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ロープロプロファイルの自作キーボードの活動の中でなにか目新しいことをやりたくて(前回の投稿 ウルトラロープロファイルの自作キーボード制作の夢を見た のつづき)、MX ULPスイッチとキーキャップも付属しているDell Alienware m15 AlienFXキーボードユニットを取り寄せました(4番目の写真)。
このキーボードユニットから、表面実装されているMX ULPスイッチのハンダをひとつひとつ外してスイッチパーツを手に入れる算段なのですが、思っていたほどには簡単にいかない状況です。
- 一般的なキースイッチは、PCBへのハンダ付けは電極足のみですが、MX ULPではスイッチをPCBに固定するためにハウジングパーツもハンダ付けする構造になっています。ハウジングパーツ(3番目の図の一番下の枠になった金属)をまずPCBから外すのですが、そうすると電極パーツ(金色の2つの接点パーツ)がPCBに取り残されて外れてしまいます(1番目の写真の左側のPCBの状態)。この2つの電極パーツは非常に薄い金属板でできているので、すぐに曲がったり折れてしまったりします(このためだけにヒートガンを準備するのも気が引ける)。苦労して電極パーツを外しても、変形してしまっていると、ハウジングパーツにはめ込んだときに、なかなか元通りにならないのです。
最初から新品のスイッチパーツを手に入れれば良いのですが、やはり入手が難しそうです。
ハンダごてのこて先を細いものにしたりして、もう少しトライしてみたいと思います。
今回、MX ULPを実際に手にして他にも気付いた点も書いておきます。
- キーボードの仕上がり高さは、驚くべきことにロープロファイルキーキャップの高さよりも低くなります(2番めの写真、ちなみにFunction行の細いキーはMX ULPではなくてメンブレンスイッチ)。
- キーキャップのつけ外しは、耐久性は低そうですが、githubに書いてあるコツを掴めば問題なくできます。
まずキートップの下側(南側)の角の左右(南西か南東)どちらかを持ち上げて、外れやすい方をプチっと外します。
ここで、横方向に力を入れすぎてしまうとスイッチ本体のパンタグラフパーツが外れてしまいますし(組み付けは難しくないので大きな問題ではないですがバネをなくさないように)、上に無理に引っ張りすぎるとパンタグラフパーツが曲がってしまうので、力の加減が必要です。
次にもう片方を同じようにプチっと外します。
上側(北側)はキーキャップを上に(北の方向に水平に)ずらすことで外します。 - キーキャップの文字部分はバックライトを透過するのですが、残念なのがShiftと同時押しで入力する記号部分が透過じゃない点です。
- パンタグラフパーツは、左右から差し込んであるだけのシンプルな構造です。
左右に引っ張ると容易に外れますが(1番目の写真の真ん中が外したところ)、組み立ても左右からはめ込んでバネを引っ掛けるだけなので比較的簡単に組み付けられます。 - 真ん中の2つの白い樹脂のパーツ(上の金属のパーツと連動して電気接点を押すパンタグラフになる)は、下の金属の台座に固定されていてはずれません。
低いくて小さいですが、3箇所の位置決め用の丸足として下に出るようになっています。 - キースイッチの押し込みは、通常のスイッチのような単純なバネの伸縮ではなくて、パンタグラフ部分がカクカクとした動きを醸し出すので、おそらくリニア軸の実現は無理です。
現状もMX ULPはタクタイルとクリッキーのみです。 - キースイッチの質感は、ウルトラロープロファイルであることを意識させないくらい、とてもしっかりしています。
Mistel AIRONEの評価が高いのもうなずけます。
なおさら、なんとか自作キーボードとして実現したくなります。
MX ULPキースイッチとキーキャップをまとめて入手できる良い方法と思ったのですが、なかなかの難関です。
この投稿は自作Lilithキーボードで作成しました。