2020-11-28

ASRockから今度はRyzen 4000 Mobile搭載のミニPCが追加、MARS 4000U

以前の記事で、ASUSとASRockのAMD ZEN 2世代のRyzen搭載のミニPCを紹介しました。
ASRock DeskMini X300 (amazon)はデスクトップRyzen APU用のソケットが付いているので自由にCPUを選べて良いのですが、ASUS PN50 (amazon)の4750U/4800U搭載版はなかなか発売開始されず、4500U版も在庫切れのままでやきもきしているところです。

そんな中、ASRockから追加で、Ryzen 4000 Mobile搭載のミニPC、ASUS MARS 4000Uが発表されました。
デスクトップRyzen版のミニPCから減りますがそれでも、ストレージがM.2とSATAの合計2台内蔵可能になっています。
CPUは4300U (4Core 4Thread)、4500U (6Core 6Therad)、4800U (8Core 16Thread)から選べます(モバイルCPUなので付け替えはできない)。

早速 Neweggというカリフォルニアの通販会社が販売を開始しています。
現在は6 CoreのRyzen 5 4500U Mobile版のみで、\46,441となっています(CPUのみ付属。メモリ、ストレージ、OS無しです)。
8 Core 16 Threadの4800Uはおそらくこれより2万円くらい高くなると思われます。

デスクトップ版CPUのRyzen 7 PRO 4750G 8 Core 16 ThreadはTDPが他と同じ65Wとはいえ、ミニPCには排熱設計的に少々無理があるというレポートを見かけます。
モバイル版CPUならTDP 15W、cTDP 10-25Wなので、ミニPCにはうってつけ、安定して動作するのではないでしょうか(さらに縮小してラップトップまで行くと厳しいかも)。

5nmのApple Siliconのパフォーマンスで話題騒然の中ですが、ADM ZEN 2 Ryzen 4000は7nmなので、Apple M1と順当な勝負ができます
Windowsや、従来のLinuxとの互換性を重視するならRyzenは良い選択肢だと思います。


[2020-12-26] Mouseコンピュータからmouse CT-6という名前で4500U版の販売をするようです(PC Watch - マウス、Ryzen搭載で厚み2.8cmの超小型パソコン「mouse CT6」を本日店頭先行発売。税別6万9,800円から)。

こちらは、デスクトップ向けの 8Core/16Thread Ryzen 4750GEですが、ThinkCentre M75q Gen 2 も割引クーポンが使えてかなりお得なようです(こちら、岡ちゃんさんのYouTubeで知りました)。サイズは 182.9 x 179 x 36.5mm。

またさらに、ベアボーンのミニPCがASrockから出ていますね(Ark - ASRockから久々なベアボーンは組み込み向けRyzen搭載、コンパクトベアボーン「4X4 BOXシリーズ」)。こちらは組み込み用低電力の第一世代ZenのRyzenプロセッサです。サイズは 110.0 x 118.5 x 67.3mm。

2020-11-26

Apple Silicon MacでshellをIntelモードで簡単に起動するには arch -arch x86_64 zsh、Intelコードをコマンドで作成するには cc -arch x86_64、Universalバイナリ作成は lipo -create

新しいコンピュータでまずやってみるのがHelloWorldアプリ。
Xcodeでの例はたくさんあると思います。
でももっとシンプルにC言語でのHelloWorldももちろん作れます。
macOSは少し特殊なので、「はじめてのC」の方でも作成できるように、手順を少していねいに紹介してしてみたいと思います。

macOS上でのはじめてのプログラムの作り方(Xcodeに頼らずに)
こんな感じのソースコードをテキストエディット(textEdit.app)に入力します。

#include <stdio.h>
int main () {
    printf ( "hello world.\n");
}

この内容をソースコードとして保存するためには、少し面倒ですが、次のおまじないが必要です。

保存する前に [フォーマット] => [標準テキストにする] を指定します(※1)。
ファイルの保存は [ファイル] => [保存...] メニューなのですが、以降のCLIコマンドで扱えるように次の指定をします。
保存先シートの [場所:] がデフォルトでは [書類] が選ばれていると思いますが、この一覧から自分のユーザ名を選び(またはShift+Cmd+H)、
その右側の下矢印 [v] を選んでフォルダ一覧を出します。
さらに [新規フォルダ] ボタンを押して、[名称未設定フォルダ] のところを tmp に書き換えて [作成] ボタンを押します(※2)。
保存先シートの [名前:] に a.c と入力し、[保存] ボタンを押します。
※1 プログラムファイルはテキスト形式にするのが必須なので、このようにします。)
※2 書類フォルダに a.c を保存することもできるのですが、次に実行するターミナルでのアクセスがmacOSの保護機能で制限されるので、このようにします。)

次にterminal.app(アイコン名はターミナル、アプリケーション配下のユーティリティフォルダの中にあります、あるいはCmd+Spaceでterminalまたはターミナルで検索してもよいです)を起動します。

ターミナルアプリの中で shell が起動されます。
まずはプログラミング環境一式を整えるために make コマンドを呼び出します。

make

すると、右の図の1つ目のダイアログが表示されますので、指示の通り [インストール] ボタンを押します
(このように必要なものがオンデマンドでインストールを促されます、面白いですよね。
 事前に Xcode をインストールしてある場合はこのダイアログは表示されません)。
次のコマンドでコンパイルします。

cd tmp
cc a.c

これでエラーメッセージがでなければ a.out という名前で、アプリの実行ファイルが作成されます。
ファイルの確認は次のコマンドでできます。

ls -l

作成したアプリは次のようにして実行できます。hello worldと表示されれば成功です。

./a.out

動きましたか?

Intel版アプリの作成方法
この手順でアプリを作成するとApple Silicon専用のアプリが作成されます。
file コマンドで確認すると、a.out: Mach-O 64-bit executable arm64 と表示されると思います。

file a.out

Apple Silicon Mac上で、Intel用のアプリを作成することもできます。
コンパイルする際に次の指定を行います。

cc -arch x86_64 a.c

先ほど同じように file コマンドで確認すると a.out: Mach-O 64-bit executable x86_64 と表示されます。

file a.out

作成したIntel用のアプリも同じ様に実行できます。

./a.out

ただし、今度は右の図の2つ目のダイアログが表示されます。
これは、macOS Big Surの初期状態ではRosetta 2がインストールされていないためなので、ここでも [インストール] ボタンを押します。
Rosetta 2のインストールが終わるとIntel版の a.out アプリが実行できるようになります。

Universalアプリの作成方法
さてここで私は、macOSが提供しているコンパイラアプリ自体はApple Silicon用なのか、Intel用なのかの疑問が湧きました。
次のコマンドで見てみると、Apple SiliconとIntelのUniversalアプリになっていることがわかります。

file /usr/bin/cc

自分でUniverasalバイナリを作成するには次のようにします。

cc a.c
mv a.out a_arm64.out
cc -arch x86_64 a.c
mv a.out a_x86.out
lipo -create -output a.out a_x86.out a_arm64.out

このコマンドで a.out が作成されます。
file コマンドでUniversalになっていることを確認してください。

file a.out

もちろん実行も問題なくできると思います。

./a.out

Intelモードのshellを起動する最も簡単な方法
先ほどやってみたように、Apple Silicon版でもIntel版でもアプリは区別なく必要に応じて自動的にRosetta 2で翻訳されて実行されるので、通常の利用目的ではとても都合が良くできています。
ところが、アプリ開発やパフォーマンス検証等の目的で明示的にIntel版環境を使用したい場面もあります。
その場合は、最初からターミナルのshellをIntel版にしておくのが便利です。
他の方のブログ等では、ターミナルアプリ自体の属性を [Rosettaを使用して開く] に明示的に変更する方法が紹介されているケースが多いです。
しかしながらこの方法はmacOSの [アプリケーション] => [ユーティリティ] に保存されているターミナルアプリを直に書き換えることになるため、あまりスマートではないと感じていました。

次のコマンドを使用すれば、ターミナルアプリの設定を書き換えることなくIntel版環境のshellを起動できることがわかりました。

arch -arch x86_64 zsh

実行中のshellがApple Silicon版なのかIntel版なのかは、次のいずれかのコマンドでの確認できます。

arch
uname -m
echo $CPUTYPE
machine

Intel版のshellからApple Silicon版のshellに戻るには次のコマンドを使います。

exit

逆に、Intel版のshellからApple Silicon版のshellを呼び出すのは次のコマンドです(引数に注意)。

arch -arch arm64e zsh

なお、Intel版環境のshellでは、Universalアプリはx86_64のコードが優先的に実行されます。
少しややこしいのですがIntel版環境においてもApple Silicon専用のアプリを意識することなくそのまま実行できるようになっています(macOS自体がApple Siliconなので)。

archコマンドでCPUタイプを指定した起動を行えるのはshellだけではありません。
例えばSafariをIntel版で動かしたい場合は次のようにします。

arch -arch x86_64 /Applications/Safari.app/Contents/MacOS/Safari

一発で起動できて、これ捗ります。

[English version of this post]

2020-11-23

Apple M1 MacBook AirとiPad ProのUSB-Cポートは(おそらく)規格が違うので要注意

[2021-04-04] その後、USB-Cケーブルを交換し、Apple M1 MacbookとiPad Proの両方で画面出力を正常に行うことができるようになりました。
こちらの記事
を参照願います。

 

待望のApple M1MacBook Airがわたしにも届きました。
少しずつ試しているので、分かったこと、気になったことを記事にしていきたいと思います。

まずは2つあるUSB-Cポートについて。

Apple M1 MacBook Air/Proの仕様表には、Thunderbolt 3/USB 4と書いてあり、対応する接続は、充電、DisplayPort、Thuderbolt 3 (40Gbps)、USB 3.1 Gen2 (10Gbps) となっています。
ビデオ出力としては、Thuderbolt 3、USB-C経由のDisplayPort、アダプタを介してVGA、HDMI、DVI、Thuderbolt 2となっています。

他方、最初にUSB-Cを採用したiPad Proには、単にUSB-Cとしか書かれていません。

一見、同じかと思ったのですが、少し試した中でも違いがありました。

  • iPad ProをUSB-CでLGの4Kディスプレイに接続すると正常出力、M1 MacBook Airでは充電はされるがディスプレイ出力はされません。
    ディスプレイはLG 32UL750-Wです。
    信号方式・接続方式はThunderbolt 3ではなくてUSB-C DisplayPort Alt Modeです。
    このことから、iPad ProはAlt Modeに対応しているが、M1 MacBook Airはおそらく対応していないのか、互換性の問題、ということになりそうです。
    これ、とてもまずいです。
  • iPad ProはUSB-Cしかなくて有線ヘッドホンが接続できなくて不便です。
    そのために、USB-CドックとしてサンワのKC036CMH(USB-C入力、PD用USB-C、HDMI 4K 60Hz出力、ヘッドホン出力、USB 2.0)を使っています(イーサプライ版も同じもの)。
    試しにこのUSB-CドックをM1 MacBook Airに接続し、HDMIケーブルで4Kディスプレイに接続すると、4K 60HzかつHDRできちんと表示されました。
    同時にUSB-Cからの充電もできました。
    なぜ、ドックを噛ませるとうまくいくのかは、ちょっと説明に苦しみます。
    が、わたしの環境では、USB-Cドックが流用できて、なんとかギリギリセーフです。
  • M1 MacBook Airの対応一覧に載っている外部ディスプレイは、Apple Pro Display XDR (6K)、LG UltraFine 5K、LG UltraFine 4Kですが、いずれもデイジーチェーンに対応しているものなのでThunderbolt 3接続で間違いありません。
    このことから、少なくとも現状は、外部ディスプレイはThunderbolt 3接続のみで、USB-C DisplayPort Alt Modeでの接続はできない可能性がもしかすると高いのかもしれません。
    将来的にドライバが改善されて出来るようになるのかもしれません。
    複数ディスプレイに対応していないこと以前に、互換性にも注意が必要なのかもしれません。

 

[2020-11-24] これ、何も起こらなかったら気付けなかった愛おしさの一種ですね。

ちなみに、キーボードは、不幸なパンタグラフキーボードの数年を経てのMagicKeyboardなので、注意深く触ると少し独特だけれども、とても安定したキーボードです。
唯一奇異なのは、TouchIDカメラの邪魔をしないように何のシンボルも刻印されていない、のっぺらぼうの電源ボタン。
トラックパッドも、思い通りに反応してくれる安定・絶品のMagicTrackpadです。

2020-11-19

Apple M1 Macが速いのは、Appleの魔法、ではなくて5nm世代のCPUなので当然、と誰も書いていないのであえて書く

ベースモデルのApple M1 MacBook Air、Pro、Mac miniが順調に出荷され、驚きの声、喜びの声が上がっていますね。
さすがAppleとか、今までのIntel版は何だったんだと、いろいろ書かれてもいます。

でもよくよく考えてみると、Apple M1は他社に先駆けて5nmプロセスルールで作成されていて、パフォーマンスの差は利用テクノロジーの違いによる当然の結果なのかもと思えてきました(物理の法則)。

Intel CPUは残念ながら最新の11Genでも14nmと、2世代も前のチップ技術です。
AMDはこの秋に出たZEN 3(5xxxxシリーズ)と、去年から出ているZEN 2(デスクトップの3xxxと4xxxGとモバイルの4xxxxU)は、7nmプロセスです。

プロセスルールとパフォーマンスの関係が分かる、ちょうどよいベンチマークが @yasei_no_otoko さんTwitter 投稿 に出ていました。
5nmのIntelと、7nmのAMDと、5nmのAppleが、コア数とTDPを加味して見るときれいに並んでいます(?!)。
Apple M1は4コア+4コア(実質6コアくらいか、パフォーマンスコアと高効率コアの組み合わせなので多少評価が難しい)でファンレスMacBook AirならTDP 15Wくらい。
AMD Ryzen 7 4800Uは8コア 15W、4900HSは8コア35W、5600Xは6コア 65W、5800Xは8コア 105Wです。
Intel Core i7 10700Kは8コア 125W、10900Kは10コア 125Wです。
プロセスルールが一世代が進めば1.2x、コア数2xで約2x、TDP 2xで1.2xみたいな傾向に見えませんか。

Mac miniはデスクトップとはいっても、中身はモバイルの設計です。
従来のIntel版のMac mini、iMacとも近年はずっとそうで、iMacの上位機種でようやくデスクトップのCPUになっています。
モバイルCPUとデスクトップCPUの違いは、実質はそれほどは無くて、CPUにどれだけ電力を与えるか(与えられるか)でパフォーマンスの違いを出しています。
これはまだ想像ですが、ファンレスのMacBook Airと、Pro/Mac miniの差が思ったほど出ていないのは、7nm世代のCPUに最大負荷をかけて本来の意味でのベンチマークするだけのツールがまだないのが理由だと思います。
MacBook ProやMac miniの冷却ファンがぶんぶん回るような処理をさせたときこそ、Apple M1の本当の底力が見えてくるのでは、と思います(NT-Dとかトランザム的な?!)。

さらにニューラルエンジンもまだ生かせていない点も見逃せないです(サイコフレーム的な?!)。

もっともっと使い込まれてくるといろいろなことがどんどん分かってくると思います。

2020-11-17

わたしのApple M1 MacBook Airカスタマイズモデルが順調に出荷されました

先週のSpecial Eventのすぐ後に、Apple M1 MacBook Air 512MBモデルを、メモリ16GB、USキーボードにカスタマイズして発注しました。
今夜、順調に上海から出荷されました。

経過は以下の通りです。
  • 先週11月11日(火)未明、Special Eventのすぐ後に発注し、処理中に
  • 昨日11月15日(日)夜、発送準備中に
  • 本日11月16日(月)夜、Appleから出荷完了に、SMSでも出荷のお知らせを受信、
    ヤマト運輸さんの上海にて「海外荷物受付」の状態
  • 11月19日(金)朝、深センにて「海外発送」、深センは香港の近く(2020-11-19追記)
  • メールによるお知らせでは11月22日(日)到着予定、
    発注時の到着予定11月23日(月)~25日(水)の最早日より1日短縮、出国・入国があるのでこれくらいですね
  • 11月21日(土)午後、(ADSC、羽田クロノゲートベース)を作業店通過(2020-11-22追記)
  • 11月22日(日)朝、最寄りのヤマト運輸営業店から、配達中に
  • 11月22日(日)ちょうどお昼に到着

カスタマイズ無しの場合は、納期から考えると日本の倉庫から出荷されるようですね。
iPhoneと違ってベースモデル以外は事前の在庫がなくて、中国の工場でBTOするんですね。 


[2023-06-27] 記録のために、
Air/M1/16/512の購入価格は174,800円(外税)だったようです(当時のレシートがなかなか見つからず、ウェブニュースにて調査)。

2020-11-13

Apple M1 MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniが直販ショップ以外でも取り扱い開始、ポイント付与ありでお得

11月11日の即日発売日にはApple Online Storeのみの販売だったApple M1 Macですが、その他のショップでも取り扱いが始まったようです。
価格.com(例としてMacBook Air最安モデルのリンク)でも一覧が表示されるようになっています(ただしヨドバシさんアマゾンさんはまだ価格.comの一覧に出ていないですが同様に始まっています)。

気になるお値段は、完全に横並び+5%ポイント付与(ヨドバシアマゾンも同じ価格、同じポイント)。

基本スペックが欲しい場合は、自分のご贔屓のお店でApple直販よりもお得に買えます。

そのうちカスタマイズモデル(16MBとかUSキーボード)の扱いも始まると思います。
最速でカスタマイズモデルが欲しい人はグッと我慢ですね。

[2020-11-13] 先ほど15時前にヨドバシからDM来ました。
やはりまだ基本モデルのみのようですね。
たとえばMacBook Airは2モデル×3色の6アイテムだけです。
いずれにしてもポイント分お得なのには違いないです。

2020-11-12

全く同じデザインのIntel MacとApple M1 Macを区別するにはFnキーの🌎マークの有無を探すしかない?

上があたらしいApple M1 MBP、下が併売中のIntel 版
(Touch Barの表示内容は常に変わるので、間違い探しからは除外です)

Apple Silicon Macが3機種同時にリリースされましたが、3機種とも従来と全く同じ筐体デザインです。
期待外れと言うよりは、あえて同じにすることで、違いを強調する高度な作戦のようです。

MacBook Airは完全にMx CPU(Apple M1チップ)に切り替わりました。
MacBook Pro 13とMac miniはIntel版とMx版の併売が続きます。
MacBook Pro 16は現時点はIntel CPU版のみです。
もちろん当面は、街中で、従来機種のIntel版のMacBook Air、MacBook Proと、Mx版が共存することになります。

さて、Intel版とMx版は、どうやって区別すればよいのでしょうか。
少し前なら、トップカバーのAppleロゴが光るかどうかで、新旧を見分けられる時期もありました。
再生アルミニウムとそうでないので見分けられる違いがあるのでしょうか(今回Proも再生アルミニウムになりましたね)。
Face IDのノッチがあったらとても分かりやすかったですよね。
Windows PCなら、Intel insideのシールにCore i CPUの世代が書いてあるのでそこで区別できます。

右に載せた写真は、上がApple M1 MacBook Pro 13、下が現在併売中のIntel版です。
ディスプレイ下の機種名の表記も”MacBook Pro”で全く同じです。
もちろん、アップルメニューから「このMacについて」を表示すると詳しい機種名が分かるハズです。
間違い探しのように写真をよく見ると、Fnキーに言語切替の地球儀シンボルが追加されているのが分かります。
この違いはMacBook Airでも同様ですし、USキーボードでも同様です。
Intel版とApple M1版の識別は、キーボードを見て判断することになりそうです。

今後二年の間にIntel版が更新されれば、このキーボードも同じになってしまう可能性が高いと思いますが、その時にはまた間違い探しをする必要があります。

なお、Apple M1 Mac miniは、スペースグレーからシルバーに戻ったので、区別しやすいですね。

2020-11-11

Apple Silicon Macがシリーズで発進、メインメモリはユニファイドアーキテクチャでSoC上に組み込み

無事に発表、発売開始されたApple Silicon Mac。

筐体デザインはIntel Macと変わらず、頭脳となるApple SiliconはMac専用でM1という名前。
一点だけ驚きだったのがメモリがユニファイドアーキテクチャ(UMA: Unified Memory Architecture)になっていて、Apple M1チップの中に組み込まれている点(右の図のCPUが載ったダイではなくて、SoCパッケージ内に同居して搭載)。
デメリットとして、MacBook Air、MacBook Pro、Mac miniともメモリ構成が完全に共通になります。
今後もメモリチップの集積度はどんどん上がっていくので、将来的にはこれでよいのでしょうが、当面、おそらく1年以上はメモリは最大16GBということになります。
Mac ProやiMac Proでは、Apple M1を2つとか複数積んでメモリ容量を稼ぐ、みたいな手法になるのでは、と思いました。
従来のように12%アップとかではなくて、ドドンと3倍アップ、5倍アップみたいな桁違いパフォーマンスがうたわれているので、これで十分なのだと思います。
既存のA12ZかA14に8GBメモリを組み合わせた、そこそこのパフォーマンスで、より廉価版のMacも確かに見てみたかったのですが、少し先のお楽しみに取っておくことにしましょう。

Intel CPUの場合は、AirとProとデスクトップでTDPの違うCPUが用途・目的に合うように選ばれていたのですが、Apple Siliconではおそらく全く同じApple M1で、排熱設計に合わせて設定だけを変えているのだと思われます。
この点もとてもユニークだと思います。

わたし自身もご多聞に漏れず、と言うか、今持っているMac mini 2012がmacOS 11 Big Surに対応できないので背に腹は代えられず、早速ポチりました。
Apple M1 MacBook Air 8GPU 16GB 512GB US-Keyboard Silverカスタマイズモデルを選びました。
オンラインストアのオープンから30分以上経ってしまっていたためか、到着予定は来週ではなくて再来週となりそうです。

[2020-11-12] Store Appで見てみたら、カスタマイズしない構成(最初のページに表示されているもの)は今でも1週間後11/17納品、メモリやキーボードをカスタイマイズすると2週間後11/23納品になるようです。
まだ初期出荷用のベースモデルの在庫はあるようです。
MacはiPhoneのようにすぐに売り切れてしまう、というたぐいのボリュームではさすがにないのですね。

[2020-11-13] そろそろ一部のモデル・オプションが12月納期に延びてきているようです。
意外とMac miniに人気があって、MacBook Airはまだ潤沢のようです(と言っても絶対数ではなくて、Appleが事前に予測して確保している在庫との比率)。

[2021-10-24] 「メモリをCPU内に組み込み」と表現してしまっていたのを「SoC上に組み込み」と文言を改めました。

2020-11-10

納得感のあるパッケージング(筐体デザイン、使用感)はとても大切

ラップトップって、ある意味、現在のパーソナルコンピュータの完成形じゃないかと、ちかごろ思います。 

必要なCPU、メモリ、ストレージとディスプレイを無駄のないコンパクトな筐体に収め、配線不要ですぐ動く、ふたを閉じればディスプレイの保護もできて、本体がそのまま収納カバーになる。

未来になって、眼鏡にディスプレイが組み込まれたり、空中ディスプレイとか、本体自体がウォッチサイズになったり、補助的ではない音声入出力の革新が起きたり、が実現するまでは、最新技術の結晶で、成熟し確立した技術です。

タブレットに後付けでキーボードを付けてもよいのですが、どうしてもまだ満足感が得られません。
この点に関しては、ことAppleにおいても、MacBook以上の完成度の製品はまだ出せていないと思います。

iPad ProのMagic Keyboardをパッと見た瞬間は、未来から来た技術かと思いましたが、バランスをとるためのウェイトのせいで、より画面の大きなMacBook Airよりも重くなってしまっていて、エレガントさが台無しです(実用性ではLogicool/Logitechの従来スタイルのキーボード+トラックパッドの方がよっぽど良いです、ただし私は全面カバー方式は好きではないのですが)。

いまこれを書いていて思いついたのですが、ディスプレイのないラップトップ+クロームキャスト/AirPlayでの無線画面表示用タブレット、みたいな製品はどうでしょう。
一体化してラップトップとしても使用できるし、家庭やオフィスではディスプレイ(+バッテリ)を外して遠隔で視聴利用できる(ただしCPUは本体側に残っていて、電源に接続)。

Apple Silicon Macでプロセッサ(CPU/GPU/ML)の変革は確かに起こるのでしょうが、さらにもう一歩先に進んでほしいな、と、今夜のApple Eventを待ちながらつらつらと考えました。


[2020-11-13] 思うところあり、用語の使い方について、

  • 広い意味でのPCとパソコンを用語として使用停止
  • 広い意味でのPCは「ラップトップとデスクトップ」、または長いけれどもパーソナルコンピュータと表記
  • PC(またはWindows PC)とMacを明確に区分し、差別化

することにしました。

2020-11-08

ユーザに対する選択肢の提供は余裕のなせる業(お買い物はあれこれ悩まされている間が一番楽しい)

※1 最初のApple Silicon MacBookはコンパクト版、期待を込めて
※2 ※3 プロ版、ハイエンド版は現時点予想不可能、iPad Proとどれくらい違うCPU/GPU/MLが出てくるのか
※4 さらなる普及版価格Macも期待したい
※5 昔はコンパクト化には大きなコストが伴ったが、現在はそうでもない

Appleはスマホ、タブレット、ラップトップおよびデスクトップにおいてそれぞれ最高のOS、最高のマシンを提供しているか、少なくとも常にそれを目指しているとわたしは思います。

少し前まではタブレットは単なるスマホの画面拡大バージョンでしかなかったのですが、複数アプリ表示や、本格的なキーボード・マウス対応で、タブレットとスマホの違いをだれにも自然に理解できるよう具体化して提示しました。

それじゃタブレットがあればラップトップやデスクトップはもういらないね、という議論はおそらく織り込み済みで、そう感じる人はiPad、逆にタブレットではまだまだという人にはMacを選んでもらえばよくて、さらにあわよくば決め切れずに両方を手に取ってもらえばなおよいわけです。

今後も、見る人が見れば、とう言うか、感じ方によっては、明確に区別された製品ラインになっている一方、スマホ・タブレット・ラップトップ・デスクトップの境界を意図的にあえてオーバーラップさせるようなことをしてくると思います。
もちろんそれぞれが常に最高の状態で。

今回Apple Silicon Macが加わることで、従来はMacが平均点以下に甘んじていた、パフォーマンス、バッテリー効率、軽さ薄さ、対応アプリの数、価格の面で、大きく前進するのではと期待できます。
AndroidかiPhoneかをなやむように、Windows PCかMacかをいろいろな用途でも真剣に悩む対象になっていくのではないでしょうか。

改めてAppleの製品をカテゴリ、タイプに分類してみました。
iPhoneとiPadは既に製品ラインが充実していて、普及版からプロ版までの全タイプを提供しています。
対して、Macにおいては多少遅れが出ているのを感じます。

Apple Silicon Macによってハイエンドは大きく期待できますが、欠けている普及版にはもっと期待しちゃいますよね。

2020-11-07

macOSの対応機種表の姿がどうなるのか、Apple Silicon Macを追記して待ち構えてみた

Catalinaの対応機種
Big Sur Previewの対応機種
Big Sur正式版の対応機種一覧の予想

AppleのサイトのCatalina 10.15Big Sur 11.0 previewの各ページには、対応機種一覧が掲載されています。
図の一つ目と二つ目が、現在掲載されている一覧です。
ここに今週発表されるであろうApple Silicon Macを追記してみました。

マシンのアイコンがある方が賑やかでよいので一つ目の図を元に、巷のうわさでは3機種出るという意見が多いのでこちらも賑やかしで仮にMacBook 12、MacBook Pro、Mac miniとしてみました。
(ちなみに、わたしの予想はMacBook 12の1機種でバリエーションあり。)

今週の発表ではBig Surが正式版になる(リンクはpreviewが取れて、おそらく https://www.apple.com/macos/big-sur/ で、もちろん現時点ではまだ存在せず)のは確実です。
並べてみるとものすごく機種が多いですね。
正式に掲載されるときはもう少しうまく整理した表記になると思いますが、はたして実際どうなるか、重ね重ねめちゃくちゃ楽しみですね。

2020-11-05

iPhone 12/12 Proから学ぶ筐体デザインの大切さ、Apple Silicon MacBookは新デザインであるべき(あってほしい)

iPhoneは5G通信という新しいテクノロジを体現するタイミングに合わせて、新しい筐体デザインを採用し、人気を博しています。
2Gから3Gの時も、3Gから4Gの時も筐体デザインを進化させました。
iPadはiPad Proにステップアップするために、(第一世代 9.7”はiPadと同じでしたが)12.9”と11”の新しい画面サイズと、さらに新しい筐体を採用してます。
Macは68000からPowerPC、PowerPCからIntel Coreへの移行の時には、筐体デザインはほぼ引継ぎましたが、製品名をMacintoshからPower MacintoshとiMacへ、そしてMacBookへ変えてきました。
Macの筐体デザインでは、PowerPC G3への切替時に、トランスルーセントのCRT一体型iMacになり、度肝を抜かされました(ちょうどジョブスの復帰作)。

Apple Silicon MacBookは、MacBook 12/Air/Proそのままの筐体デザインというのが大方の予想ですが、それだと持ち歩いた時のインパクトが全くないと言うか、所有して愛でたときの満足感が少ないと言うか、製品ラインとしての区別ができません。
今年のiPhone/iPad Airはどちらもフラットエッジということは、Apple Silicon MacBookもそうなることが相当に期待できます。

従来のなだらかなふくらみを排した、iPad Airの二枚重ねか、フラットだけれどクサビ形断面のシンメトリな二枚重ねの筐体デザインに思い切って行ってほしいです。

あるいは、Appleユーザには凡庸すぎますが、iPad Air/Pro+フローティングMagicKeyboardは実用性もあってよいのですが、アルミユニボディーでの実現は難しい(ヒンジ部分を覆う柔らかい素材がおそらく必要)と思います。
はたまたあるいは、ちょっとイメージが思い浮かべられませんが、クラムシェル型を脱した全く新しい筐体とか。
百歩譲って、2-in-1は、iPadとの使い分けが定義できなくなるので、そんなことをするくらいなら、iPadに何かを足せばmacOSが動きます、の方が良いので、除外ですね。
iPad Pro 11/12.9の筐体のままmacOSが動く、新"MacLet"というのも相当魅力的ですが、タブレット由来のパーツ(ゴリラガラス、アウトカメラ、タッチパネル)を排して、パーソナルコンピュータに最適になるようにそぎ落としたMacBookを期待したいものです。

製品名も"Apple Book"(Book <=表示にはApple端末が必要)とか、はやめておいていただいた方が良さそうですね、やはりMacの名前は必要かと。

2020-11-04

Windows 10でメモ帳(Notepad)のデフォルト漢字コードがUTF-8になって、全文検索されない問題への解決策 - htmlインデクサを使用

WindowsのテキストファイルもようやくShift-JISからUTF-8に移行してきました。
Windows 10 1903から、メモ帳(Notepad.exe)のデフォルト漢字コードがUTF-8になりました(それも従来のWindowsのBOM付きではなくて、LinuxやmacOSと同じBOMなしのUTF-8)。
これはとてもとても良いことだと思います。

しかしながら非常に残念なことに、Microsoftさんの片手落ちで、デスクトップ検索(全文検索)からUTF-8のテキストファイルが検索で引っかからなくなってしまっているのです。
Shift-JISやUTF-8N(BOM付き、従来のWindowsのUTF-8)のファイルは問題ないのに、メモ帳の現在のデフォルトのUTF-8ファイルがダメなのです。

最悪、自分でIFilterを書こうかとまで思ったのですが(nkfみたいに自動文字コード識別)、いい方法を思いつきました。

従来からHTMLファイルは文字コードの自動判別機能を持っていて、当然Shift-JISにもUTF-8にも対応しています。
テキストファイル用のデフォルトのIFilterを使わずに、HTMLファイル用のIFilterに差し替えればと思い、やってみたところ、すこぶる良好です。
(エンジニア用のメモ:Windows Platform SDKのfiltdumpでも検証しましたが、HTMLなので改行コードが無視されるという違いはありますが、キッチリ漢字文字を認識できるようになります。)

設定にはRegeditを使います。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.txt\PersistentHandler の内容を HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.html\PersistentHandler の内容で置き換えればよいです。
つまり手順としては、次の内容をコピペし、 classes-txt-handler.reg というファイルに「UTF-16 LE (BOM付き)」で保存して(図のひとつめのアイコンになること)、ダブルクリックしてください。
(.reg ファイルに保存したときに、メモ帳のアイコンではなくて、レジストリのアイコンになることが肝要です。拡張子を表示していないと classes-txt-handler.reg.txt というファイルになる間違いが起こりがちですので要注意です。)

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.txt\PersistentHandler]
@="{eec97550-47a9-11cf-b952-00aa0051fe20}"
"既定.save"="{5e941d80-bf96-11cd-b579-08002b30bfeb}"
"既定.html"="{eec97550-47a9-11cf-b952-00aa0051fe20}"

設定を反映するには、もう一つおまじないが必要です。
スタートメニューを開いた状態で index と入力して出てくる [インデックスのオプション] を起動して、「xxx個のインデクスが作成されました」のところのファイル数をまずはメモしておいてください。
[詳細設定] ボタンを押し、[再構築] を押して、検索インデックスを作り直してください。
[インデックスのオプション] の画面に進捗状況が表示されます(私の場合は完了までに24時間くらいかかりました)。

上記regファイルには、オリジナルの設定値を「規定.save」のところに書き込んでありますので、元に戻したくなった時(将来、標準でUTF-8がサポートされた暁に)はその値を「@」のところにコピーしすればよいです。

あと、Windows 7の頃は検索ツールで、PC上のファイルもOutlookのメールもまとめて検索出来ていたのですが、(古い話ですが)Windows 8+Outlook 2013以降はそういうことができる画面がなくなってしまいました。
ファイルの検索はスタートメニューかWindows Explorerで、メールの検索はOutlookで、と分断されてしまっていました。
しかしながら、Windows OSの検索インデックスDBはどちらの内容も取り込んでいるので、何とかできないかというのは当然の思い(Windows 7を知らない世代はそういうものと思っているかもしれませんが)でして、じつは何とかする方法があります。

次の内容をコピペして indexed-Locations.search-ms というファイルに保存してください(ここでも拡張子に注意、図の2つめのアイコンになること)。

<?xml version="1.0"?>
<persistedQuery version="1.0">
  <query>
    <kindList>
      <kind name="item" />
    </kindList>
    <scope knownScopeID="{f60163ce-2b8d-458d-ab2c-40f215767514}" />
  </query>
</persistedQuery>

この水色アイコンをダブルクリックするとWindows Explorerの窓が開きます。
検索ボックスにキーワードを入力してReturnを押すと、全ファイル・全メールからの全文検索ができるようになります。
このファイルを [スタートメニューにピン止め] しておけばすぐに呼び出せてとても便利です。
(Windows 7のことを覚えているひと向け:当時は検索結果のメールアイテムをダブルクリックすると開けたのですが、今はもうダブルクリックできなくなりました。残念ながらOutlookの中で再度 [すべてのメールボックス] で検索して開く必要があります。)


全文検索のデスクトップ検索については、最初はWindowsが先行し、途中Google Desktop Searchの時代があり(PCのファイルの内容までもがGoogleの検索エンジンに持っていかれるので私は到底使えませんでした)、今ではmacOSの方がキッチリ動いています。
今回紹介した設定で多少なりともWindows Desktop Search(WDS)が使い物になれば良いな、と願います。

[2024-03-19] regファイルはUCS-2またはUTF-15 LE BOM付きにしないと漢字データが文字化けするので追記しました。

2020-11-03

Apple Special Event 2020-11-10の招待状、しっかりと受け取りましたよ

Appleさんから、招待状いただきました。
9月、10月に続いてこの秋3度目ですね。
来週の火曜日11月10日火曜日の深夜つまり11月11日水曜日未明です。
夏時間が終わっているので今回は3時から5時とちょっとつらい時間ですが、しっかり参加したいと思います。
今回は事前リークがあまりないので、単なる答え合わせではなく、ワクワクしたイベントになりそうです。