮かぶ配置は、そういえばデスクトップでは自然でしたが、ノートブックやタブレットでのヒンジを中心に折りたたむ定番のクラムシェル構造の中からは今まで生まれてきませんでした。
(iPad用スタンドではありましたが、コンパクトではないものばかり。)

ヒンジ部分に本体を支えられるだけの強度を持たせ、もう一段の折り曲げ構造を加えることで画面をフロートさせる新しい構造です。
水平まで広げられれば一番良いのですが、バランスの問題から、ある程度の角度が限界になります。
Appleのサイトの説明によれば、最大130度となっているので、最近のMacBookシリーズの最大角度とほぼ同等です。

実際の写真を元にどんな感じなのかを描いてみました。
公開されている写真の角度は120度の状態でした。
逆方向の最小角度は100度になります(100度で本体がキーボードにぶつかる)。

次の図は、より概念的にわかるように、模式図にしたものです(キーとトラックパッドの位置も記入してあります)。
通常のノートPCの構造に比べて、テーブルの上で、かなり小さな奥行スペースで操作できそうです。

これは、描いてみてはじめて気づいた疑問ですが、ヒンジ部分を自由な角度で停止できるように強度を持たせるまでは良いのですが、iPad本体側の折り曲げ部分の方も、一定角度で止まるように作られていないといけません。
Microsoft Surfaceのキックスタンドの折り曲げ部分は金具が入っているのですが、iPad Pro Magic Keyboardはソフトカバー構造なので、どのような仕組みになっているのか、現物を見てみないとちょっとわかりません。
重力に頼っているにせよ、一定角度で止まる仕組みが組み込まれているはずです。

フロートすることによる最大のメリットは、見た目よりもおそらく、iPad本体というか画面が視線により近くなることです。
特に小画面のノートPCを使う際には背中を丸めた姿勢になってしまいがちですが、それが大幅に防げそうです。
フロートで得られる量は、真ん中の図を使って測ってみると、高さ方向で約32mm、画面に沿った方向で約43.5mmです(12.9インチモデルでの想定)。
画面の高さ(214.9mm)サイズ比から2割もポップアップすることになります。
12.9インチなのに、画面の上端が16インチMacBook Proよりもすこし高い位置まで引き上げられます。

デメリットもおそらくあります。
この構造ではおそらくヒンジを360度まで回転させることができなくて、キーボードを裏側に折り畳むいわゆるタブレットモードにはできないと思われます(いわゆる2in1 PCみたいにヒンジがぐるっと回る構造をさらに付け加えるのはおそらく無理)。
せめてSmart Keyboardを畳んだ状態で、外側にもiPadをくっつけられればよいのですが。

さらに欲を言えば、画面をポートレートモードでも使えたらもっと最高でしたが、Smart Connectorの接続位置を考えると、(縦ではフロートしなくてもよいのですが)現状では無理そうです(私はずっと前からお願いしているつもりですが)。

キーボードのメカニズム自体はMacBook Pro 16やMacBook Air 2020と同じキーストローク1mmの新しいシザーキーボードになったとのことで、やっときちんとしたキーボードがiPad向けに提供されることになります。
キーピッチも今回写真から計測してみました(3つ目の図は、11インチ、12.9インチ、日本語版、英語版です、今回日本語版でも英語版でも主要キーの大きさは変わらないことも分かりました)。
12.9インチ用が19mm、11インチ用が18mmと、フルサイズが確保されています。

さて、フロート構造で稼げる高さもできるだけ大きく取りたい考えると、12.9インチが一押しになりそうです(Magic Keyboardを選んでから本体を選ぶことに、本体は第3世代の整備再生品か中古でよい)。
販売開始までの時間が待ち遠しい限りです。

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