2013-06-18

iOS 用の Office Mobile for Office 365 subscribers の編集機能を使ってみた

Microsoftが突如としてリリースしたiOS向け(iPhone/iPod touch)のOffice Mobileを、USのiTunesカードとMSDNの開発者ライセンスを駆使して一足先に入手する事が出来ました(私の速報記事はこちら)。
全体の機能をざっと眺めてみたいと思います。

一昨年あたりから、iOS向けにフル機能のOfficeが準備されているようだという噂がしきりにあがっていましたが、ふたを開けてみるとWindows Phoneと同等の縮小版のOffice Mobileでした。
もちろんSurfaceやWindows 8タブレットとの差別化が意識された結果だと思われます。

このiOS版のOffice Mobileはインストール自体は無償ですが、Office 365(クラウド)へのログインが必須なので、位置付け的にはOffice 365の利用者特典と言えます。
なお、Office 365とSkyDriveはいずれもMicrosoftのクラウドサービスで、提供するアプリの機能レベルは全く同じで、Office 365はSkyDriveに比べて、企業および団体・グループ向けにSharePoint共有とユーザ管理機能が付いている点が違います。
最初はわかりにくいのですが、ログイン先はそれぞれ以下のようになっています。
  • SkyDriveのログイン先は https://skydrive.com/ または https://office.com/ または https://login.live.com/ で、
    ユーザIDのドメイン名は自由に選べる。
  • Office 365のログイン先は https://login.microsoft.online.com/ で、
    ユーザIDは xxx@yyy.onmicrosoft.com の形式が必須、yyyは組織名。
よって、iOS版のOffice MobileのプライマリのユーザIDとして xxx@yyy.onmicrosoft.com が必要となります。

iOS版のOffice MobileではWordとExcelとPowerPointの機能がOffice Mobileの内部機能として提供されます。
文書の保存先はOffice 365のサイト、SkyDrive、SharePointのみで、ローカルに独自に保存する事は出来ません。

ビューアとしてWord、Excel、PowerPointはかなりの完成度のようです。
編集機能はとても限られたものです。
編集のためのメニューはステータスバーに4つだけ用意されていて、それぞれ、
  • [戻る]:文書を閉じる、編集している場合は保存するかどうかを聞かれる。
  • [ファイル]:[共有](メールで送信)、(編集内容を)[保存]、[名前を付けて保存](別名で)
  • [編集]:文書の編集を行う。
    Wordでは文字の書式設定。
    Excelでは [書式]、[やり直し](Redo)、[元に戻す](Undo)、[グラフの作成](別シートへのグラフ作成のみ)、 [クリア](セルの内容のDelete)、[オートSUM] 。(Excelではセルに計算式や関数を入力する事はもちろん出来ます。)
    PowerPointでは [スライドの文字列の編集]、[スライドの移動]、[非表示/表示スライドに設定] 。
  • [表示]:検索その他を行う。
    Wordでは [アウトライン](本文の文字のみを一覧)と [検索] 。
    Excelでは [アウトライン]、[並べ替え]、[フィルタの適用/削除](ドロップダウンで表示内容を絞り込む機能)、[検索] 。
    PowerPointでは [スライド一覧の表示] (検索がない)。
と非常にシンプルになっています。
これがすべてです。

Windows/Mac版のOfficeやOffice 365のOffice Web Apps (OWA) で挿入・編集した、Wordのクリップアートや、シート上のグラフはちゃんと表示され、Excelの場合は数値を変えるとちゃんと追従して表示されますが、それらのオブジェクトの大きさや位置を変えたり、削除したりする事はOffice Mobileでは出来ません。
iOS上の他社のOfficeツール(AppleのiWorkなど)で出来るような事もこのOffice Mobileでは出来ない事が多いようです。
iPadであればSafariでOffice Web Appsを使った方がストレスが少ないかもしれません。

純正のOfficeとして非常に期待が高かったのですが、現時点では非常に制約されたアプリと言わざるを得ないです。
機能レベル的の大小関係は、
  • PC/Mac版のOffice > Office RT (VBAが動かない) > Office 365/SkyDriveのOWA >>> Office Mobile
といった感じですね。

以下の画面は、Office Web Apps で作成した文書をOffice MobileのWordとExcelで編集しようとしているところです。

Office MobileのWord(クリップアートはOWAで挿入したもの)
Office MobileのExcel(右に一部見えている円グラフはOWAで挿入したもの)
[2013-06-19] 追記です。
週アスPLUSの記事「iPhone版Office365アプリが登場 できること、できないこと(追記)」が、表示機能と編集機能について、詳しく書かれています。
また、Japan Official Office Blogにて、日本向けにはリリースされない旨発表がありました。

No comments:

Post a Comment