このブログではUTM appを使ってIntel版のWindowsを動かす話題を取り上げてきました。
もう一度言います、UTM appを使えば、Arm版のLinuxやWindowsだけでなく、Intel版のWindowsを動かすことができます。
もう一度言います、UTM appを使えば、Arm版のLinuxやWindowsだけでなく、Intel版のWindowsを動かすことができます。
今回はApple Silicon Mac上でIntel版Windows 10をクリーンインストールする方法です。
少しコツが必要でしたので、その手順を紹介します。
UTM appはLinuxの世界では有名なCPUエミュレータであるqemuを、macOSやiOS/iPadOSで簡単に使えるようにしたアプリで、ここ(App Store版、またはフリー版)から入手できます。
Apple Silicon MacBook Airの8 Coreを全て使えばIntel CPUの実機の1/2〜1/4くらいのパフォーマンスで動作します。
(以前の検証では1/4〜1/8くらいのスピードしか出ず、実験程度にしか使えない状態でしたが、今回改めてWindows 10をクリーンインストールしたら俄然速くなりました。)
以下、Apple Silicon Mac上にIntel版Windowsをインストールする手順です。
- 準備物は3つ。
UTM app(App Store版、またはフリー版をあらかじめインストール、現在のバージョンは2.0.27です)、
Windows 10のインストーラISOファイル(わたしが試したのはWindows 10 version 2004 日本語版)、
追加ドライバISOファイル(UTM appのサイトのもの)です。 - UTM appを起動します。
- + ボタンで新しいVMを作成し、以下の設定を行います。
[Information] タブの [Name] でVMの名前をつけます(あとでも変えられます)。
[System] タブの [Architecture] で [x86_64]、[Memory] を 4096MB(わたしは余裕を持たせて6GB)に指定、[Show Advanced Settings] をチェックして、[CPU Cores] で 8Coresを指定します。
[Drives] タブで、[New Drive] ボタンを押して30GBのシステムディスクを作成します。さらに [Import Drive] ボタンを押してWindowsのISOファイルを指定します。再度 [Import Drive] ボタンを押してダウンロードしたspice-guest-toolsのISOファイルを指定します。3つとも [Interface] は [IDE] です。
[Display] タブの [Emulated Display Card] に [vmware-svga] を選びます(vmware-svgaがいちばん安全と思います)。
[Sound] タブの [Emulated Audio Card] に [Intel HD Audio Controller (ich9)] を指定します(デフォルトの [Intel 82801AA AC97 Audio] ではドライバが見つからないため)。
以上を指定したら、[Save] ボタンを押します。 - 右三角ボタンで、作成したVMを起動し、Windows 10のインストールを行います。
インストーラの中で2回のリブート(「ファイルのコピー」の後の「再起動します」のところと「準備しています」の後)がありますが、インストーラ中の自動再起動はうまくいかないので、画面が真っ黒になって、アクティビティモニタで見ていてCPUが約100%で一定になったら(処理中は300%とか500%とかの高負荷)、Windowsの表示ウィンドウのボタンで強制停止したのち起動させます。
インストーラの最後の方でのシステム更新は、わたしはインストーラを早く終わらせたいので行わないです。
ユーザの設定等の後、最後の「現在準備中です」のところで「予想よりも少し長くかかっています」と出ますが、無事完了して、Windows 10が起動すると思います。
インストールは約1時間で終了します(実機に比べてそれほど遅くないですね)。 - 起動したWindows 10にログインします。
最初は実機でも同様なのですが、デバイスの自動構成([QEMU USB Keyboard] など)やWindows UpdateやSearch Indexerが動くので負荷が高いです。
いつも動いてしまうOneDriveは、わたしはタスクマネージャの [スタートアップ] タブで [停止] にしています。
デバイスマネージャを見ると [PCIシンプル通信コントローラ] が警告状態になっていると思いますので、[ドライバの更新] で E: ドライブを指定してドライバをインストールします([VirtIO Serial Driver] (Red Hat, Inc.) がインストールされます)。
それと、ライセンス認証を行います。
システムが落ち着いてくると、30秒ほどで起動、1分で停止するようになりました。
むかしはWindowsのインストールといえば半日仕事でしたが、上記手順は2時間もあれば完了します。
Apple Silicon Mac上では、ParallelsもVMware Fusionも、もちろんBoot ChampもIntel Windowsへの対応の望みが薄い中、今UTM appは現実に動作する解です。
実行速度の不利さもM2 Macになればすぐに解決すると思います。
いかがでしょうか。
[2021-10-31] CPU Cores数の設定は、初期のM1では全コア数の最大の8がおすすめです。
M1では高性能コアが4つですがM1 PRO/MAXは高性能コアが8つなので結果はかなり違うと思います。
10に設定すると多少でしょうがさらに上がると思われます。
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